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kihada_mire
連続執事試験【毎週ショートショートnote】裏お題
長い塀に沿ってどれくらい歩いたのだろう。塀が長すぎてどこに入り口があるかも分からない。塀は高くて、中を覗き見ることもできない。見えるのは塀から上の部分で、そこには背の高い樹木がまるで森のように茂っている。その樹木を見上げたとき、塀の上に一羽の大きなカラスがこちらを窺っているのが見えた。カラスの巣に近づくと、カラスが襲ってくると言うのを聞いたことがある僕は、カラスを警戒した。だが、何もなかった。
そうこうしているうちに、門にたどり着くと僕はインターホンを押した。
「『連続執事試験』を受けに来た者ですが……」
「連続執事試験は明日からです。また明日お越しください」
「わかりました」
僕はそう答えたときに、カラスが突然襲ってきた。
ここで執事として働くのはなんだか難しい……いや、働きたくないという気がしてきたので、僕はネクタイをはずし、くるくると丸めてポケットに押し込んだ。
そして、今、この塀の外にいることが幸運だと僕は感じた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※小説を読んでいると自分の好きな文章に出会うときがある。感動するとか描写が美しいとかそういう文章ではないのだけれど、好きになる文章があるのだ。そして、どういう文章が好きなのかというのが最近分かってきた。それが、どんな文章なのかというのは、今度記事に出来たら記事にしてみたいと思います。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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