私的映画録…「るろうに剣心 最終章 The Beginning」2021年 [映画感想文]
あちこちでいろいろな文章を書いたり、本を出したり、セミナーで話したり、Web関連を中心としたPRのディレクションをしたり、音楽作品を出したり、アーティスト紹介サイトの運営をしたり、うさぎの動画を作ったり…なんてことをしているけれど、そのどこでも書けていない、これまでに観た映画等の感想でも書いておこうかと書き始めた第438弾。
今回は、そのあまりに切なさに思わず泣けてしまった作品「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のお話。
先に書いておくと、原則としてネタバレとかまったく気にせず書いているので、まだ観てない方やネタバレが気になる方はお読みにならない方がいいかもと思います。
ちなみに先に言い訳しておくと、この感想もだいぶ前に書いているものをちょっとなおして載せているので、まさに今の情報とは違っていることもあるかもしれませんので、そういった点もお許しください(毎回冒頭から言い訳が多い)。
公開日:2021年6月4日
監督:大友啓史
脚本:大友啓史
原作:和月伸宏
製作:福島聡司
製作総指揮:小岩井宏悦
出演者:佐藤健、有村架純、高橋一生、村上虹郎、安藤政信、大西信満、池内万作、藤本隆宏、和田聰宏、中村達也、荒木飛羽、窪田正孝、高杉亘、高橋努、堀田真由、石田法嗣、大西武志、渡辺真起子、奥野瑛太、平埜生成、一ノ瀬ワタル、成田瑛基、北村一輝、江口洋介、等
制作:ワーナー・ブラザース映画
製作:映画「るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
ひと言で言って切ない。
いや、なんとなく話の流れは予想がつくんだ(ちなみに原作はまったく読んでないしアニメ版も観てない)。
緋村剣心(演・佐藤健さん)がまだ「人斬り抜刀斎」と呼ばれていた時代。
居酒屋で、さも偶然のように出逢った剣心と巴(演・有村架純さん)。
その二人の間にだんだんシンパシーが生まれていき、やがて夫婦のように暮らすようになるものの、実は巴はかつて剣心が切った清里明良(演・窪田正孝さん)という侍が、その死の直前に許嫁とした女性で、その復讐のために追っ手側の辰巳(演・北村一輝さん)の配下として剣心に近づいた…けれど、その暮らしの中で剣心を愛するようになってしまった彼女は剣心を庇って死ぬ…とまぁ、この辺りはけっこうよくある流れかと。
しかしこのシリーズはこれまでもチラチラと、剣心の頬の十字傷の因縁について触れてきているだけに、その詳細がいよいよ分かるという興味は禁じ得なかった。
それにこの前作「The Final」では、巴の義弟・縁(演・新田真剣佑さん)が剣心を襲いに来て、さらにいろいろな伏線を張ってるもんなぁ(あ…考えてみたら、このさらに前作「伝説の最期編」でちょっとノイズっぽく感じられた蒼紫(演・伊勢谷友介さん)はこの「The Final」でこそ意味ある活躍をしてるんだなぁ…「伝説の最期編」はそのための伏線になっていたのかも?)。
そういえばこちらの作品にもまだ子供の縁(演・荒木飛羽さん)が出てくるもんなぁ。
つまりこのシリーズが、ちゃんと一つの流れとしてつながっているということも丁寧に描かれることで、軸となる物語はけっこうベタだったとしても、ついそこに感情移入してしまうということかもしれない。
つながりと言えば、シリーズすべてに登場する斎藤一(演・江口洋介さん)が、新撰組の隊士として出てくるのもそうだなぁ。
第1作からけっこう強力に描かれてきた剣心と斎藤一の因縁の始まりも感じさせる「この時代」という感じがしっかりと伝わってくる。
そう言えばこの作品に出てくる斎藤一の佇まいは、これまでにも増してかっこよかったなぁ。
なんでだろ?
あ…もしかして、羽織の奥襟がかなり高く作られていることが要因かも?
本来の羽織ってああいうシルエットにならないよねぇ…多分。
ホントかっこよかった。
そしてなんと言っても巴を演じた有村架純さんが素晴らしい。
剣心と知り合った頃の様子、その後の暮らし、そして清里明良(演・窪田正孝さん)の許嫁だった頃の様子、さらには辰巳(演・北村一輝さん)の配下として復讐に向かう時の表情、しかし剣心を庇って死んでいく様…その変容のバリエーションがあまりに見事で、その外見ばかりでなく、彼女の揺れ動く内面がとてつもなく素晴らしく表現されていたと…だから彼女を観ていてマジで切ないと思えちゃうんだよなぁ。
そっか、なんだかんだいろいろ考えてきたけど、結局おそらく一番強いのは、有村架純さんという素晴らしい俳優さんの表現に打ち抜かれたってことだなぁ。
いや、これは本当にすごいから、もしまだ観ていない方は是非と思いますぜ。
そうそうこの作品の話じゃないけど、有村架純さんはネトフリのドラマ「さよならのつづき」でもものすごくいい表現をしてますぜ。
こちらも超オススメっす。
そうそう、変容と言えば、主人公・緋村剣心を演じる佐藤健さんの表現もいい。
第1作ではかなりコミカルな表現も観せる剣心だけれど、本作の冒頭はまだ「人斬り抜刀斎」な状態なので、剣も逆刃刀ではなく真剣。
そしてなによりその佇まいに隙を見せない殺気がみなぎっているという感じ(この感じは第1作の冒頭でも描かれてるけど、それよりもさらに荒んでる印象があるなぁ)。
それが巴との暮らしの中で緩んでいって、巴の死を以て「人斬り抜刀斎」を封印していく変化を、こちらもよく表現していると思う。
そしてこれを観ると、また第1作を観たくなって、第1作を観ると最初に見た時とは異なり、剣心の過去を知った目線として観ることができるようになって、緋村剣心というキャラクターへの理解がさらに深まる…という感じになる。
で、2作目、3作目、4作目、そして本作とまた観ちゃって、そしてまたループする…みたいな?
あ、これ、エピソードI〜VIまでの「スターウォーズ」シリーズと同じじゃんw(VII〜IXは大嫌いなので観ません)
ということで、これまでのシリーズとはだいぶ趣が異なりながらも(そう言えばヒロイン…というか足手まといの薫さん(演・武井咲さん)とかも出てこないしね)、しかしとても印象深い作品。
あれ…待てよ?
確か第1作の冒頭で剣心は、戦いの終結と共に自身の刀を地面に突き刺して去っていくよなぁ…てことは、「人斬り抜刀斎」を捨てたのは厳密にはあの時か?…とすると、巴の死後もしばらくは「人斬り抜刀斎」として戦ってたってことになるのか?…この辺の解釈はちょっと謎だなぁ…どうなんでしょ?
まぁそんなことはちょっと気になりながらも、しかし普通に観ていったら単純に締め付けられますから…ホントに。
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