東京の味(魯山人はかく語りき)
はじめに
本稿は、CHの俗称「京都部屋」において春の朗読会(2025年4月22日)用に作成しました。作成したストリーをChatGPTを使って魯山人調の書体にし、それをさらにエディティングしたものです。

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朗読、参照はご自由ですが、ご一報ください。複写、転載はご遠慮ください。
東京の味(魯山人はかく語りき)
世間には、東京の料理を評して、京料理に比して野暮(やぼ)であり、洗練を欠き、味付けも濃くて下品であると言う者がいるが、これは料理というものを真に知らぬ輩(やから)の浅薄(せんぱく)極まりない物言いである。
東京の料理、その真骨頂(しんこっちょう)は「不均一の妙味(みょうみ)」にこそある。京の料理人が均一を美徳とし、滑らかに、平坦に整えた味に終始するのに対し、東京の料理人は意図して不均一を演出するのだ。食材本来の味わいの変化や食感の多様性を巧みに操る。
例えば、卵とじ。雑炊を作るにあたっても、東京の粋な職人は卵を七回半だけかき混ぜる。七回でも八回でも駄目で、七回半という絶妙な匙加減によって黄身と白身が程よく分離され、鍋の中で、味わいや食感の微妙な違いが楽しめるようになっている。
天ぷらにも、この美学が表れる。江戸前の天ぷらは、衣を均一に薄くつける京のやり方とは異なり、敢えて厚みにムラを作る。このムラが、食する度に衣の香ばしさや食感の変化を楽しませるのだ。おろし大根も、決して天つゆに完全に混ぜてはいけない。天ぷらの上に少々乗せ、その上から天つゆを垂らす。
七味唐辛子にしても、辛さだけを目的として振り掛けるなど愚の骨頂である。そもそも、七味とは、七種の香料の妙を楽しむためのものであり、食材や調理法により立つ香りが違う。その変化の妙こそ江戸の食文化の精髄(せいずい)である。京都にも山椒を無闇(むやみ)に多用する輩がいるが、斯様(かよう)な者に七味の真価を理解することは到底叶うまい。
蕎麦にしても、東京のつゆは濃く、辛口である。だが、それを僅かに麺の端に絡ませることで、そば本来の香りとつゆの風味を際立たせるのだ。天だねや薬味を添える際にも、山葵(わさび)や七味を巧みに使い、鮮やかな味覚の移ろいを演出するのだ。
江戸前鮨にも、当然この思想が貫かれている。醤油に山葵(わさび)を溶いて使うなどという無粋(ぶすい)な食べ方は論外であり、鮨の種に少量の山葵を添え、その端に少しだけ醤油をつけて口に運ぶのが本来の姿である。赤身の鮪(まぐろ)には控えめに、脂の乗ったトロにはほんのりと香りを立たせる程度に醤油をつける。これによって、素材本来の旨味、山葵の鮮烈さ、醤油の香ばしさが舌の上で見事に調和するのである。
また鰻も然り。東京の鰻は蒸してから焼き上げるが、この蒸し加減や焼き加減に敢えて微妙な差をつけることで、皮目は香ばしく、身はふっくら柔らかく仕上がる。この微妙な「不均一」こそが鰻の旨さを極限まで引き立てる秘訣なのだ。
かような東京料理の真髄(しんずい)を知らずして、単に「しょっぱい」「野暮」などと軽々しく批評するのは、ことに京の人間の傲慢で浅薄な思い違いである。東京の味わい方、その奥深さを知る者のみが料理を論じる資格を得るのだ。
そもそも、食というものは、単なる食材や調理法の知識だけで語り尽くせるものではない。美術や音楽、文学といった幅広い教養を身に付けてこそ、料理が秘(ひ)める物語や思想が見えてくるのである。料理に添えられる器一つにしても、そこには料理人の美意識や哲学が宿っている。器と料理が互いに響き合い、互いを高め合ったように、優れた料理人は料理を通じて物語を紡ぎ、自己を表現する。盛り付けや順序、味付けひとつひとつに、明確な意図と美が込められているのだ。
京都部屋に閉じこもり、美食ばかり論じているだけでは、料理の真価など到底分かるはずもない。時にはパームココナッツで古今東西の調べに浸り、サザンの熱い風を受け、クラシック音楽の向こうに広がる風景を感じて楽曲を味わい、そして自らも奏でる。『源氏物語』の深遠なる男女の情に触れ、深堀鑑賞部屋で芸術作品の行間を読み解く。そのような文化の広さや深さを体験してこそ、料理というものの本質や味わいが理解できるというものである。
(終わり)
クラブハウス内の関連のお部屋
参照させていただいたCHのお部屋は以下の通りです。まだ、入られていない方は、この機会に、是非、ご参加ください。
「京都から今日をお届け(通称、京都部屋)」
「ひろの読みたいHouse」見逃し注意!💦
「Palm Coconuts Club~Music Cafeteria~」
「好きサザン」
「Classic Landscapes:クラシック空間」
「源氏物語完読会」
「絵本の魅力(深堀鑑賞会)」
「リベラルアーツ&サイエンスを語ろう」
CHのリプレイ
春の朗読祭り第一部
春の朗読祭り第二部
MVP発表
余談
このお話を聴かれて東京の味をお試しになりたいとお感じになった方への(独断と偏見に満ちた(笑))おすすめのお店(とりあえずのリストで今後増やすかも)は、
鳥すき焼きの「ぼたん」 卵を溶くのは厳格に七回半のお店です(笑)
親子丼他「玉ひで」 ザ・江戸の味
天ぷら「天庄」 ごま油の香りが香ばしい江戸の味。お昼ならお財布にも優しいです。
蕎麦屋、お寿司屋さんはお好みのお店がたくさんあると思いますので割愛します。
甘味も多々ありますが、下町っぽい味というとこういうお店
