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地域の資源をフラットに見て、気付き、これからを構想する【Connect-Shiga “滋賀の地域デザインと人類学”】第2部:滋賀ゼミ2020発表会

本記事は、2021年2月20日にオンラインで開催されたイベント「Connect-Shiga “滋賀の地域デザインと人類学”」のイベントレポートです。
イベントは、「滋賀の地域デザインと人類学」をテーマとしたゲストトーク、滋賀の地域をフィールドに活動してきた「滋賀ゼミ2020」の発表会の2本立てで行われました。
こちらの記事は、第2部滋賀ゼミ2020最終発表会のレポートです。
*第1部ゲストトークのレポートはこちらから。

第2部では滋賀ゆかりのメンバーが滋賀県内をフィールドにデザイン思考を用いて、地域の課題解決を試みる「滋賀ゼミ2020」の最終発表会を開催。

「滋賀ゼミ2020」では岩嵜さんを講師に、"新たな機会はどうしたら発見できるのか"という部分を大切にしながら、その過程では、フィールドワークやインタビューなど人類学的な考え方を応用してきました。

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今回は「高島市今津町椋川」と「多賀町」のフィールドワークをもとに、参加者が5チームに分かれてプレゼンテーションを行いました。
フィールドワークを通して、どんな気付きがあり、どんな提案がされるのか楽しみです!

▼高島市今津町椋川ってどんなとこ?

プレゼンテーションの前に、フィールドワーク先となった「椋川」地域のこと簡単にご紹介。
高島市今津町椋川地域は、滋賀県の湖西地域(琵琶湖の左上)、福井県との県境にある18世帯30人が暮らしている集落。
椋川地域には山里の暮らし体験ができ、1000人以上が来訪する人気の都市農村交流イベント「おっきん!椋川」があります。このイベントは昨年で16回目を迎え、令和2年度ふるさとづくり大賞も受賞!(すごい!)

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そんな椋川地域のテーマは、
「with/afterコロナの都市農村交流モデルをどうつくっていくか」

このテーマについて3チームからプレゼンテーションがありました。

❶「おっきん!むくがわ交流館」オンラインワークショップ
最初に登場したのは、草津市出身で東京でデザイナーをしている山田さんと、長浜市出身で大学生の三家さんで結成したチーム。

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2人はフィールドワークで「来訪機機会の減少」と「工芸技術や地域文化の活用しきれていない」という2つの課題を発見。
この課題解決にはコロナ禍後の「来訪」につながる、地域の魅力を体験できるアイデアが必要だと仮設立てました。

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そこで2人は、
現物郵送型オンラインワークショップ「ストローセラピー」を提案。

「ストローセラピー」とは、オンライン対話を通じて椋川の伝統工芸である”藁細工”が学べるワークショップのこと。(楽しそう!)

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人は自分でつくったものに愛着がわき、またオンラインでの対話を通じ直接教えてもらうことで、その人や地域に愛着をわくことに着目したとのこと。

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さらに、「椋川通信」という藁が作られるまでのストーリーや椋川の情景を伝えるコンテンツをつくり、ユーザー理解を深めファンの醸成につなげる仕掛けも提案。

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3月13日(土)には実験的にセラピーイベントが開催されました!
これからのサポーターも募集中です!

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❷焚火×トーク配信/山焼き実行委員会
続いて登場したのは、仕事がきっかけで滋賀に住んだことから滋賀ファンなった五味さんと、草津市出身で大学でまちづくりを学んでいる岡さんのチーム。

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2人はフィールドワークにおける3つの気付きをもとにアイデアを提案しました。
 気付き1:火を囲んで話をすることの魅力
 気付き2:椋川の方の山への強い想い
 気付き3:椋川に継続的にかかわる機会の需要・必要性

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1つ目の提案は「焚き火×トーク配信」
「焚き火×トーク配信」は、いつでも、どこでも、誰でも参加できるコロナ禍に対応したオンラインイベント。
焚き火という火を囲んで話をすることの魅力をフックに、”おっきん!椋川”以外で椋川に触れる機会をオンライン上で作ることが狙いです。

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2つ目の提案は「山焼き実行委員会」
「山焼き実行委員会」は、昔は年1回実施していた椋川の春の風物詩「山焼き」を、椋川ファンにも準備段階から関わってもらい復活させる取り組み。
この取り組みを通じて、昔の椋川の光景を取り戻すとともに、多様な人の継続的な関りを生むことが狙いとのこと。

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この2つの提案を
「焚き火×オンライン配信」開催→視聴者とのつながり創出(椋川ファン増加)→山焼きイベントやろう→「山焼き実行委員会」設立、という流れで実現していきたいとのことでした。

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最後に、今回のフィールドワークを通して、五味さんも岡さんも椋川ファンになったとのことで、今後も椋川地域に関わっていきたい!と熱く語っていました。今後のお二人と椋川地域との関りが楽しみです!

