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ビットコインに出会う前、アフリカで決済インフラの壁にぶつかっていた

今回の投稿には、わたくし自身のバックグラウンドのお話も含まれます。米国で30年以上暮らし、米国社会にどっぷりつかりながら、ロサンゼルスを拠点に、米国内はもとより、ドイツ、イタリア、イギリス、オランダ、フランス、とうの欧州の国々や、エジプトやシエラレオネ、又はナイジェリアと言ったアフリカ大陸の国々の企業や、時には政府機関とも仕事をさせていただいた経験からくる実話もお話しできると思います。

米国在住当時は、元妻は米国人、家族もあり、法廷にも何度も立ったこともありました。大学は入学して数か月後に自動車事故で入院を余儀なくされ、結果退学していましたので、肩書は、輝かしいものでは全くありません。TOEICのスコアは960点でしたが、これも米国で、法廷で離婚の裁判に立てるくらいの英語を話していましたし、ビジネスをする上で必要性から身に付いたものでしたから、当然のスコアともいえますので、自慢にもなりません。TOEICって、そう言うたぐいのテストなんです。要するに、米国で私のように生活した者なら高得点を得られる内容と言う事。なので、逆説的に言えば、日本に暮らす方が米国や英語圏の国で、どの程度生活に支障をきたさない英語力を持つかを図るテストと言う事です。ですので、「TOEIC攻略法」と言ったような内容を見ると、「それじゃ意味ないじゃん」と思いますし、いちいち自慢する人って、実は実戦で使ったことないんだろうなと思います。

というわけで、そんな私がClaudAIとの共同作業で収拾する毎日の海外政治経済の記事の中に、過去の出来事を鮮やかに思い起こさせる内容の記事がありましたことから、今回はかなり長文になってはいますが、記事を書き上げてみました。最後までお読み頂けると幸いです。

米国の証券決済インフラを担うDTCCのプロジェクトについて

2026年7月15日、米国の証券決済インフラを担うDTCC(預託信託清算機関)が、ブラックロック、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、バンガードなど30社以上を集めて、あるプロジェクトを実施しました。株式や国債といった、すでに市場に存在する本物の証券を、そのままブロックチェーン上に乗せて動かしたのです。

これまでのブロックチェーン実験の多くは、「テスト用に作った仮想の資産」を使っていました。でも今回は違います。実際にDTC(中央証券保管機関)に預けられている本物の資産を、所有権も配当も議決権も一切変えずに、そのまま動かしました。114兆ドル超の証券を管理するDTCCがこれを本番でやった、というのは象徴的な出来事です。

同じタイミングで、Chainlinkという別の技術も一段階進化しています。Chainlinkは、ブロックチェーンの外側にある現実世界のデータ(為替レート、株価、天候など)を、ブロックチェーンの中に安全に取り込む役割を持つ仕組みです。今回、この「外の世界とつながる力」がさらに強くなりました。

シエラレオネで見た、壊れた金融インフラ

実はこの話、僕にとってはただのニュースではありません。

きっかけは、当時ロサンゼルスに住んでいた頃の一人の友人でした。彼はナイジェリアとアメリカ、両方の国籍を持つ人で、娘が通っていた小学校のPTAで仲良くなった、いわゆる「パパ友」です。彼の父親はナイジェリア政府関係の仕事をしていて、その縁で当時のシエラレオネ大統領と面識がありました。

シエラレオネはかつてイギリスの植民地で、1961年に独立した国です。僕が現地に関わったのは2007年頃、長く続いた内戦がようやく終わり、国連の監督のもとで大統領選挙が行われ、少しずつ国としての形を取り戻し始めていた時期でした。街のインフラも銀行のシステムも、内戦で一度ほとんど壊れてしまっていて、そこから再構築されている真っ最中だったんです。映画『ブラッド・ダイヤモンド』の世界そのものと言えば、イメージしやすいかもしれません。

そのシエラレオネ大統領が抱えていた問題が、ある鉄鉱石でした。すでに精製された鉄鉱石、約30万トンが、ストックヤードに何年も眠ったままになっていたんです。これを輸出して現金に変えたい。大統領からナイジェリア政府関係者だった友人の父親に相談があり、父親から友人に、そして友人から僕に話が来ました。僕はすでに海外ビジネスの経験があったので、一緒にこのプロジェクトを成功させたい、という話でした。

実際にシエラレオネに飛んで、この目で現場を見てきました。写真も残っています。

ストックヤードがある場所は山の中を延々と入っていく場所で、日本やアメリカなら車で1時間ほどの距離が、道が舗装されていないせいで3〜4時間かかりました。しかも途中でカーフェリーに乗せてもらわないと辿り着けない場所だったんです。

