問いが変わると、世界の見え方が変わる── 同じ現場なのに、なぜ話が噛み合わないのか
同じ会議に出ている。
同じ資料を見ている。
同じ現場で仕事をしている。
それなのに──
「問題だと思っていること」が、人によって違う。
こんな経験はありませんか。
自分には明らかな課題なのに、他の人はピンときていない
同じ数字を見ているのに、評価が真逆になる
議論しているはずなのに、なぜかすれ違う
誰かが間違っているわけでも、
理解力が低いわけでもない。
それでも、話が噛み合わない。
見ている世界は、本当に同じか?
私たちはよく、こう考えます。
「同じ事実を見ていれば、
同じ結論に近づくはずだ」
でも、仕事の現場では
そうならないことの方が多い。
なぜなら、
人は「事実そのもの」ではなく、
事実の“見方”を通して世界を見ているからです。
あるある①:数字が示す意味がズレる
たとえば、売上が前年より下がったとき。
「だから施策が失敗している」と見る人
「一時的な揺れだ」と見る人
「評価指標がズレている」と見る人
全員、同じ数字を見ています。
でも、見ている“問題”は違う。
これは、意見の違いというより、
何を基準に世界を見ているかの違い
です。
あるある②:評価や比較が思考を縛る
仕事では、どうしても
成果
評価
比較
が付きまといます。
すると、知らないうちに、
良い/悪い
勝ち/負け
成功/失敗
という見方が、
思考の前提になります。
その結果、
本当は考えるべき別の可能性
まだ名前のついていない違和感
が、見えなくなっていきます。
「考え方」は中立ではない
ここで大事な前提があります。
人の考え方は、
いつも中立で自由なわけではない。
むしろ、
これまでの経験
評価されてきた基準
比較されてきた環境
によって、
あらかじめ形づくられている。
つまり、
私たちは
「どう考えるか」を考える前に、
すでに“考え方の型”を持っている
ということです。
問いが変わると、見える世界が変わる
同じ出来事でも、
「何が悪いのか?」と問うか
「何が起きているのか?」と問うか
で、見えるものは大きく変わります。
問いが変わると、
注目する情報が変わる
気になる違和感が変わる
導かれる結論も変わる
世界そのものが変わったように感じるのは、
見方のレンズが変わったからです。
まず必要なのは「正しい考え方」ではない
ここで誤解しやすい点があります。
これは、
正しい考え方を身につけよう
という話ではありません。
そうではなく、
自分がどんな見方で世界を見ているかに気づくこと
が、最初の一歩です。
気づけるようになると、
なぜ話が噛み合わなかったのか
なぜ判断が分かれたのか
が、少しずつ言語化できるようになります。
次に読むなら、この2本から
ここまで読んで、
自分の「考え方の前提」が気になった
なぜ同じ現場でズレるのか、もう少し知りたい
そう感じたなら、次はこの2本がおすすめです。
▶ まずはこちら
認知の設計図 #1|同じ場所に戻ってしまう
─ なぜ人は、気づくと同じ判断を繰り返してしまうのか
▶ 続けて読むなら
認知の設計図 #2|“比較するOS”という問い方
─ 比較や評価が、思考にどんな癖をつくるのか
仕事で起きるズレの多くは、
能力や努力の差ではありません。
問いの置き方、
世界の見え方、
その前提が違うだけです。
ここから先は、
「何を考えるか」ではなく、
「どう見て、どう考えているか」を扱っていきます。
それが、次の一歩です。
