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私的映画録…「CASSHERN」 2004年 [映画感想文]

あちこちでいろいろな文章を書いたり、本を出したり、セミナーで話したり、Web関連を中心としたPRのディレクションをしたり、音楽作品を出したり、アーティスト紹介サイトの運営をしたり、うさぎの動画を作ったり…なんてことをしているけれど、そのどこでも書けていない、これまでに観た映画等の感想でも書いておこうかと書き始めた第102弾。

今回は、とんでもなく評判が悪かったけど観てみたら全然そんなことなかった映画「CASSHERN」のお話。

先に書いておくと、原則としてネタバレとかまったく気にせず書いているので、まだ観てない方やネタバレが気になる方はお読みにならない方がいいかもと思います。

ちなみに先に言い訳しておくと、この感想もだいぶ前に書いているものをちょっとなおして載せているので、まさに今の情報とは違っていることもあるかもしれませんので、そういった点もお許しください(毎回冒頭から言い訳が多い)。


公開:2004年4月24日
監督:紀里谷和明
原作:竜の子プロダクション
脚本:紀里谷和明、菅正太郎、佐藤大
製作:宮島秀司、小澤俊晴、若林利明
製作総指揮:迫本淳一、久松猛朗
出演者:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明、寺尾聰、樋口可南子、等
制作:プログレッシブ ピクチャーズ
製作:CASSHERNパートナーズ
配給:松竹

いやぁ〜とんでもなく評判が悪かった。
でも興行収入はなかなかいいような(ウィキには15.3億円とか載ってる)…つまりそれだけ多くの人が観たけど、その多くがお怒りになったってことかな?w
原因は、原作であるはずのアニメの世界観とはだいぶ離れてるからかなぁ…。
この映画を酷評した人たちはきっと、なにかまったく別の違うものを期待していたんだろうなぁ。
その気持ちは分かるけど。

でも自分的にはどハマりだった。
新しい挑戦に満ちた、とても素晴らしい映画だと思う。

まずとにかく画面の雰囲気作りがとてもいい。
暗さ、出てくるものの造形、その他諸々。
この当時の日本映画で、ここまで強い画力を持った映画ってきっとなかったんじゃないかなぁ。
暗いところはちゃんと暗い。
赤いところはちゃんと赤い。
寒そうなところは本当に寒そう。
気持ちよさそうな場所は本当に気持ちよさそう。
気持ち悪いものは本当に気持ち悪い。
キャシャーンのヘルメット、ロボット軍団、兵士、列車、ヘリ、建物…あらゆるものの描写や質感が、それまで観たことないようなテイストで表現されていると感じた。
こんな画を観せられたら、そりゃもう忘れないよなと思う。

それらが、出てくる人すべての底辺にずっと、そしてとてつもなく強固に流れている悲しみを、とても強く激しく表現しているように感じる。
その悲しみは結局「我欲」に変換されていくのだということを表現しているのだと思うけれど、話が極端になっているものの、これは現実の人間社会そのものと言っていいと思う。
つまり物語の中にさまざまな風刺的な要素もふんだんに盛り込まれていて、たとえば悲しみの種類さえとても数多く表現されていると感じるし、それをどう処理していくのかの選択もまた登場人物それぞれによって異なり、そういった多様性の違いが、結果としてぶつかり合うものとしての今があるというような表現とも思えて、とても奥深さを感じさせられた。
そしてもちろん、最後に許しがあるのがいい…いや、これは現実にはないことが多いけれど、この映画においてはそれがいい。

そしてまた役者さんたちが本当にいい。
寺尾聰さんの乾いた目がいい。
樋口可南子さんの悲しげな美しさがいい。
唐沢寿明さんの虐げられた悲しみと怒りの表現もいい。
伊勢谷友介さんの苦悩に満ちた怒りもいい。
そして、麻生久美子さんや佐田真由美さんは本当に美しいしまた儚い。
そうそう、宮迫博之さんもハマってたなぁ。
及川光博さんも寺島進さんもこの世界感の中でまさにピッタリと思えた。

そか…この映画、原作アリの映画として創らなければよかったんじゃん?
だって映画としてはとんでもなくいいもの。
「キャシャーン」の名前を使わず、タツノコプロは原案くらいにとどめて、別のSFとして作ったら評価は全然違ったかも…まぁ、その場合資金が集まらないとかプロモーションが難しいとかあるのかなぁ…。
でも当時宇多田ヒカルさんの旦那だった人が監督で、その監督が「あの「キャシャーン」をベースにリ・プロダクトしたまったく新しい、そして悲哀に満ちた物語」なんて感じで打ち出したら、それはそれでかなり注目は集められそうとも思うけどなぁ…。

ぶっちゃけさ、原作に則っていてもつまらなきゃ意味ないのよ。
逆に原作を壊すならここまで面白くなきゃダメとも思うのよ。
デ●ルマンとか、ル●ンIII世とか、ガッ●ャマンとか、進●とか…まぁ観ていてしんどかった映画も多いけど(デ●ルマンなんて最後まで耐えられなかったしT_T)、この作品はまったく違う。
映画史に残るべき、とんでもなく革新的な映画作品の一つと思う。

そう言えばそんな話を、当時勤めていたライヴハウス&レコーディング・スタジオ&マネジメントに出演していたギタリストの方としてたら、なんとその方がこの映画の関係者ととても懇意にしているとのことで、突然半泣きになって両手でぎゅっと手を握られたことがあったなぁ。
聞けば、公開当時ものすごく悔しい思いをしていたんだとか。
源さん…突然亡くなったという知らせを受けてからももうだいぶ経つなぁ…そんなことも思い出してみたり。

映画「CASSHERN」をご覧になりたい方はこちら。
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