風を治すクスリ【毎週ショートショートnote】
風が泣いている。
そんな風が吹いてくると、私はきまって不安になる。
私の心も体もその風に今にも吹き飛ばされそうになるのだ。
私は布団にもぐり、できるだけ風に当たらないようにした。
「ごはんできたわよ」と言って母が部屋に入ってきた。
「また、風が泣いてるの」と私は布団の中から母に言った。
「風さんどうしたんだろうね。おクスリが必要なのかもね」
「風を治すクスリなんてあるのかなあ」
「きっとあるわよ。そのうち見つかるわよ」
「そうだね」私は布団から出て、母の笑顔を見て少し落ち着いた。
*
そして、海が好きな父が他界してから3年経ったとき、やっと風が泣かなくなった。
風の不安な声も聞こえてこない。
風を治すクスリは時間だったと気付いた。
それと同時にその「風」は私の心を映したものだった。
そのとき、ふわっとカーテンが揺れてやさしい風が部屋の中に入ってきた。
そのやさしい風は私の頭をなでて、髪を揺らした。
ふと窓の外を見ると、一羽の海鳥が飛んでいた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※なんだかうまくまとまりませんでした。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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