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月夜の寝ぐせ【毎週ショートショートnote】

「まるで太陽の横顔ね。星屑のそばかすも嫌いじゃないわよ。だけど、『月夜の寝ぐせ』は直してきなさいよ。小麦の聴衆があなたを笑うわよ」

彼女はそう言うとすぐに、ふっと消えた。

彼女は僕だけにしか見えない。

彼女は彼女にしか見えないものを、僕に伝える。

彼女の言うことは、いつも、なんだかよくわからない。

けれども、すごくわかるような気がするときもある。

晴れていると思うと、すぐに雨が降ったり、雨が降ってると思ったら、すぐに晴れる。

そんなときによく彼女は現れる。

つまり、彼女の言葉は虹なのだ。

だから、僕が泣き止むと消えてしまう。

僕が彼女に会いたくてわざと泣いても、彼女は現れない。

だけど、どうしても会いたくて、月夜の夜に寝ぐせをつけて、星屑の海岸に来た。

僕は待った。彼女が来るのを。

もう来ないかな。

もう帰ろうかな。

そう思って、月夜が輝く空を見上げたとき、彼女が現れた。

「月夜の寝ぐせは直しなさいって言ったでしょ」

それは奇跡のムーンボウ。


(410字)

たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※おそらくこれはポエムではありません。そして、ピンとこない比喩はもはやクイズなのです。


*この記事は、以下の企画に参加しております。


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