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古墳症【毎週ショートショートnote】

「あなた、私たちもう無理よ。別れましょ」

「どうしたんだよ。急に」

「私たちもうダメなのよ」

「何がダメなのか言ってくれないとわからないよ」

「これのせいよ」わたしは手の甲を見せた

「こ、これは?」

手の甲には古い扉の鍵穴のようなアザができていた。

「これは『古墳症』っていう1000万人に1人の奇病だって」

「古墳症……」

「あなたは古墳好きでしょ?一緒にときどき古墳に行くけど、それが原因みたいなのよ」

彼の驚いた顔を見ながら、わたしは話し続けた。

「最近は古墳に行くとこの前方後円墳型のアザがうずいて、夜になるとものすごい痛みで……耐えられなくなってきたの。でも、あなたのことが好きだから、ずっと黙っていたの」

「そんなことになってたんだね。じゃあ、俺は古墳に行くのをやめるよ。古墳の趣味もやめる」

「えっ。でも……」

「古墳よりもお前の方が大事だから」

「あなた……」

「お前……」

すこしうずきだした前方後円墳を、わたしはそっとやさしくなでた。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※仕事のピークは越えつつあります。


*この記事は、以下の企画に参加しております。



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