「相談に行って発達障害って言われたらどうしよう…」と思われている保護者の方へ
― 発達相談の前に知っておいてほしいこと
『相談に行ったら診断されるのでは』という不安が、足を止めてしまうことがあります。
でも、まず知っておいてほしいことがあります。
迷ったり、モヤモヤしている保護者の方も多いのではないかと思い、記事を書きました。
「クラスで気になる」と言われたときに、まず知っておいてほしいこと
幼稚園や保育園、こども園に通うわが子について、
「クラスで少し気になるところがあって…」
と先生から言われたとき。
参観に行って、
「なんとなく、他の子と違う気がする…」
と感じたとき。
胸がざわつく瞬間ではないでしょうか。
性格じゃないの?
育て方の問題?
家ではできるのに、なぜ園では?
早生まれだから? 男の子だから? ひとりっ子だから?
たくさん考えて、調べて、悩んで、それでも「専門家に相談する」ところまでは踏み出せない。
いちばんの理由は、きっとこれではないでしょうか。
「相談に行って、発達障害と“診断”されたらどうしよう」
今日は、その誤解についてお伝えしたいと思います。
相談に行ったら「診断」される?
結論から言うと、
医療機関以外で「診断」がつくことはありません。
発達障害を含む医学的な診断は、医師にしかできません。
これは法律上も明確です。
保健所や自治体の子育て相談、保育園の巡回相談、私のような心理職の私設相談室でも同じです。
私たちが行うのは、
診断ではなく「見立て(アセスメント)」です。

「見立て(アセスメント)」って何?
見立てとは、
お子さんの今の発達段階
得意なこと・苦手なこと
集団で起きやすい困りごとの背景
家庭と園で様子が違う理由
などを整理し、
「この子には、どんな関わり方が合っているんだろう?」
を一緒に考えていくことです。
障害名をつけることが目的ではありません。
大切なのは、
いま困っていることが、どうすれば楽になるか
です。
なぜ「発達障害かどうか」が怖くなるのか
「診断されたら取り返しがつかない」
「一度言われたら、ずっとそのままなのでは」
そんなイメージを持つ人もいらっしゃるかもしれません。
でも、未就学児の時期は発達の幅も大きく、園と家庭で見える姿が違うこともあります。
私たちは、次のような立場で関わります。
決めつけない
保護者の受け止めやペースを尊重する
でも、困りごとは放置しない
この3つを大事にしながら、お子さんの「今の困りごと」に合う手立てを一緒に探していきます。
相談に行くときのコツ
保護者のスタンスは、大きく2つに分かれます。どちらも間違いではありません。
慎重派
「診断名は聞きたくない」
その気持ち、とても自然です。
その場合は最初にこう伝えてください。
「発達障害かどうかを知りたいのではなく、この子に合う育て方を知りたいです」
相談の場では、保護者の気持ちを最初に伝えておくことが助けになることがあります。
目的は、お子さんを理解することであって、診断名や障害名で結論づけることではありません。
積極派
「可能性があるなら知りたい」
早めに理解して対応したい、その気持ちもとても大切です。
その場合は、
「診断は医師しかできないと分かっています。でも、専門家からは、どう見えていますか?」
と率直に尋ねてみてください。
相談員は、
特性として見えるもの
経過を見たい部分
今できる支援
といった点を整理しながら話していくことになります。
ひとりで抱えなくていい
自治体の子育て相談や発達相談は、多くが無料です。
保健所
市町村の子育て支援課
発達支援センター
園の巡回相談
心理相談
名前は地域で違いますが、目的は同じです。
それは、お子さんと保護者を支えること。
相談は、「診断を受けに行く場所」ではなく、
子どもの理解を深めるための場所
です。
最後に
先生の「気になる」も、保護者の「なんとなく違う」も、日々見ているからこそ出てくる大切なサインです。
悪いところ探しではなく、園と家庭で関わり方をすり合わせるきっかけになることがあります。
相談は、「問題があるから行く」ところではなく、
よりよく育てるために使う場所
です。
とはいえ、
ここまで読んでくださった方の中には、
「本当に、どの相談先でもこんな対応をしてくれるの?」
「私のときは違った」
「私の住むところでは、そんな対応してくれなかった」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、SNSではそうした声を目にすることがあります。
正直に言うと、相談の場はさまざまです。
窓口や担当者によって、相談の受け方や説明の仕方に違いがあるのも事実です。
相談は本来、決めつけたり、保護者を不安にさせたりする場ではありません。ですが、ときに言葉が先に立ってしまい、戸惑いや傷つきを生むような状況はありえます。
もし、相談の場で違和感や強い不安を感じたときは、
その場で出た結論が絶対ではありません
「発達障害かどうかが知りたいのではなく、関わり方のヒントが知りたい」と目的を伝え直しても構いません
必要であれば、別の担当者や別の相談先を利用することも選択肢です
相談は、「一度行ったらそこで決まる」ものではありません。
合う場所、合う人を探しながら、使っていって大丈夫です。
どうか怖がりすぎず、無理もしすぎず。
小さな相談から始めてみてください🌱
臨床心理士・公認心理師 丸山 直子
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