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lazy_planet
おせち風呂 正月の読書記録並びに紹介編
「開けなさい。中にいるのはわかっているの」年明けに銭湯の表玄関で騒ぐ私の姿は知らない人には不倫夫とその相手に向けられているようにしか見えない。
「出てきてポチ、お願いだから」
話は昨年末に遡る。ホームセンターでまとめ買いした犬用お節のなかに賞味期限切れが混入していたのだ。
「お客様こちらお努め品でございます、」
運悪く売り場にはハンマー、スコップ、セメントがあった。
「ポチ、ママよ!」
風呂屋の前で懇願する私。
数ヶ月前に遡る。
「ごめん。僕は人用お節の味を覚えた。体重と血糖値が急上昇して、」
「ポチ、まだ間に合うわ」
再び風呂屋で。僕にお節を食わせたのは風呂屋のクロだ。その上人間の風呂まで知ってもう犬の風呂には戻れなくなった。黒豆きんとん大浴場の禁断症状に襲われるんだ。
「何を考えているの、お風呂屋さんを占拠して」彼は重箱の風呂敷を首に結び銭湯の煙突に巻きつくように設置された梯子を登ってゆく。
「待って、おまえ一人では行かせない」
410字
煙突からダイブした二人を通りかかった低空飛行中のセスナ機が受けとめた。
「不思議なことに風呂敷にはボタンとループが最初からついていたんだ」
犬は伊達に巻いたマントを脱ぎながら言った。
毎ショの皆さま、本年もよろしくおねがいいたします。さて今年三が日に読了した本はニ冊ですが、一冊は某noter様の紹介で知ったもの、もう一冊が、なんと「お題」にピッタリ!のこれでした。
『螺旋墜落』C.ウォード著
「一気読み以外ありえない、体感速度超音速のSF航空サスペンス」背表紙の紹介文より。
お題はこちらです。
