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大嘘寺 ①

 今月一昨日のあの満月は今年最後の寒月でした。こうしてまた一年、年齢を重ねてしまうのでしょうかわたくしは。思えば都じゅうの殿方門前市をなして見てしがな得てしがなと騒がれた時期もございました。やがでやんごとなきお方までが御遣いを寄越されると噂が広がり、モンペールマメールもこりゃ大変と大慌てで屋敷を大掃除をせねばと大わらわ、わたくしは身の置き所なく、ならばいっそ寺にでも参りましょうと逃げを打ったのでございます。すると媼は呆れてそなたまさか髪をおろすおつもりかと詰め寄るのでした。いったいどこの寺が引き取ってくれるのだ、いままで育ててやったのは誰だと思うと泣きだす始末。違います、とただただ大掃除嫌さにぱちんこ屋に脚を向けたところでどうせ同じ了見の者どもで溢れかえり満員電車に似たり。騒音のなか必死の形相で台に向かうはいつもの殿方の面々。  いっそ本当にテラに行こうかあの竹のごとく青い地球テラへ?


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