米イランMOU——表に出ていること、意図的に隠されていること
米イランMOU——表に出ていること、意図的に隠されていること
今回合意されたMOU(覚書)について、Bloomberg・Fortune・Reutersが報じているペルシャ語草案の内容は下記の通りです。
全戦線での即時・恒久的戦闘停止(レバノン含む)。今後互いに武力行使・脅迫を行わない
主権・領土保全の相互尊重、内政不干渉
60日以内に最終合意へ向けた交渉開始(双方合意で延長可)
署名直後から米国は海上封鎖を解除開始、30日以内に完全解除
イランはホルムズ海峡の商業船通航を即時再開、30日以内に戦前水準へ
米国と地域パートナーがイランの復興・経済開発プログラムを策定(最終合意が条件)
ただしこの草案、出所が完全には明らかではありません。Bloomberg・Fortuneが「入手した」としていますが、米国側が意図的にリークしたのか、イラン側から出たものなのか定かではありません。内容を見る限り米国に有利な条件が並んでいます。
また、バンス副大統領は「凍結されているイラン資産は一切引き渡していない」と明言しています。
最も重要なのは、核開発の具体的制限、高濃縮ウランの処理、凍結資産の扱い、イランのプロキシー(ヒズボラ・ハマス・フーシー)への対応が1〜6に一切含まれていないことです。これらは7〜14に書かれている可能性が高く、だからこそ非公開なのだと私は見ています。
なお「toll-free(無料通航)」という表現はトランプ政権が意図的に選んだ言葉です。本来ホルムズ海峡は国際海峡であり誰も通行料を設定する権限を持たない。イランが実力で徴収していたこと自体が違法です。あえて「toll-free」と言うことで「イランが違法に取っていた通行料をアメリカが力で排除した」と誇示をしています。
6月19日のジュネーブ署名後、7〜14が公開されるかどうか。そこを見ます。
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