8月15日のセミの声
久しぶりの早朝、朝ごはん
今日はお出かけ。ちゃんと朝ごはんを食べる。ここ数日、引きこもってて、ゴミ捨て以外外に出ない生活。朝は何にも食べてなかったから、久しぶり。
買い物に行っていないから、冷蔵庫は干上がっていて、何もない。冷凍庫に塩鮭があるから、それを食べよう。お豆腐も卵も野菜もなし。コンビニへ行こうなか。
久しぶりの早朝、なんだか涼しいな。
蝉がまだ鳴いていない静かな時間。
街の主役が人間だと感じる。夏は、蝉にだいぶ乗っ取られているから。
小雨がパラついている。ちょっと暗く感じる。夏至を過ぎてもうすぐ2ヶ月だから、日が短くなってきたのかな。冬至に向かって短くなる日の長さ。秋の気配を感じる。
お豆腐とカットされたネギを買う。
おみそ汁を作ろう。ネギをたくさん入れれば、サラダと同じはず。
お米を洗って、炊く。35分で炊き上がる。ありがたい。
おみそ汁は、お豆腐と、冷凍庫で凍っていた生姜のすりおろし、最後にコンビニにネギを入れて完成。
塩鮭は、もはやテフロンが完全に剥げたフライパンで焼く。だから焦げた。
このフライパンは、やっぱり寿命がきてるっぽい。ずいぶん長いこと使った気がする。買い換えよう。
ご飯と、おみそ汁と、塩鮭。沁みる。
蝉の声がしない早朝に、咀嚼音や飲み込む音を聴きながら、ゆっくり噛んで食べる。
蝉の声がしない夏の朝
蝉が鳴かないと、本当に静か。エアコンの音しか聞こえない。
セミって、メスに求愛するために鳴くんだよね。メスを呼ぶために鳴いている。
だから、鳴くのはオスだけ。
雨の日は、雨の音にかき消されて求愛の効果が下がるから、エネルギーを無駄遣いしないよう鳴くのをやめる。鳴くと限りある命を燃やしてしまうから。
だからセミは、雨の日は休むんだよ、と子どもの頃に図鑑で読んだ記憶。
メスは鳴けない。
セミを捕まえたときに、ジジジと大きい音を出すのは、オス。
あれ?死んじゃってる?って思ったら、突然動き出すのが、メス。
セミの自由研究
小学生の自由研究で、セミの鳴き声を記録したことがある。
◯月◯日◯時 アブラゼミが鳴き始めた
◯月◯日△時 ミンミンゼミが鳴き始めた
◻︎月◻︎日 雨だから鳴いてない
アブラゼミとミンミンゼミは、鳴く時間がちょっと違うことや、ツクツクボウシは、夏休みの半ばを過ぎてから鳴くことがわかった。
毎日、セミの声を聞いて、記録しながら、アブラゼミは早起き、ミンミンゼミは甲子園のサイレンと同じ時間に鳴くなど、時間によってセミの鳴き声の主役が違うことにも気がついた。
雑にまとめてしまったあの自由研究。
私はやけに律儀で、時報みたいに時間には正確な子ども(朝は起きれないし、遅刻もするけれど)。たぶん、不必要に117に電話して、時報も聞いて、相当、几帳面に記録していたはず。夏休みいっぱいの記録だったから、子どもなりに考察したらおもしろかったのかもしれない。
どんな流れで帰結したかはよく覚えてないけれど、
「ずいぶん昔だけど、百人一首の蝉丸も、セミの声を聞いていたと思う。おわり」みたいに結んだ。
雑な終わり方。あまりに雑すぎて、むしろ忘れられない。
後悔してもしょうがないんだけど、セミの自由研究をいまだに思い出して、少し後悔する51歳女子。
私と同じように40日間記録をする自由研究の組み立てで、妹は雲を観察した。
8月末の日曜日に泣きながら、父と一緒にまとめた自由研究は、何かの賞を取っていた。
手伝ってもらったクセに。と、憤慨したから、自分のセミの自由研究が忘れられないのかも。
大学生のときに家庭教師をした。夏休みには、中学生の男の子と一緒にカビの研究。中学生のときに自分がやったネタで、私にとってはリベンジ。
お母さんから、「カビはちょっと…」と言われたけれど、あの子の自由研究は表彰されていた。写るんですで、カビの写真を撮って、なぜか私が現像に出した記憶。あれは、私の写るんですだったのかな。
大学生が、ちょっと本気になったから、賞状は当然か。
セミの一生に寄り添う
ここ2日間は、アブラゼミもミンミンセミも声を聞いていない。ずっと雨が降っていたから。
今日は曇りの予報。
二日間蓄えたエネルギーを爆発させて、渾身の愛の歌を奏でるのか。
セミは、騒々しくて俗っぽい鳴き声だけど、愛に生きている。いや、その愛の成就のためだけに生きて、鳴いている。7日間だけ、鳴いている。
案外、恋愛脳なのかもしれない。
いや、生存本能だな。
セミの命を賭けたやかましいセレナーデを聞けるのもあと数週間。ちょっとだけセミロスになる日が近い。
81年前のセミの声
81年前の今日も、蝉の声は変わらなかっただろう。
昭和20年、8月15日の正午は、雲一つない晴れだったと記録されている。
記録には、蝉の声は書かれていない。でも、セミがきっと鳴いていた。
どんな気持ちで、蝉の声を聞いたのか。
小学生のときに、終戦記念日を知った日から、いつも考える。
正午は、たぶんミンミンゼミが鳴いている時間。
セミの声は、終戦の日に、その前とその後では違って聞こえたのか。
今日は81回目の終戦記念日。
戦争は、世界の中から消えていない。
変わらない蝉の声
変わらない蝉の声。
早起きなアブラゼミの声が聞こえてきた。朝が来た。
ミンミンゼミが鳴き始めるまでに、まだ時間がある。
焦げを洗って、フライパンを捨てに行こう。
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