レジデンシャル・プログラム4期生 卒業生代表スピーチ 當山全哉 | 2025年度シモキタカレッジ卒業式
2026年3月8日にSHIMOKITA COLLEGEの2025年度卒業式が行われ、レジデンシャル・プログラム4期生およびボーディング・プログラム年間生が卒業しました。その際のレジデンシャル・プログラム4期生 當山全哉さんによる代表スピーチをお届けします。
私は2年前、
東京という遠い場所で生活を始めるために、荷物をまとめていました。
予定調和のように進んでいく日々に、どこか窮屈さを感じていた私にとって、シモキタカレッジに住むということは、寄り道であり、そして最後の賭けのような選択でした。
誰も私を知らないこの場所では、
自分が何者なのかを、言葉で示さなければなりませんでした。
言葉にすることが苦手だった私は、思いをうまく伝えることができないまま、他者の言葉に左右され、自分を見失いそうになることもありました。
しかし、この場所には、私の言葉を待ってくれる人がいました。
言葉にできない思いを受け取ってくれる人もいました
「この時間がずっと続けばいいのに」
そう素直に思えるほど、温かい場所でした。

けれど同時に、カレッジはゴールではありませんでした。
どれだけ対話を重ねても、それぞれの人生の責任は、自分で引き受けていくしかありません。
私はこれからどこへ向かうのか。何を選び、どんな人生を生きていくのか。
その問いと向き合う時間の中で、不安や孤独を感じることも、決して少なくありませんでした。
そして、その葛藤の先で私はひとつ、「大学に編入する」という道を選びました。
それは、2年前の自分には想像もできなかった決断です。

大学編入の合格を報告したとき、
友人のひとりが、ふと「嬉しい」と声をかけてくれました。
誕生日の「おめでとう」が、これまでの時間への祝福だとすれば、
「嬉しい」という言葉は、その人と私を含めた未来への希望のように感じました。
2年前には名前も知らなかった人が、私の人生の決断を喜び、応援してくれている。
そのことが、とても嬉しく感じられました。
私の変化は、決して一人だけのものではありません。
心が揺らぐ時間を共有し、真剣に語り合う仲間との関係の中で、少しずつ育っていったものだと思います。
ある日、カレッジ生とドライブに出かけた帰り道、
綺麗な夕日を見るために、知らないビルの階段を駆け上がったことがあります。
もっと高い場所から、もっと遠くの景色を見るために走った、あの時間。
今振り返ると、それはどこか象徴的だったように思います。
自分の足で上へ向かい、見える景色を変えようとすること。
シモキタカレッジでの2年間は、まさにそんな時間でした。

聞いている皆さんの中にも、
きっと記憶に残っている何気ない一瞬があると思います。
言葉にしたときにはこぼれ落ちてしまう、うまく説明できないけれど、確かに心が動いた瞬間。
その時間を確かに一緒に過ごした人がいるということが、
私のこれからを支えてくれる、確信になっています。
そしていつか、それぞれが歩んだ未来が再び交わるとき、
あの2年間は寄り道ではなく、出発点だったと胸を張って言えるように、
それぞれの道を歩んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
レジデンシャル・プログラム4期生 當山全哉
