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正しいことを言っているのに、なぜか誰も動かない

それ、説明が足りないわけでも、
ロジックが弱いわけでもないことが多いです。

むしろ、
正しすぎること自体が、動きを止めている。
そんな場面を、職場で何度も見てきた人も多いのではないでしょうか。

会議では、こんな言葉がよく出ます。

「それ、正論ですよね」
「言っていることは分かります」

一見、合意が取れているように見える。
でも、次のアクションは決まらない。
誰がやるのかも、いつやるのかも曖昧なまま。

そして後日、
「結局、何も変わらなかったね」
という空気だけが残ります。

問題は「正しさ」ではなく、その手前にあります

人が動くときに反応しているのは、
主張の完成度そのものではありません。

  • なぜ、それを問題だと感じたのか

  • どこに引っかかりがあったのか

  • なぜ今、それを言わずにいられなかったのか

こうした背景が共有されないまま、
結論だけが提示されると、言葉は「正論」になります。

正論は否定されにくい。
その一方で、誰の行動にも結びつきにくいものです。

正論が出た瞬間、場が止まる理由

正しい意見が出ると、
場には見えないブレーキがかかります。

  • 反対しづらい

  • 賛成すると責任が生まれる

  • 結果、誰も引き取らない

これは、やる気や当事者意識の問題というより、
構造の問題に近いものです。

正論が「誰のものでもない言葉」になった瞬間、
行動との接点が切れてしまいます。

熱は、意見より前に生まれています

多くの場合、正論の前には必ず何かがあります。

  • うまくいかなかった経験

  • 繰り返し感じてきた違和感

  • 放置できなくなった小さな不満

ただそれらは、
「個人的すぎる」「感情的すぎる」と判断され、
言葉になる前に切り落とされてしまうことが多いです。

結果として、
温度の抜けた完成形だけが場に出る。

それが、誰も動かない理由なのだと思います。

動きが生まれる場で起きていること

人が実際に動き出す場では、
正しさの前に、こうした情報が共有されています。

  • どこで引っかかったのか

  • 何が気持ち悪かったのか

  • なぜ放っておけなかったのか

正論は、命令ではなく、
納得できる流れの先に置かれている。

だからこそ、引き受けられるし、続きます。

なぜ、改善しても元に戻るのか

構造を少し直しても、
運用ルールを変えても、
この「熱が通らない状態」が残っていると、また元に戻ります。

一時的に動く。
しばらくして停滞する。
「やっぱり変わらなかったね」となる。

これは失敗というより、
熱と行動をつなぐ設計が抜けていただけなのかもしれません。

正しいことを言うな、という話ではありません。

正しさの前にある、
「なぜ、それを言う必要があったのか」
そこを置き去りにしないこと。

そこから先にしか、
動き続けるしくみは生まれないように思います。

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