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イヤイヤ期も思春期の爆発も、脳の側から見れば「謎」が解ける

子どもの心は、まっすぐ大人へ育っていくものだと思っていた

子どもはゆっくりと、しかし一本道で大人へ近づいていく——私はそう思い込んでいました。だからイヤイヤ期に手を焼くたび、思春期に感情を爆発させる姿を見るたびに、どこか「育て方を間違えたのだろうか」という不安がよぎりました。説明のつかない振る舞いを前にすると、親としての足元がぐらつくような心細さがあったのです。ところがこの本は、その不安の前提そのものをくつがえしました。ヒトの発達は直線ではなく、連続性と多様性をもって複雑な曲線を描きながら進むのだ、と。

明和政子著『ヒトの発達の謎を解く』はこちらから読めます。


胎児に心はあるのか、という問いから始まる旅

本書は「胎児に心はあるのか」という根源的な問いから出発します。そしてイヤイヤ期はなぜ起こるのか、思春期に感情が荒れやすいのはなぜか、個性はいつ・どのように生まれるのか、といった身近な謎を、脳と心の発達という生物としての視点から科学的に解きほぐしていきます。本書では、ヒトの脳は生まれてからも長く未完成のまま学習を続け、他者の身体に触れながら育っていく存在として描かれます。たとえば思春期の感情の激しさも、脳の各部分が育つタイミングのずれという観点から眺めると、わがままではなく自然な過程として見えてくる。そう知るだけで、目の前の子どもへのまなざしが変わってきます。読者の声にも「これまでの脳科学の書籍とはまた違う視点を提示してくれた本」「多角的な視点から脳・心の発達を丁寧に解説してくれている」とありました。デジタル化社会が子どもの脳と心に何をもたらすのか、人類の未来にとってヒトが育つ条件とは何か——本書はそこまで踏み込んでいきます。続きはぜひ本書で確かめてみてください。

「困った行動」が「育ちの途中」に見えてきた

この視点を知る前の私は、子どもがスーパーの床に座り込んで泣き出すたびに身構え、周囲の視線に焦って、つい厳しい言葉で抑え込もうとしていました。家に帰ってから、強く言いすぎた自分を悔やむ夜も少なくありませんでした。けれど、それが脳が育つ過程で起きる自然な揺れだと知ってからは、同じ場面でも息を一つ置けるようになりました。泣きわめく姿を「困った行動」ではなく「今まさに育っている途中の姿」として眺められるようになったのです。すると不思議と、自分の苛立ちもやわらぎ、しゃがんで目の高さを合わせ、落ち着くのを待てるようになりました。子どもを変えようと焦るのではなく、その揺れにそっと寄り添う——そんな関わり方へと、日々の接し方が静かに変わっていきました。

知らなければ、私は自分を責め続けていた

もしこの本に出会わなければ、私は子どもの自然な発達を「育て方の失敗」と取り違え、いつまでも自分を責め続けていたはずです。子どもの一つひとつの振る舞いに一喜一憂し、正解を探し回って疲れていたあの頃の自分に、この本をそっと手渡してあげたいと思います。著者の明和政子さんは京都大学大学院教育学研究科の教授で、ヒトとヒト以外の霊長類の赤ちゃんの認知や行動を比較する「比較認知発達科学」を専門としてきた研究者です。行動観察や実験を地道に重ねてきた科学者だからこそ示せる、地に足のついた視点があります。子育ては勘や根性ではなく、ヒトという生き物への理解の上に立てるのだと、本書は静かに教えてくれます。同じように子育ての中で足元の揺らぎを感じている方にこそ、この一冊が支えになると思います。

明和政子著『ヒトの発達の謎を解く』はこちらから読めます。


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