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魂まで、鍛える。

もうすぐ還暦なのだから、
そろそろ静かな趣味に
移行したほうがと
時々、ジムでふと思うのだが、
やはり、永年のトレーニーを
目指すことを決めたので、
本日は午前1時にジム入りした。

夜中だというのに、外気は
むんと暑苦しかった。
息苦しいほどの熱気は、
本格的な夏の到来を思わせる。
でも、ジムの中はエアコンで、
程よく冷やされている。
快適な環境で筋トレできる幸せだ。

筋トレは空模様に左右されないから、
天気予報を伺う必要がない。
雨が降ろうと、槍が飛ぼうと、
マシーン相手にガンガンできる。
たとえ台風が上陸しても、
鼻歌まじりでふんふん筋トレだ。
だが、停電になったら真っ暗だ。

未明から半肉体労働。
薄暗闇のなかをトコトコ出勤。
筋肉を駆使してえんやこりゃ。
本日も世の中のために、
いい汗かいたと満足だ。
仕事場は屋内だから、
エアコンが効いている。
それでも、動けば汗が滲むのだ。
激しいのはオレだけじゃない。

ひと仕事無事に終え、
この後の時の流れを思案する。
確たる形のある憤りが、
とある人物に対する怒りが、
オレの心に棘をつくっている。
その男の愚行愚言は、
社会人としての良識に欠け、
公から仕事をもらっている身で、
裏では計り知れない粗暴ぶり。
オレの発言いかんにより、
どうにかできるのだが、
無駄な労力をつかうのは
賢くない。
ただ介護の世界には、
当然ながら不向きで資格はない。

そんな心の熱が胸に宿るから、
おとなしく部屋で過ごすのは、
到底無理な話である。
ならば、いざジムへ向かうか。
つまらない男の過ちを
問い詰めるほど無駄はない。
ジムで開放感ある空間で、
筋肉を築く作業に打ち込みたい。

顔の半分を無精髭が覆っている。
長さ1センチほどにのびた、
それらを、帰宅後、きれいに、
剃り落としてしまおう。
スッキリして笑顔で鏡に。
ここのところ伸ばしては剃る。
の、繰り返しだ。
特に理由はないのだが、
無精髭もファッションの一部だと、
私はいい意味で捉えている。

むさくるしいイメージから、
華やかな雰囲気へと変える。
そして、着るものも選択するのだ。
外観はそのひとの内面も伺える。
どう受け取るかは相手次第。

全身の筋肉を育てるのも、
そんなファッションのひとつだ。
筋肉は身体の輪郭を描く。
肩、胸、背中、脚と、
日々少しずつ変化していく。
歳を重ねるごとに量は減るが、
それでも、鍛えれば確実にかわる。

こんな趣味に染まった私は、
ひとつの幸せに浸っている。
鏡に映る我が身をみて、
よかったなとふとニヤリ。

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