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2026年10月1日施行!「リースバックガイドライン」について

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

このたびの熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
厳しい暑さの中で、不安な日々を過ごされていることを思うと、胸が痛みます。被災地で過ごされている方々のことを思えば、私たちが普段感じている暑さとは比べものにならないほど、大変な状況であることに違いありません。
今の私にできることはわずかですが、募金をはじめ、自分にできることを一つずつ続けていきたいと思います。
被災された皆さまに、一日も早く穏やかな日常が戻りますよう、心よりお祈り申し上げます。

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これまで何度もこのブログで取り上げてきた、リースバックの契約トラブル(過去のブログはこちらから)。「普通賃貸借契約だと思っていたら定期借家契約で、期間満了で追い出された」「更新のたびに家賃が上がって払えなくなった」「買い戻せると聞いていたのに、いざとなったら売ってくれない」……。全国の消費生活センターへの相談件数は、ここ数年でみるみる増えており、決して他人事ではない状況が続いています(国民生活センターのサイトはこちら)。

そんななか、国土交通省が『住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)』を今年7月に策定。2026年10月1日から施行されることになりました。大いなる前進だと思います。今回は、この新しいガイドラインについて噛み砕いて説明していきますね。

この数年で倍増しているリースバックトラブル

リースバックは、「自宅を売却して代金を受け取りながら、その後は賃借人としてそのまま住み続ける」という、売買と賃貸借契約がセットになった仕組みです。家の所有権が移転する(=自分の持ち家ではなくなる)ことで、固定資産税の負担がなくなる一方、住み続ける場合は毎月の家賃負担が発生しますし、リフォームなどが自由にできなくなったりと、これまでの「自分の家」とは違う制約も生まれます。
国民生活センターの発表によれば、リースバックに関する相談件数は令和4年度に116件だったものが、令和7年度には214件と、この数年でほぼ倍増。トラブルの背景には、家賃の額や増額のルール、契約の種類(普通賃貸借か定期借家か)、契約期間、解除条件、修繕費用の負担区分といった、契約の根幹に関わる情報が、事業者から売主に十分に説明されていないという実態がありました。「詳しくは契約書に書いてありますので」でその場はすまされてしまい、あとから「そんなはずじゃなかった」「聞いてない!」となるパターンです。
こうした状況を受け、「宅建業者による適切な情報提供を徹底させ、取引を適正化すること」を目的として、今回のガイドラインは定められました。

法令違反で業務停止命令や免許取消、場合によっては刑事罰も

今回のガイドラインは、既存の宅地建物取引業法の解釈を、リースバック取引の実態に即して明確にしたものです。主に3つの条文が関わってきます。

まず第31条関係。
宅建業者は「信義を旨とし、誠実に」業務を行う義務があるという、業法の大原則です。今回、これがリースバック取引にもしっかり当てはめて解釈されることになりました。

次に第47条関係。
契約締結の勧誘にあたり、相手方の判断に重要な影響を及ぼす事項をわざと告げないこと(事実不告知)を禁じる条文です。ガイドラインでは、リースバックにおいて具体的にどんな情報を告げなければならないのかについて、かなり細かく列挙されています。売買に関することはもちろんですが、賃料の額や支払方法、契約期間と更新のルール、普通賃貸借か定期借家かの区別、修繕費用の負担区分、物件を第三者に転売する可能性とその影響まで、まさに、当NPOに相談にいらっしゃる方も異口同音に「聞いていなかった」とおっしゃっている内容そのものです。これらを故意に告げなければ法令違反となり、業務停止命令や免許取消、場合によっては刑事罰の対象にもなり得ます。

そして第47条の2関係。
断定的な判断の提供(「絶対に得ですよ」といった勧誘)や、契約を検討する時間を与えない行為、威迫的な言動、深夜や長時間に及ぶ執拗な勧誘なども、禁止行為として明記されました。

「細かく読まなくても大丈夫ですよ」が通らなくなる

今回のガイドラインが施行されることで、これまで悪質な事業者がよく使ってきた「内容は細かく読まなくても大丈夫ですよ、だいたいはお伝えしたので」という常套句や、契約後に「契約書に書いてあるので読んでおいてください」と相手に投げるやり方は、これからは通用しにくくなります。何を、いつ、どのように説明すべきかが明文化されたことで、行政としても指導や処分がしやすくなりますし、消費者側も「これは説明されるべき事項だったのに」と、格段に主張しやすくなると思います。
もちろん、ガイドラインができたからといってリースバックそのもののリスクがなくなるわけではありません。売却である以上、クーリング・オフは使えませんし、リースバックでは査定額が市場価格より低くなりがちなことも変わりません。それでも、事業者側の説明責任がこれだけ具体的に示されたことは、大きな一歩だと感じています。

当事者も知識を持ち、納得するまで締結しない

当NPOへのリースバックをめぐる悪質な契約トラブルのご相談も、やはり増加傾向にあります。高齢の方が知識不足や判断力の低下につけ込まれ、大切な「最後の資産」を安く手放してしまうケースは後を絶ちません。
今回のガイドラインができたことで、そうした悪徳業者が少しずつでも減っていくことを心から期待していますが、ただ、これはあくまでも「ガイドライン」です。法的拘束力があるわけではありません。いつも言うことではありますが、やはり、当事者の最低限の知識は必須。リースバックを検討されている方は、契約前に「賃貸借契約の種類」「家賃の見直しルール」「解除・違約金の条件」「買戻しの可否と条件」といった点を、相手に遠慮せず、きちんと確認していただきたいと思います。当事者も最低限の知識を持ち、きちんと納得できるまでは契約を結ばないという姿勢を強く持っていただきたいです。
もし少しでも不安なこと、気になることがあれば、契約後でも構いませんので、一人で抱え込まず、お気軽に当NPOの無料相談をご利用ください。

◆2026年1月に、埼玉県消費生活相談員研修にてリースバックについて講師をさせていただきました。詳しくはこちらをご覧ください。

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