遅い夕食
急に決まった、二人の夕食
急に二人で夕食をとることになりました。
「お米が切れているんだよね」。いつもなら、ここで ドミノピザ になるところ。
でも冷蔵庫には、漬け込んでおいた豚肉がある。今日は、あれにしよう。
30分でつくる、ポークと春キャベツの夜
今日のメインは、ポークとジャガイモのロースト。
パスタは、冷蔵庫で死にかけのキャベツとアンチョビのペペロンチーノ。わが家の“30分でつくるシリーズ”です。
本当はジャガイモをオーブンでじっくりローストしたいところ。でもお腹が空いているので、レンジで蒸してから豚肉と一緒に焼きます。
豚肉は、お肉屋さんで縮まないように包丁を入れてもらい、ローズマリーとガーリック、オリーブオイルとともに冷蔵庫で漬け込んでおいたもの。あとはフライパンで火を通せば、いい感じに仕上がります。粒マスタードを添えるとランクアップする気がする。
なんとなくトマトも一緒に焼きました。焼くと甘みが凝縮して、おいしくなるのです。
春キャベツとアンチョビのペペロンチーノは、もう長年つくり続けている一皿。正しいレシピは知りません(笑)。
20代の頃、有楽町にあったイタリアンで食べて以来、そのときの味を自分なりに再現してきました。いつのまにか、それが「私の味」になっています。

ローズマリーに漬けておいて時短。
ポークはお肉屋さんで隠し包丁を入れてもらう。

有楽町ビルヂングの思い出
キャベツとアンチョビのパスタは20代の頃、有楽町ビルヂングのイタリアンで食べたのか、最初。
有楽町ビルヂングのスバル座で、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた「シャイン」を観たあとにキャベツのパスタを食べたのです。
映画を誰と観たのかは思い出せない。でも、春キャベツのパスタを食べたことは忘れられない。不思議な思考回路の25年くらい前の思い出。
たしか、トラットリア ラ・ベルデ。だったはず。
有楽町ビルヂングも閉館しましたね。私の思い出の中に、あの佇まいは残っています、キャベツとアンチョビとともに。
クローゼットのスプマンテ
今夜は、ソファの下に転がっていた安いスプマンテを思い出しました。
出しっぱなしにしていた(←しまうのがめんどくさい)シャンパンクーラーに氷をたっぷり入れて冷やします。確か、驚くほど安かった一本。
冷えていないスプマンテは、冷凍庫よりも氷で冷やすほうが断然いい。冷やすと、味が数段おいしくなります。

リジェネラティブというキーワード
食卓の話題は、彼の会社のプロジェクト。会社全体のゴール設定をつくっているそうです。キーワードは「リジェネラティブ(再生)」。
あるべき姿を、一つずつ積み上げています。
働き方がリジェネラティブであることに、魂を込めて。
私は、ときどきゴーストライターとして資料づくりを手伝います(笑)。
資料作成が苦手な彼は、AIでまとめた文章にどうも魂を込められないらしい。そこで私は、スシローをご馳走してもらう対価として、AIの文章にリジェネラティブな息吹を吹き込みます。
現代の“眠れない清少納言”を自負する私には、お安い御用です。
私の得意分野は、記憶を手繰り寄せ、観察し、ストーリーにまとめ上げること。
発展する会社の成長譚への入魂など、得意中の得意。
自分の会社のビジョンはあやふやなのに、彼の会社の未来は、なぜかくっきりと見えています。
パイオニアではなく、フォロワー
私は、誰かが設定したゴールへの筋道を描くのは得意。でも、まっさらな場所に自分でゴールを置くのは苦手です。
料理も同じ。完全な創作はできない。
でもベンチマークとなる味があれば、想像し、再現できる。
パイオニアにはなれない。
けれど、究極のフォロワーであり、心強いサポーターではある。
世の中は、先頭を走る人だけでは成り立たない。後ろから押し、形を整え、物語にする人も必要です。
それが私の役割なのだと思っています。
今夜の遅めのディナーは、ボリュームも話題もたっぷり。
お皿は彼に洗ってもらいましょう。私の労働力をリジェネラティブに再生産するために。
それもまた、分業という名のチーム戦です。
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