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読書手術(スクショシュシュシュ)

「そこのあなた、お待ちなさい」気の強そうな女性に呼び止められたがご主人様はビクともしない。心底心外だと顔を曇らせ「何か?」。こういう場合は無視を決め込むか、逃げるのが鉄則なのでは。
「トボケないで。さっきからそのスマホを若い子の足元にかざしてどういうつもり? 少なくとも三回は不審な動きをしていたわ」
すごい。何て正確なカウントなんだ。だがご主人様も負けていない。
「これですか。スマホではなく電子書籍リーダーです。読書に特化した一意専心型の不器用な奴なんです。あなたが考えているような盗撮だなんて思いも及びませんよ」
「じゃあ見せてよ」言うが早いが女性はボクをご主人様の手からむしり取った。
「あらま、本当だわ」
こんなこともあろうかとボクは撮影機能の切除手術を受けておいたのだ。
そそくさとその場を離れたご主人様が八色の花びらのアイコンをつついた。
「えっ?」
そこにはさっき読んでいた小説のページの画像がそのまま三枚納められていた。

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