猛暑日手前。冷奴とビールに救われる夜
7月。梅雨明け前の猛暑日の手前。
今日は、猛暑日手前。湿度が高くて、なかなか辛い日でした。
寒がりで有名だった私
数年前まで、私は寒がりで有名でした。
夏もそんなに暑くない。クーラーが天敵で、オフィスの室温警察でした。
もちろん常に自分自身が重装備。シルクのカーディガン、カシミヤの膝掛け、ウールのレッグウォーマー。
飲み物は温かいもの一択。アイスコーヒーは、就職活動以来オーダーしたことがありません。アイスも買わない。レストランのコースでシャーベットやアイスクリームが出ても食べられないので、「苦手です」と事前に伝えていました。
かき氷は、台湾だったかシンガポールだったかで食べたマンゴーかき氷が30代の旅が最後。クーラーが効いた店内では、みんなで写真を撮って、三口くらいで十分。一緒に旅した女子たちに食べてもらうのが常でした。
女子大生の頃は、痩せ我慢して真冬でもジェラートを食べましたが、大人になってからはほとんど食べなくなりました。三口で満足するようになったのです。
電車ではクーラーの真下を避け、レストランでも風が当たる席には座らない。映画館で寒くなると、持参した靴下を履く。それでも冷たくなって、途中からあぐらをかきたくなるほど。寒さが気になって、ストーリーが頭に入ってこないこともありました。
更年期で身体が変わる
更年期。私にもやってきました。
生理痛はとても軽く、婦人科系の病気とも無縁だったので、どこか油断していました。
40代半ばを過ぎた頃から、身体に少しずつ不調が現れ始めます。
9月に夏休みはだいぶ遊んで過ごし、さらに夏中働きまくって疲れが出た秋には、顔に出てしまった帯状疱疹。現代を生きる四谷怪談。おいわさんになりました。
その翌年には婦人科系の病気で手術を受けることになりました。
イタリアオフィスがクリスマスホリデーに入るタイミングで休みを取り、比較的簡単な手術を受けました。日帰り手術。
人生初の手術を終えたクリスマスイブの夜、ペニンシュラで彼とディナーを食べたのは、今思えばずいぶんハードな一日でした。
出血は止まったけれど、頭の中はカオス。それでも「クリスマスだから」と食事をしていた自分が、今となっては少し可笑しく思えます。
それがコロナ禍が始まる前の冬。
その頃から、私の身体は少しずつ変わっていきました。
更年期本番
45歳から47歳頃は、とにかく冷えが酷かった。漢方に、冷えと婦人科系の症状の改善のために、年間30万円近く課金していた時期です。
ところが48歳頃になると、不思議なくらい手足が温かくなりました。
「これが更年期か」
ホットフラッシュではないけれど、身体が温かい。冬は本当にありがたい変化でした。
でも、その代わり夏が暑い。
体験したことのない辛さ。
ハンカチを持ち歩かないと不安になったのもこの頃。そして50歳を迎える今には、私は常に暑くなり、ホットフラッシュも「いつメン」になりました。
2025年の夏は、本当に暑くて長かった。11月になってようやく秋が来たと思った記憶があります。
その恐ろしい夏が、また始まります。
「猛暑日」は昔はなかった
今年の梅雨明けは、週末の予報。
一足先に、蝉たちの命をかけた絶唱も始まり、夏本番です。
私が部活をやっていた中高生の頃も、真夏日が続けば十分うんざりしていました。
私は中高では、緩い陸上部。練習中でも水は飲んで問題なし。
ウォータークーラーに並んで冷たい水を飲み、マネージャーが作ってくれたポカリスエットを飲んでいました。
真っ黒に日焼けしても、熱中症になる子はほとんどいなかった記憶です。風があったからでしょうか。真夏の日中にグラウンドを走っていました。
そういえば、あの頃はまだ「猛暑」という言葉はありませんでした。
猛暑について、AIに聞いてみると、最高気温35℃以上を「猛暑日」と気象庁が定義したのは、2007年から。
2000年代に35℃を超える日が増えたため、「異常な暑さ」を表す言葉として新設されたそうです。
そうか。私が部活をやっていた90年代には、「猛暑日」というカテゴリー自体が存在していなかったのか。
さらに「酷暑日」が誕生
そして近年、暑さはもう一段階進化しました。
「酷暑日」です。
40℃以上を観測する地点が毎年のように現れるようになり、「35℃と40℃では危険度が違う」という理由から、日本気象協会が2022年に「酷暑日」を提唱。
さらに2026年には、気象庁も正式な予報用語として採用しました。
90年代から考えると、2026年の日本の夏は二段階進化してしまったようです。
暑さver.2.0の時代。
駅まで歩いて会社へ行くだけで疲れる。
クーラーで冷えた身体も、ランチや打ち合わせで外へ出ればすぐ汗が噴き出します。以前は、身体が温まってありがたかったのに。
東南アジアより東京の方が暑い日も珍しくありません。夏休みの旅行帰りの定番のネタです。
冷奴とビールが今日のご褒美
猛暑の手前。
気力も体力も削られた私は、冷奴を肴に冷たいビールを飲みます。
山盛りの茗荷、大葉、生姜。
身体を冷やしてくれると信じながら。
明日の天気予報を見るのが憂鬱です。
「猛暑日」という文字を見るだけで、気力がだいぶ削られます。
そういえば、「猛」と聞くと、私はプロ野球の「猛打賞」を思い出します。
猛打賞には勢いがあって、どこか景気のいい響きがあります。
でも令和の猛暑日は違います。
私にとっては、抜け殻宣言のような言葉です。
どうか、真夏日で収まってくれ。
ホットフラッシュを抱えるアラフィフの、切実な夏の願いです。

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