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税理士事務所のお仕事#9 ¥マークの罠

本記事は、実際に筆者が体験した出来事をもとにした
エピソードエッセイです。
登場人物の名前は仮名であり、特定の個人や団体を
非難する目的は一切ありません。
 

円マークって、「¥」だけだと思っていたんです。
そんな私が、はじめての労働保険の年度更新作業で見事にハマった“罠”のお話です。
 

労働保険の年度更新──
それは、前年度に納めた労働保険の保険料を精算し、新年度分の概算保険料を申告・納付する手続き。

毎年この時期になると、担当分の申告書と納付書をせっせと作成します。
申告書の数字自体は給与ソフトから集計すれば出てくるので、実はそこまで大変じゃない。

ところが大変なのは“手書き”でそれを転記していく作業。
そう、まさかの手書きです・・・涙
 
私は十数社分を担当していたので、毎年けっこうな枚数を書いていました。
申告書の大半は修正できるけれど、納付書だけは訂正不可という厄介さ。
書き損じたら、労働基準監督署か労働局に行って再発行してもらうしかありません。

 

で、やらかしました。



金額の頭に、各種税金の納付書と同じように「¥」と書いたんです。
何の迷いもなく。いつも通り。
だってずっと「円マーク=¥」だと思っていたから。

ところが──
その申告書が、無言で上司の小石川さんから返ってきました。
「あれ…何かミスったかな?」と戸惑っていると、
「とりあえず、労基行って再発行してもらってこい!」と、バッサリ。
めっちゃ怒ってる・・・汗。
 
私は、自分の作成した申告書と手引きを並べ、間違い探しのように必死でチェックしました。

そして、ようやく見つけたのが──
「¥」じゃない・・・?なにこのマーク?!
横線が一本しかない!・・・Ұ?!
・・・え、何ですかこの新しい円マーク。
こんなの見たことなかったんですけど。
 
でも手引きにちゃんと書いてあるんです。
“納付書の金額には『Ұ』を使用”って。
でも、私・・・スルーしてました。

今まで見たことないマークだったので、無意識に読み飛ばしてたんでしょうね。
完全に“慣れ”と“油断”のミスでした。
 
翌朝すぐに労基に駆け込み、申告書を再発行してもらって事なきを得ましたが、
この一件で私は、役所から来た書類は隅から隅まで読む人になりました。
(あ、えっと・・・本当は当たり前なんですけどね・・・汗。ごめんなさい。)

ちなみに・・・
この申告書と納付書、実は“つながって一枚”になっているのですが、金融機関に持ち込むときは切り離さずに持ち込まなきゃいけないのがルール。

それなのに、数年に一度なぜか絶対に切り離してから銀行に持って行ってしまうお客さんがいて・・・。
そのたびに「もう〜っ!!なんでだよ~~~!?」と叫びだしそうになってました。
 
「慣れ」は効率を生むけれど、油断も生むんですよね。
基本を見直すことは、ベテランでも大切な姿勢です。
でもね、失敗して覚えたことって一生忘れないんですよ。

※こんな用紙が労働基準監督署から届きます。
実際には申告書と領収済通知書はつながっています。
金融機関には切り離さずに持ち込みましょう!!!

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