私的映画録…「活きる」 2002年 [映画感想文]
あちこちでいろいろな文章を書いたり、本を出したり、セミナーで話したり、Web関連を中心としたPRのディレクションをしたり、音楽作品を出したり、アーティスト紹介サイトの運営をしたり、うさぎの動画を作ったり…なんてことをしているけれど、そのどこでも書けていない、これまでに観た映画等の感想でも書いておこうかと書き始めた第17弾。
今回は中国映画「活きる」のお話(原題:活着…中国での公開は1994年)。
先に書いておくと、原則としてネタバレとかまったく気にせず書いているので、まだ観てない方やネタバレが気になる方はお読みにならない方がいいかもと思います。
ちなみに先に言い訳しておくと、この感想もだいぶ前に書いているものをちょっとなおして載せているので、まさに今の情報とは違っていることもあるかもしれませんので、そういった点もお許しください(毎回冒頭から言い訳が多い)。
公開:2002年3月23日
監督:張芸謀
脚本:余華、蘆葦
原作:余華
製作:邱復生
製作総指揮:葛福鴻、曾敬超
出演者:葛優、鞏俐
製作:上海電影集団公司
配給:角川書店、ドラゴン・フィルム
日中戦争直後、共産党の革命、大躍進政策、文化大革命…と、近代中国の激動の歴史を、庶民目線から知ることができるという意味でも新しい気づきをたくさんくれた素晴らしい映画。
同時代を描いた映画としては「ラスト・エンペラー」が思い出されるが、ほぼすべてのエピソードを権力者側から描いた「ラスト・エンペラー」に対して、同じ時代の流れをまったく違う視点から観ることができるという点で、そういった対比も興味深かったし、また、市井の目線であるせいかとても生々しさを感じた。
そしてそのような世の中の流れの中で、それに対して特に強く考えることもなく、抗うこともなく、流れにもまれる柳の葉のように変説しながら生きていく庶民の弱さや強さ、そして運命の皮肉を考えさせられた。
あらゆる場面において、おそらく自分はこういう選択を取らないだろうと思う点も多いながらも、しかし当時情報もなく、政府やそれを支持する群衆という、あまりにも強大な相手に対しての対応策としては、こうなってしまうことが自然なことなのかもしれないとも思ったりする。
決してハッピーなことばかりではない…いや、むしろハッピーなことは少ないかもしれない。悲しいことにたくさん見舞われる。理不尽と思えることにもたくさん見舞われる。しかしそれを越えて日常を過ごしていく。それはとてもさりげないけれど、じんわりとそしてグッとくる。
そんなことを考える過程で「幸せ」というものについて改めて考えさせられた。
また、この映画は庶民の特に「食」について描いた場面が多く、麺、餃子、肉まんといった、日本でも馴染み深いものが、本場中国のあの時代ではどのように食べられていたのかも分かって面白い。
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