この提案はフィールドワークのふとした会話から着想したとのこと。まさに早川先生がおっしゃっていた”1回きりの偶然をどう受け取るか、どう生かすか”というフィールドワークならではの大切さを感じる提案でした。


❸地方創成での新たな視点~「今」でなはく「将来」を目指して~
椋川地域のプレゼンテーションとして最後に登場したのは、滋賀出身で滋賀が好きだから参加したという大学生の富岡さん。

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富岡さんのフィールドワークでの発見は、
・茅葺屋根や囲炉裏が残っており、日本昔話のような雰囲気がある
・外から新しい風が入ることに対してウェルカムな人が多い

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このことから、
「昔ながらの生活を体験価値として提供できるのではないか」と着想。

富岡さんは、人は子供のころの体験が人生に影響するため、子供の時に椋川にきて楽しむことで、大人になった時に移住の選択肢になると仮説立てたとのこと。

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アイデアとしては、県内の小学生4~6年生の親子連れをターゲットに、茅葺屋根や囲炉裏の見学、藁細工体験、椋川での食事など、「古くからの日本の生活・雰囲気を体験」を提供するというもの。
これは小学校で学んだことを実際に観ることで、記憶に残るコンテンツを提供することが狙いとのことでした。

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富岡さんは実行するにあたって想定される課題に対しても、運営者不足についてはNPO団体との連携、企画の認知については「しがこども体験学校」に登録するなど、しっかりと対応方法を検討されていました。

「昔ながらの生活を体験できるコンテンツ」は子供だけでなく、コト消費に価値を感じるミレニアル世代にも人気の出そうなコンテンツで、実現されるのが楽しみです!


続いては、「多賀町」のフィールドワークをもとに、2人がプレゼンテーションしました。

▼多賀町ってどんなとこ?

多賀町は、多賀大社で有名な滋賀県の湖東地域(琵琶湖の右中)にある人口7,262人のまち。
森林面積が町面積の約85%もあり、公民館などの建築物をはじめ、小学校の机やお食い初めの食器まで、多賀産材木を積極的に活用することを推進。
2020年10月には「多賀森林循環事業協同組合(愛称:たが森)」も発足し、取組の拡大を目指されています。

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そんな多賀町のテーマは、
「多賀産材木を活用した商品アイデア、取組みを多くの人に届けるには?」

❹既存アカウントのSNSフル活用のサポート
まずは、将来的に東京と滋賀の二拠点居住を目指されている、彦根市出身の藤田さんが登場。

藤田さんは多賀町への移住者や働く人の増加・維持を最終的なゴールとし、まずは「盛り上げ」フェーズに注力することをテーマに調査をスタート。

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事前調査とヒアリング調査では、
・観光情報HPはあるものの、能動的に見に行かないといけない
・SNS活用したくても何をしたらよいかわからず、基礎から教えてほしい
・単発ではなく継続的な運用方法についても知りたい

という情報発信に関する課題やニーズに気付きを得たとのこと。

そこから、多賀町への興味喚起(盛り上げ)のためには、一過性の取り組みではなく、継続的な情報発信に繋げる取り組みの必要性を感じたとのことです。

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このことを踏まえ、藤田さんは多賀町の既存アカウントのSNSフル活用サポートを提案。

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具体的には役場や多賀森林循環事業協同組合の広報担当者、多賀町の情報発信に興味がある方に対して、「SNS入門講座の開催」「戦略的なSNS運用の支援」をしていきたいとのことでした。

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すでに具体的な想定スケジュールもあり、今後どのような取り組みに発展していくかが楽しみです!


❺多賀町の新ブランド「たがため」
最後は、奥さんの転勤をきっかけに滋賀にゆかりができたことで、滋賀での活動をしたいとの思いを持つ牛島さん。 

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牛島さんはフィールドワークを通して、多賀町にはたくさんの魅力とポテンシャルを感じたものの、林業としては他の地域と同様に「高齢化」「差別化」「流通」への課題を抱えていることに気づいたそうです。

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これらの課題に対して、牛島さんは「林業を高付加価値化すること」が必要と考えたとのこと。
そのために、木の加工品を販売したり、エネルギー利用することで、木材をブランド化する必要があると整理。

フィールドワークでは他にも「多賀のひと」と「木」の関係にも着目し、多賀のひとが「木」を縁起物として、「他」へ使ってきたことに気付きを得たとのこと。

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そこで、牛島さんが提案するのは、多賀のひとが木を「他が為」に使う思いやりから着想した地域ブランド「たがため」。
具体的には、人生の転機の贈り物としての「たがため」商品の開発を行うというものです。

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商品には多賀ならではのデザインやカラー(多賀グリーン!)を取り入れ、多賀らしさを感じられる製品を作ることにこだわりたいとのこと。

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将来的な展開として、EC販売だけでなく、「たがため」マルシェの開催や販売店舗にて商品を直接手に取って購入する機会を作りたいそうです。
また、宿泊施設やレストランともコラボレーションすることで、商品と多賀の魅力を体験できる機会を提供し、「たがため」から人の流れをつくることを目指したいとのこと。

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最後の「『たがため』が”多賀のため”になりますように”」と熱く語っておられた姿にグッときました。

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壮大な未来予想図まで展開され、とても素敵なストーリーのあるプレゼンテーションでした。商品開発からブランド化されるまでが現実になることに期待したいです!


