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仕事ができる人は「必殺技」を持っていない。ただ「順番」が美しいだけ。――マクドナルドと山本昌投手に学ぶ、戦略の正体

こんにちは。
株式会社スプリングボード代表の足立晋平です。

仕事がうまくいかないときほど、つい探しに行きたくなるものがあります。
それは 「一発で状況をひっくり返す必殺技」 です。

🌟最新のAIツールを入れれば一気に変わるんじゃないか

🌟新しいフレームワークを導入すればチームが回り出すんじゃないか

🌟有名企業の成功パターンをコピーすれば、ウチも勝てるんじゃないか

正直に白状すると、僕もそういう 「魔法の杖」 に目が泳ぐ瞬間があります。
特に、思うような成果が出ず焦っているとき。あるいは新しいガジェットを見たとき。
つい「これさえあれば!」と飛びつきたくなる。

でも、研修講師としていろんな企業の現場を見てきて、痛感することがあるんです。

本当に仕事ができる人ほど、派手な必殺技を持っていません。
代わりに持っているのは、「順番のセンス」 です。

戦略って、点じゃなくて線。
打ち手一つひとつの派手さではなく、それをどう並べるか(時間軸のストーリー) で勝負が決まる。

今日はこちらの書籍からの学びシェアです。



🍔 マクドナルドのV字回復は「打ち手」より「並べ方」だった

ビジネス事例として有名な、マクドナルドのV字回復。
原田泳幸さんが2004年に社長に就任した当初、最初にやったのは、華々しい“目玉商品”の投入ではありませんでした。

初手は、徹底した QSC
Quality(品質) / Service(サービス) / Cleanliness(清潔さ)。

メニューもいじらない。価格もいじらない。不採算店の閉鎖も後回し。
とにかく 「いまある手持ち」で、基本中の基本を磨き切ることに集中した。

そして、ここで大きく投資したのが「メイド・フォー・ユー」。
作り置きをやめ、注文を受けてから作る方式へ切り替える。しかも一部店舗ではなく、全店一斉に。

ポイントは、ここで 「一口目から分かる改善」 を先に仕込んだことです。

その土台の上で、満を持して投入したのが、あの「100円マック」。

100円という安さに惹かれて、まず人が来る。
そして食べた瞬間に「あれ、前より美味しくなってる」と気づく。
安くて美味いとなれば、そりゃ口コミも広がる。

もし、QSCの改善(美味しくなる体験)より先に、100円マック(安さ)を投入していたらどうなっていたでしょう?

「安いけど、冷めてて美味しくない」
…この手の悪評は、いったん広がると回収が大変です。

打ち手単体で見れば、「掃除」「品質改善」「値引き」。
どれも王道で、目新しさはありません

でも勝負を分けたのは、打ち手の派手さではなく、「体験が先に変わっている」 という順番の妙でした。


⚾️ 山本昌さんの135キロが「速く見える」理由

スポーツの世界にも、同じ理屈があります。

プロ野球で長く活躍された山本昌さん。
晩年の直球は最速でも135キロほどだったと言われています。今のプロ野球界では決して速い数字ではありません。

でも、対戦したバッターは口を揃えて言うんです。
「山本昌の球のほうが速く見える」と。

なぜか。これも 「配球(順番)」 です。

とてつもなく遅いスローカーブを見せて、バッターの目がそれに慣れた瞬間に、内角高めの直球を投げる。
すると、同じ135キロでも体感がガラリと変わる。ものすごく速く“感じる”。

速い球を投げるのがプロじゃありません。
速く見える球を投げるのがプロ なんですよね。

同じ球速でも、「前に何を見せたか」 で世界が変わる。
これこそが、順番の技術です。

💡ちょこっと理論紹介💡
🧠 コントラスト効果(Contrast Effect)

直前に何を経験したかによって、その後の評価や感じ方が変わる心理現象。
遅い球のあとに来る直球が速く見えるのは、まさにこの効果です。

戦略の正体は、「何をやるか」よりも 「何を先に体験させるか」 にあるのかもしれません。


🛠️ 仕事の現場で「順番」を変えるだけでうまくいく

この「順番」の視点は、僕たちの日常業務でもすぐに応用できます。
よくある3つの場面で見てみましょう。

1)提案やプレゼン

いきなり「数字」や「正論」から入ると、相手は無意識に“検算モード”になって身構えることがあります。

先に置くのは、現場の困りごと(共感)一回の体験(デモなど)
「先に体験、あとから根拠」。この順番に変えるだけで、企画の通りやすさが変わります。

2)育成や1on1

部下に改善してほしいことがあるとき、いきなり厳しいフィードバックをしていませんか?
内容が正しくても、唐突だと相手は防御本能が働いて心を閉ざします。

先に 「あなたのことを見ているよ」 という信頼や、安全地帯を作ってから伝える。
「正しさより先に、受け取れる土台」 です。

3)改革や業務改善

現場が疲弊している時に、新しい施策を「追加」すると反発が起きます。
先に 「無駄な業務を減らす」「負荷を下げる」 ことから始める。

「施策の追加は、余白を作ってから」 じゃないと刺さりません。


✅ 必殺技がないなら、順番を設計しよう

もし今、

  • 「自分には飛び抜けた才能も必殺技もない」

  • 「打ち手が地味で、これでいいのか不安になる」

そう思っているなら、新しいカードを必死に探す前に、まずは 「手持ちのカードの順番」 を見直してみてください。

同じカードでも、順番が変わるだけで立派な戦略になります。

  • フェーズがズレると、正しい打ち手でも外れる

  • フェーズが合うと、地味な打ち手が勝ち筋になる

魔法の杖を探す旅に出る前に、まずは 手元のカードを並べ替えることから始めてみませんか。


💬 コメントで聞かせてください

あなたの仕事で、「言ってることは正しいのに、なぜか進まなかった」 経験はありますか?
もしよければ、どこで“順番”が詰まっていたか をコメントで教えてください。


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