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髷はタイを知る。【毎週ショートショートnote】裏お題

ときは江戸時代、江戸にタイ料理を持ち込んだ商人がいた。

その香りをかいだ一人の侍がのれんをくぐった。

「邪魔するよ。こりゃなんだい?異国の料理かい?」

「これはタイという国の料理です。食べていかれますか?」

「うむ」

「承知しました」

店主が料理を運んできた。

「トムヤムクンという料理です」

「ふむ、変わった匂いじゃ」

「タイの香辛料、野菜を使っており、お侍様のお口に合いますかどうか」

その侍は一口食べた。

「おお、少し酸っぱいがうまいぞ。この葉っぱは香りが強いな」

「これは洋名をコリアンダーと言います」

「こりゃなんだーっていう感じだな」

「……」

「ところで、料理人はいるのかね」

店主が調理人のタイ人を連れてきた。

「あなたの国の料理はうまいぞ」

「ありがとうございます。お侍様の髷もすごく立派デスネ」

「ははは、タイ人は髷を知り、髷はタイを知る。ということだな」

「……?」

「武士は食わねどタイ料理ってか!」

「……お皿下げますね」

「ごめんなさい」


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※このショートショートはフィクションです。タイは2回ほど行ったことがあって好きな国の一つです。


*この記事は、以下の企画に参加しております。

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