風を治すクスリ【毎週ショートショートnote】

風が泣いている。

そんな風が吹いてくると、私はきまって不安になる。

私の心も体もその風に今にも吹き飛ばされそうになるのだ。

私は布団にもぐり、できるだけ風に当たらないようにした。

「ごはんできたわよ」と言って母が部屋に入ってきた。

「また、風が泣いてるの」と私は布団の中から母に言った。

「風さんどうしたんだろうね。おクスリが必要なのかもね」

「風を治すクスリなんてあるのかなあ」

「きっとあるわよ。そのうち見つかるわよ」

「そうだね」私は布団から出て、母の笑顔を見て少し落ち着いた。

そして、海が好きな父が他界してから3年経ったとき、やっと風が泣かなくなった。

風の不安な声も聞こえてこない。

風を治すクスリは時間だったと気付いた。

それと同時にその「風」は私の心を映したものだった。

そのとき、ふわっとカーテンが揺れてやさしい風が部屋の中に入ってきた。

そのやさしい風は私の頭をなでて、髪を揺らした。

ふと窓の外を見ると、一羽の海鳥が飛んでいた。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※なんだかうまくまとまりませんでした。


*この記事は、以下の企画に参加しております。


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