No.89 中村悠一の年末年始配信雑感
0. Introduction
早いもので新年が明けて2週間が経った. 昨年の大晦日は, いつものように普通に仕事をしながら, YouTubeを聴いていた. とりあえずYouTubeを開いてみると,
・「壺おじ」で初日の出を見ようとしていた``はらわた''(こんるるを思い出す)
・史上最凶のクソゲー「ソードオブフォートレス」で年越しという相変わらず狂っている``からすま''
等々の中で, 中村悠一が
2022を振り返りながら新年を迎える予定の配信 (現在は「2022→2023 ボクらの語り場 杉田くんと安元さんをゲストに迎え」というタイトルで4本立てでアーカイブに公開)
を「例(龍?)が如く」やっていたので, 結局そこに落ち着くことに.
私が配信に気付いたのは開始から30分程度経った22:30くらいで, そこから大歳参りに出る23:50まで聞いて, 帰ってきて1時でまだやっていたことに驚き, 最後まで聞いた感じ. だから公開されているアーカイブ準拠では, part 1 の真ん中から part 2 の後ろの方までと, part 4 を生で聴いた感じ. 例によっていい歳のおっさん3人が酒飲みながらくっちゃべっているだけなのだが, これが中々に面白かった. 実際, 面白い topics をいくつも話していたのだが, 今回はその中でも特に恐らく前半と後半のマジメ part で取り上げられていた
1. 仕事における input-output の周期
2. 業界の裏, real をどこまで open にすべきか問題
の雑感を述べる.
1. 仕事における input-output の周期
話の流れの詳細は覚えていないが, 多分, 中村悠一が言い出したことだったと思うが,
「仕事において input 優勢の期間と output 優勢の期間がある」
という話が出た(正確な発言についてはよく覚えていない). で, 中村悠一曰く
「
input 優勢の時はそれ以前に決まっていた仕事以外は全て断る.
output 優勢の時は来た仕事は全部受ける.
」
とのことだった. これについては「なるほどな」と思った.
中村悠一は補足的に「声優は output の仕事だから」と言っていたが, それはなんというか作家だろうが, 漫画家だろうが, 作曲家だろうが, 大体どんな職種でも, 基本は何か特定の対象を output するのが仕事なわけだから, これは大体どんな職種にも当てはまることだと思われる. 実際, 私もそんな感じで, 大体2, 3年周期でこの input, output の期間が交互にやってきている.
私を例にすると, 業界に入りたての頃は output 優勢で, それからしばらくして input 優勢になり, 異動引っ越しを挟んで再び output の時期になり, コロナ禍で input に switch して, 去年また output にshift した感じ.
一つ気になったのは, 私の場合, 「input」というのは「人の話を聴く」ということなのだが,
声優あるいは中村悠一の場合の「input」は何をするのだろう?
ということである(それについては例の配信では余り触れられていなかったような気がする). 何か本を読んだり, 映画や舞台を見たり, あるいは若本規夫のように何か「修行」でもするのだろうか?
「その辺をもう少し深堀りして欲しかったなぁ」
というのが感想だったのだが, 流石に大晦日の酒の席での話なので, 話題は次へと流れていったのだった.
2. 業界の裏, real をどこまで open にすべきか問題
これは割と終わり際に出てきた話題だったと思うが, 杉田智和が
「業界の裏や real は極力見せないようにしている」
と言ったのに対し, 中村悠一が
「みんなそう言うけど, 俺はもう少し見せた方がいいと思う」
と返したことに端を発する. 中村悠一曰く
「そうしないと(声優について)勘違いするヤツが出るから」
とのことで, 恐らくは何某かの実体験を踏まえての, ある種の教育的配慮として(あるいは色々と``溜まって''いて)こういうことを言ったのだと思われる.
これに関しては私は``杉田派''で, つまり
「そんなモノを見せる意味はない」
と考えている. まずただの素人であれば, そんなのは見せる意味はない. そしてプロを目指している若人にそれを言う意味も余りないと思う.
