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隷属執事私権

「かあさん、ハナワくんがね、あたしらを下に見ている気がするんだよ」
「あら、何言ってるんですか。そんなはずはないでしょう。確かにあの子の親は、ひと山当てたんだか、何代も前から裕福だったのか、知りませんよ。でもうちはうち。努力して試験に受かり続けたらいつかマシな暮らしができるって思い込んで一億総中流ドリームに酔っていたのも確かです。それでも彼だけはそんな子じゃないと信じたいわね」

 世間ではグランパを「じいじ」とも呼ぶらしい。が、さっき耳にしたのはそのいずれでもなかった。「じいや」? どうやらあたしら娘の教育を間違えたようだねかあさんや。ひたすら玉の輿狙いで結婚したうえ子どもにも縁起をかついでハナワなんて命名するとはさ。老後は夫婦で年金生活を送るつもりだったけどわが子の扶養家族になってボランティア家事育児も悪くないと思っていた矢先だ。爺やに婆やだと? せめて家令、執事、ガバネス、大奥御年寄。なんとかならんもんかね?


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