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「便利」という名のノイズ──ツールが増えるほど、なぜ仕事は減らないのか

「あの件、Slackで送りましたっけ?」
「いや、Teamsのチャットだった気がします」
「あ、すいません。Jiraのチケットのコメント欄でした」
「で、仕様書はNotionのどこにあるんでしたっけ……?」

画面にはいくつものタブが開き、通知バッジが赤い点滅を繰り返している。
私たちは、仕事をしているのでしょうか。
それとも、情報を探すための「スタンプラリー」をしているのでしょうか。

SaaSや便利なデジタルツールが次々と導入され、私たちの手元には「武器」が増えました。
一つひとつのツールは、確かに優秀です。チャットは速いし、ドキュメント管理はスマートだし、タスク管理は可視化される。

それなのに、なぜか「忙しさ」の質が変わらない。
むしろ、あちこちを確認して回る時間が増え、集中力は細切れになり、以前よりも疲弊している気がする。

これは、私たちが「足し算の呪い」にかかっているからです。
今回は、便利なツールが引き起こすノイズと、その静め方について考えてみます。

情報はあちこちにある、けれど「真実」はどこにもない

新しいツールを導入するとき、私たちは
「何ができるようになるか(機能)」ばかりを見てしまいます。

しかし、業務設計の視点で見落としてはいけないのは、
「何が増えるか(負荷)」です。

ツールが一つ増えるたびに、そこには新たな「入り口」と「出口」が生まれます。
情報が分散し、それぞれの場所に「正しそうな情報」の断片が散らばる。

結果として、
「情報はあちこちにあるけれど、最新の正しい情報(真実)がどこにあるかわからない」
という状態が完成します。

これが、デジタル化を進めたはずなのに現場が混乱する典型的なパターンです。
便利さを足し算していった結果、私たちは自分たちが作った迷路の中で迷子になっているのです。

ツールではなく、「スキマ」を設計する

この問題を解決するために必要なのは、
さらに高機能な統合ツールを入れることではありません。

一度立ち止まって、「引き算」の視点を持つことです。

業務設計者が最初に見るのは、
ツールの機能(スペック)ではなく、ツールとツールのあいだにある「スキマ」です。

情報がどう流れ、
どこで滞り、
どこで重複しているのか。

「何を使うか」を決めるよりも、
「何を使わないか」を決めることのほうが、はるかに重要で、そして難しいものです。

もし今、あなたの組織がツールの通知に追われているなら、
それは「配置」が整っていないサインかもしれません。

全てを完璧につなぎ合わせようとせず、
まずは情報の流れを整えることから始めてみませんか。

混沌とした状況を整理し、
静かな業務環境を取り戻すためのヒントを、いくつか置いておきます。

📖 この記事を読んだ方へのおすすめ記事

今の状況を少しでも「静か」にするために、以下の記事が役に立つはずです。

■ まずは「捨てる」勇気を持つ

ツールが増えすぎて身動きが取れないときは、
足し算をやめて「引き算」の視点を取り入れてみてください。
何を止めるかを決めることが、設計の第一歩です。

👉 #しくみのスキマ |引き算の視点がしくみを整える

■ ツール同士をどうつなぐか

ツール単体の機能ではなく、
それらがどう「連携」し、情報がどうバトンパスされるかを考える視点です。

👉 #しくみのスキマ |情報の連携がしくみをつなぐ

■ 完璧を目指さず「配置」を整える

バラバラなツールを無理に一元化しようとして挫折していませんか?
揃っていないことを前提に、どう配置すれば人が動けるのかを解説しています。

👉 配置の設計 #1|揃っていないのに焦る世界

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