全チームのプレゼンテーションを終えて、地域の方とゲストスピーカーからコメントをいただきました。

▽椋川地域 白太夫さん、是永さん(結いの里 椋川)

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色んな示唆をいただけるプレゼンテーションでした。
山田さんと三家さんの提案はネーミングが素敵。集中する時間をあえて売り(セラピー)にする発想は今までなかったので面白かったです。

五味さんと岡さんの提案は、山焼きをコンテンツにする発想が面白い。山焼きは対象が大きいので簡単ではないがエリアを限定すると検討できるかも。山と火は自然を活かす大切な手段でもあり、環境の多様性の観点からも魅力的な提案だと思いました。

富岡さんの提案については、以前は「昔ながらの生活体験」のようなイベントをやっていたが、最近はそのようなプログラムがなくなっていたので、改めてやってみたいです。また、NPO団体と連携してイベント実施を提供する発想は良いなと思いました。

▽ゲストスピーカー 滋賀県産業支援プラザ 船越さん

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山田さんと三家さんのオンラインワークショップは、3月のイベントでぜひターゲットの反応みてほしい。ターゲットの想定ニーズと実際の違いの気付きを得られると思います。

五味さんと岡さんの「焚き火×トーク配信」は、癒しを感じる時間として良い提案だと思ったので実施されるのが楽しみ。

富岡さんの提案にあった”子供の時の体験”はまさに大切な視点。その上で、どこに行くかはお子さんが選ぶというよりも、親御さんが選ぶことになると思うので、親のニーズをしっかり捉えるとより可能性高いと感じました。

▽多賀町 平塚さん(多賀森林循環事業協同組合)

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プレゼンテーションを聞いて、私たちがちょうど考えていることとリンクしていると感じました。

藤田さんの情報発信については、内部(町内)の人間だとどうしても偏った発信をしてしまうことに課題を抱えているので、多賀町外の人が入り、中立的な立場での発信や継続的な運用ができる仕組みの提案はありがたいなと思いました。

牛島さんの「たがため」については、人材の確保をはじめ色んな団体があり支援をさせていただけるので、ぜひ実現化していってほしいと思います。

▽ゲストスピーカー 大阪国際大学 早川さん

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牛島さんの提案はワクワクしました。「木」も素敵だと思いましたが、「多賀グリーン」や風景がぐっときました。色にも本物があると思っています。そこに行かないと見えない、感じられないものもあります。そこを上手く打ち出していけたらすごく良いなと思いました。また、「木」はプロダクトだけでなく匂いや触り心地も大切だと思うので、そこをどう伝えていくか知りたいと思いました。

藤田さんの提案にも「多賀グリーン」をWebサイトなどで表現し、伝えられたらいいなと思いました。
行政の通り一遍な情報ではなくて、「これがいいんだ!」という思い一点を伝えることが、回り回って地域の多様性や循環に繋がっていることを感じれると思いました。

最後にモデレーターかつ講師である岩嵜さんから、「滋賀ゼミ2020」全体へのコメントをいただきました。

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滋賀人で本格的にフィールドワークをやったのは初めてでしたが、色んな人に助けてもらいながら、フィールドワークをやったことが特に良かったと思います。フィールドワークの経験(地域の資源に気付くこと)が、この発表に大きく繋がったと感じます。
地方の場合、大学進学にあたり県外に出てしまうと子供のマインドセットのまま出てしまうため、地域(地元)の資源になかなか気付くことができない。そのため、今回のようにフィールドワークを通して、大人目線で地域の資源を見直すことは価値が高いことだと思いました。

企画については、早くさらし実践することが大事。イベントをやってみて、多くの方々にみてもらって、その際のフィードバックは応援のきっかけ。どんどん形を変えて地域の方と一緒に作っていってほしいと思います。

▼クロージング

クロージングでは主催者である、滋賀県市町振興課 藤原課長からご挨拶

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今回の取り組みは関係人口創出の事業として初めて行いました。100名近いご参加をいただき、コロナ禍でもオンラインだからこそ実現できたことだと思っています。
今回、フィールドワークができなければ、ここまで素晴らしい発表がなかったかと思います。12月に実施できるかどうか判断に迷いましたが実施できて良かったです。
事業としてはこの発表で一区切りではありますが、人と人、地域と地域が繋がることで関係人口を増やしていき、最終的には移住まで繋げていけるように願っています。

最後に「滋賀ゼミ2020」の企画運営をした、一般社団法人滋賀人 深尾さん

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今回、受け入れ地域の方には大変お世話になりました。
ゼミ生も半歩どころか一歩踏み込んで取り組みを行ったからこそ、今回の成果に繋がったと実感しています。
視聴者も色んな方がいると思いますが、それぞれ半歩踏み込んでいただいて、今後ご一緒できたらいいなと思っています。ありがとうございました!

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県外に住む滋賀ゆかりのメンバーが、「椋川地域」と「多賀町」をフィールドに、デザイン思考を用いて地域の課題解決を試みるプロジェクトは、ここからがスタートです。各チームのこれからにどうぞご期待ください!

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