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生成AIは「答え」ではなく「道具」~問題解決に必要な人間の力

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

皆さんは、生成AIを頻繁に使いますか?
生成AI(人工知能)の歴史は実は古くて、始まりは1950年代だったのだそうです。その後、一般的なブームになるまではかなり時間が経過しましたが、きっかけはアメリカのオープンAI社による対話型AIである「ChatGPT」。公開は2022年11月30日で、世の中が「ウィズコロナ」の時代に向かい始めた頃でした。
それ以降現在に至るまで、生成AIの進化はまったくすごいものがありますよね。コロナ禍で社会は大きく変わりましたが、生成AIとともに凄まじい速度で変質していったものも、多かったと思います。

あくまでも「重宝するアシスタント」

私自身も生成AIはよく使います。たとえば資料作成のために膨大な情報が必要な時、ネット検索していてもなかなかほしい情報にたどり着けないことがある。そんな時、生成AIに条件を投げて、資料が載っているWebサイトを探してもらいます。また、情報を整理して複雑な文書を作らないといけない時には、叩き台を生成AIに作ってもらい、精査しながら的確な情報を追加して整えることもあります。これによって作業時間が大幅に短縮できるからです。
要は、私にとっての生成AIは敏腕アシスタントのようなもので、すべて自分でチェックし判断することを前提としたうえで仕事を手伝ってもらうには、とても重宝する相棒です。

「AIはこう言ってるんですけど」

しかし、世の中の使い方は本当に千差万別だなと感じることは、身近な例でもあります。
当NPOの相談者さんで、開口一番、「AIはこう言ってるんですけれど」とおっしゃる方が最近何人かいらっしゃいました。自分の抱える問題についてAIに投げかけ、解決策を聞いた結果、「AIがこう言うんですけど、これでいいですかね?」とおっしゃる。
見せてもらうと、そこには本当に一般的な、普通のこと――誰にでも当てはまりそうなことが書かれています。当然ですよね、AIはネット上の情報を集約して答えを導き出しているわけで、当事者個人の背景や、深層の部分までを理解して、カスタマイズして答えているわけではありません。

本気の問題解決に必要なこと

もちろんそれは、入力された内容に対して回答するAIの限界でもあります。
私たちのように、生きるか死ぬかといったレベルの問題を抱えている方と対峙することが少なくない現場では、たとえばその方の話し方や、ちょっとした表情、ニュアンスから受け取る情報がとても大切です。本音が潜んでいるというか、相手の方が、こちらに汲み取ってほしいと思っていることが言葉の端々に滲み出るようなこともあります。だから、私たちは五感をフル稼働させてほんの小さな発信も見逃さないようにする。相手がうまく伝えられなさそうだと思えば、こちらからなるべく質問を重ねて、代わりに言語化するようにする。
本気の問題解決には、そのくらいの集中力と知覚が必要で、かつ、それは当事者と専門家がリアルに向き合って初めて成されることでもあると思っています。

鵜呑みにした結果の事態悪化?

自分自身で、自分の抱える問題をAIに正確に理解させることは、かなり至難なのではないでしょうか。それゆえに、「AIがこう言ってるんですけど」と相談者の方が言うたびに、私は少し、危ないな、と感じます。
でも「これでいいと思いますか?」と聞きに来てくださるだけ、まだいいのかもしれません。出てきた回答を鵜呑みにしてそのまま突き進み、結果、解決せずにむしろ事態悪化…ということも、ないとは言い切れません。当NPOにはまだそういう相談はありませんが、生成AIに頼りきる人たちがますます増えていく近い将来には、そんなケースも同じように増えるのではないかと思い始めています。

プロがAIに回答を作らせる怖さ

私たちの業界で相談を受ける側の人が、“AIレベルの回答”を相談者にアドバイスして相談料を取っている、という話も聞くことがあります。専門家であるにもかかわらず、回答はAIに作らせて、それをそのまま相談者に戻す、という方法。それを相談者が聞けば、「AIも同じようなことを言っていた。やっぱり回答は正しかったんだ」と受け取ってしまい、ますます、AIに依存して鵜呑みにするようになる。完全に負のスパイラルができあがっており、最初聞いた時は、かなり衝撃がありました。

問題解決スキルは専門家にとっての生命線

AIで解決できるくらいの問題なのであれば、それはそれで構わないとは思います。相談者の方にとっては、まだ傷が浅い段階でのSOSだったということでしょうから、これはよかったケースです。
むしろ気になるのはAIに回答を作らせている専門家のほうで、これをデフォルトにしてしまうと、おそらく気づかないうちに自分が淘汰される側になる可能性は大きいのではないでしょうか。私たちにとって、問題解決スキルというのは生命線です。スキルがなければ、困っている方々を助けることができない。それは、存在理由すらも脅かされることを意味しています。

生成AIは非常に便利なツールですが、付き合い方はきちんと理解したうえで使っていくことが肝要ではないかと思います。決定してもらうとか、意見を求めて委ねるとか、何かを創造するといった、そもそも長い歴史のなかで人間がひらめきや思考を駆使して行ってきたことについては、今後も人間が主導してやっていくのが自然。そう信じて、私はこちら側で、自分の足で立ち続けるつもりです。

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