私のプロの定義は
一. その道でメシが食えること
二. その業界の「常識」, 「当たり前」を普通にできること
なのだが, どんな業界, いかなる職種であれ, プロになること, そして何よりプロであり続けることは非常に難しいことである. にもかかわらず, プロを目指そうというのに, それ以前のプロの厳しさを知らんような, 想像できないような輩は, 箸にも棒にもかからん輩なので相手にする必要がない. なんだったらさっさと引導を渡してやり, 別の道を歩かせてやる方が良心的とさえ言えよう.
そんなわけで, 配信では
「杉田はやさしいからそういうのを見せないんだろうけど…」
と中村悠一は言っていたが, 私は
「そんな「常識」もわからんバカにご丁寧にそれを教えてあげようとする中村悠一の方が我々よりずっとやさしいのでは?」
と思った.
Appendix. 中村悠一の印象的だった役
今日(昨日), 「わしゃがな」でゲストに柴田亜美を呼んでいて, その中で彼女に
「一番(オススメ? 印象的?)だった役は? 作品は?」
と聞かれて, 中村悠一は(無難に?)
「CLANNAD」
と答えていた. 正直, 私は「CLANNAD」は余り好きではないので(「Air」の方がずっと好き), リップサービス(?)の分を考えても,
「ああ, そうなんだ」
と思った(確か, あれが彼の初主役(マクロスFより先だもんね)だった気がするから, そういう意味でも思い入れが強いのだろう).
ちなみに私の印象で行くと, 大前提として私が知っているアニメ, 好きな作品のものになるが, 一番最初に印象的だった彼の役は
「アカギ」のモブ(市川戦の前にアカギに拳銃で撃たれるチンピラ)
である. 何故か, 妙に耳に残って(特に銃を口の中に突っ込まれ, ビビっている演技がいいなって思った), 中村悠一と私との first contact がアレだった.
で, 彼の主役の作品で挙げるならば, やはり
「氷菓」の 折木奉太郎
の方が, 「CLANNAD」の岡崎朋也より好きである. 当然, 作品それ自身の好みの差が大きいのだが, 似たような感じのキャラでも, やっぱりキャリアを積んだ分後者の方がこなれて, 自然な印象を受けた.
「一番好きなものを挙げろ」と言われたら, 数多ある彼の役の中から私は迷うことなく
「DRIFTERS」の島津豊久
を挙げる. これは作品もキャラもぶっちぎりで好きすぎることが最大の要因であることは認めるが, 演技 (薩摩弁, 猿叫他) としても, やはり彼のキャリアの中で特筆すべき役だったと思う (私がその声優をはかる基準でよく使うのが「叫び」と「演説」. ヘタな奴はこれがとことんヘタ).
「好きな作品」でやはりどうしても外せないのが, 隠れた名作
「戦う司書」のヴォルケン
である. これは他のキャストの組み合わせも凄く良くて, 恋人枠(? ミレポック)に沢城みゆき, 兄貴分枠(マットアラスト)に大川透, 宿敵枠(? ハミュッツ ?というか一応主役?)に朴璐美って, 中村悠一の数多の出演作でも中々ない取り合わせなのではないか. また最初は非常に純粋, 悪く言えば childish (ガキ) だったヴォルケンが最後の最後に, ある意味でハミュッツと立場が逆転する成長というか, 変容(そういう意味では「戦う司書」はコリオとヴォルケンの二人が主人公の物語)を見せる(魅せる)のも中々に見所である(一番最後のミレポック(沢城みゆき)の語りは, あのヴォルケンの最後の「ミレポック…」に対しての返しでもあるので, あのかすかな呟きのような一言は最後の〆という意味でも凄く大事なセリフ).
「特筆すべき」という点で印象的だったのは
「ゴブリンスレイヤー」のドワーフ
である. というのも, それまでは
「正直, 中村悠一がああいう役や演技をするのはあと十年後」
だと思っていたから, アレ(一番印象的だったのはあの声で, ストーンブラストの詠唱を色々な variations でできたこと. これも「叫び」や「演説」に近い評価基準な気がする)をやっているのを観て(聴いて),
「やっぱりこの人は私の想像の上を行く非凡な人なんだな」
と驚いたのである.
