生成AI を使ったエージェントはどこまで生身の同行援護に迫れるか?(第一部)
はじめに
本記事は、以下の3部作の第1部である。
第1部:個別の技術だけでは移動支援はかなわない。(本記事)
第2部:複数の個別技術の統合が不可欠である。
第3部:それができるのは、世界中でスタンフォード大学をコアとするシリコンバレーをおいてほかにない。
§1 自作した音声ナビ「お散歩の友」で歩く
私は、自作したナビ「お散歩の友」を使って自宅付近はもとより、金沢市や南フランスの街路を歩いている。それぞれ何本かの動画もアップしている。
金沢市の場合は、道路の構造や微妙な傾斜など、かなり詳細な記憶があるためそこそこ歩ける。
だがフランスの場合、記憶が希薄でメンタルマップとの照合などとてもできない。車道と歩道の区別もまちまちで、「あと10日ほど歩けば覚えられるかな」というレベルであった。
下記の実録動画では、同行援護者としての妻が横で金切り声を上げている。
アンティーブ 市街を歩く
https://www.youtube.com/watch?v=FSX9WXxN0O4
この動画は、たとえ正確・精緻な歩道地図があり、かつ GPS を受信できたとしても、それだけで歩くことは困難であることを示している。
§2 自作した音声ナビ プラス ScribeMeで歩く
下の動画は、自宅付近を「お散歩の友」とScribeMeを併用して歩いた実録である。
元旦の道の駅を ScribeMe を使って歩く
https://www.youtube.com/watch?v=jlbCT-epo6Q
この場所は百回は歩いて覚えており、かつ難易度も低い。いつもはナビだけで歩いているが、ScribeMe を併用すれば「車が止まっているかどうか」などの付加的な情報が得られるので心強い。
ところで、ScribeMe などの画像説明手段だけで歩けるだろうか? それは無理だ。あなたが目隠しをして世田谷かどこかの住宅地にいきなり連れてこられ、ポンと置かれてどこへ行けるだろうか?
塀やガードレールにぶつからなくなったとしても、「どこかへ行きたい」という本来の目的は果たせない。
§3 まとめ
万博では、いくつかの歩行支援手段が展示された。
だが、実際に日常的にナビを使って歩いているという視覚障害者は、どれほどの数居るだろうか?
どの手段も「これはすごい」と話題にはなるが、じきにしぼんでしまう。
これは、「GPSナビや、生成AI を駆使した最先端の画像解析手段を使ったとしても、それら単独で自由に町歩きができるなどあり得ない」ということを証明している。
(第2部に続く)
※注)本記事で使われている馴染みがない用語については、下記の検索語をクリックすれば筆者の関連する過去記事がヒットします。
筆者の過去記事の一覧はこちらから:
https://note.com/shin_shibata8029/