そのストックヤードとジェネレーターは、もともとイギリスの資源会社が所有していたものでした。シエラレオネは元々イギリスの植民地だったこともあり、内乱前はイギリス資本がかなり入っていたんです。ジェネレーターは動いていない状態でした。ストックヤードから海側へは、ベルトコンベヤーで約200メートル下ろしていくと、船に積み込む場所に出ます。ただ、内乱の影響で沿岸部は瓦礫の山になっていて、船を岸につけることができません。なので、沖合1キロほど離れたところまでバージ船(はしけ)で運んで、そこで積み込む必要がありました。

技術的な問題はなんとかクリアできたんです。でも最後に残ったのが、金融の問題でした。

鉄鉱石を売るには、信用状(L/C)を使う必要があります。ところが、当時窓口になっていたナイジェリア系の銀行では、まともに資金を動かせませんでした。アメリカから日本、シエラレオネへとお金を送るのに何週間もかかるような状態で、実質的に決済ができない。仕方なく、当時は世界中に窓口を持つ小口の海外送金サービス(1件あたり300ドル程度が上限のようなもの)を使わなければならないような状況でした。

結局、頼れるのは海外の銀行しかありませんでした。アフリカからヨーロッパまでは飛行機で3時間ほどの距離です。信用状を確実に処理できるのは、世界のトップ100に入るような、それなりの規模と信用がある金融機関に限られます。一番近くて条件に合ったのが、ロンドンの銀行でした。手数料は通常の倍でしたが、鉄鉱石はすでに精製済みで、実質的なコストはほぼゼロに近い状態だったので、それでも十分に採算が取れました。最初の出荷は1万トン、行き先は中国でした。

この経験が、ずっと僕の中に引っかかっていました。法定通貨の決済が、これほど不便で、これほど遠い。

マウントゴックス事件と、一人のエンジニアとの出会い

ブロックチェーンという技術と本格的に向き合うきっかけになったのは、2014年のマウントゴックス事件でした。

たまたま夜9時か10時頃、テレビのニュースを見ていたら、渋谷のとあるビルの前に大勢の日本人が集まって声を上げている映像が流れていました。何が起きているのか分からず見ていると、そのビルに入っていたビットコイン交換所・マウントゴックスがハッキングされ、約470億円相当のビットコインが消失した、という話でした。当時マウントゴックスは、世界中のビットコイン取引の大半を扱っていたと言われる、事実上唯一と言っていいような交換所だったんです。

この事件をきっかけに、ビットコインとブロックチェーンという仕組み自体に興味を持つようになりました。アメリカにいた頃、YouTubeであるブロックチェーンエンジニアの動画を見つけたのもこの頃です。彼はデータサイエンスを大学で学び、その後プログラミングの世界で活躍していた人で、動画の作り方も他の人とは違いました。「爆上がり」のような値動きの話は一切せず、ビットコインやリップル、イーサリアムが技術的に何をしているのか、それがどうビジネスで実用されているのかを、一から丁寧に説明する人でした。

思い切って彼にダイレクトメッセージを送りました。自分はこういう仕事をしていて、こういう構想を持っているのだが教えてほしい、という内容です。すると親切に返信をくれて、その後一度Skypeで直接話す機会もありました。本当に素晴らしい人でした。英語で普通にやり取りできたことも、ここでは大きかったと思います。

この出会いと、シエラレオネでの経験が僕の中でつながって、2018年、法定通貨とデジタル資産を同じプラットフォームで決済できるようにする構想を持つようになりました。

2018年、「不可能」と言われた構想

当時、技術に詳しい協力者にこの構想を見せたところ、「セカンドレイヤー技術がまだ存在しないので、これは実現不可能です」と言われました。悔しかったですが、その時点では確かにその通りだったと思います。

8年後、答え合わせのような出来事

それから8年。DTCCが本物の証券をブロックチェーンに乗せ、Chainlinkが現実世界のデータを取り込む力を強めている。あの時「不可能だ」と言われたことが、少しずつ現実の形になってきています。

これは投機の話ではない

日本語で暗号資産について語られる時、多くは「価格がどう動くか」「どうやって増やすか」という話に偏りがちです。もちろんそれも一つの楽しみ方だと思いますし、誰でもお金は稼ぎたいものです。

ですが、ブロックチェーン技術とは、それだけの為にあるわけではありませんし、どう社会に実装するかが重要だと考えます。そこはAIも同様ですよね。ですので、読者の方々の中でも、お仕事の中枢におられる方にこそ、ご理解いただけると世界が変わるのがブロックチェーン・テクノロジーです。AI同様ご理解を深めることで、ご自身の経営に大きく役に立つのが、AIであり、ブロックチェーン・テクノロジーと言えます。

今回のDTCCとChainlinkの動きは、まさにそれなんです。世界の決済インフラそのものが、静かに、しかし確実に入れ替わろうとしている。これは投機ではなく、社会の土台が変わる話です。

僕がこの技術に惹かれたのは、誰かが儲かる話だからではなく、内戦で一度壊れたインフラの国で、実際に「これが解決できたらどれだけ楽になるか」という壁にぶつかった経験があったからです。その視点から見えてくる景色を、これからも記録として残していきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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