七夕とイケメン君
その年の七夕は雷雨だった。
翌日、突然の訃報。
「なんで!?」
衝撃だった。
以前は仲良く話していたイケメン君が死亡。
なぜ自殺??
ルックスが良くて、仕事(公務員)もあって、可愛い彼女もいた。
当時25歳。
精神を病んで病休だった話は聞いていたけど、復帰してたし・・・。
亡くなってから、みんな言っていた。
「ハンサムやったのになぁ」とか。
なぜ生前、本人に言わなかったんだろう、と後悔した。
見ればわかるイケメン。当然自覚あるだろうと思って言わなかったのかな。
それとも変に意識されたくなかったとか。
今思えば、彼は自己肯定感が高くなさそうだった。
若い方の死はよけい辛い。
彼の周囲の席だった男性達が、次々に病休になっていった。
しばらくはイケメン君の空席を見る度に胸が痛んだ。
・・・が、しばらくして物凄く豊満な女性が配属された。
彼女の席は、元イケメン君の席。
その女性は、全く事情を知らない。
周りも誰も言わない。
その女性は大柄すぎて、移動するたびに上司の椅子に体当たり、上司の椅子が勢いよく回転していた。どちらかというと鈍いタイプで、そこに悪びれる様子はなかった。
それが非常に良くて、段々と重苦しい空気感が変わっていった。
病休だった男性職員もやがて復帰した。
七夕になると、やっぱりイケメン君のことを思い出す。
ショッピングセンターで偶然会った時、背後から驚かされたこと。
彼が口説こうとしてた美女の話。
仲良く話していた頃もあったのに、当時は歯列矯正が始まり話しづらくて距離を取っていた気がする。
もっと話していたら、何かが変わらなかったかな? と思ったりする。
あなたは誰もが羨むイケメン。
私もあなたと同じ年齢の頃に、そんな気持ちになりそうになったことあるよ。悩みは時間が解決するって、伝えたかった。
あれ以来、褒め言葉はその場で本人に言うよう心掛けている。
