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バーストキス ①

 あれは小学校五年のとき一緒に図書委員をやった福山くんだ。相変わらずイケてない。人のことは言えないけど。あのころ男子は子ども向けミステリ小説、女子は胸キュンの初恋物語にハマっていた。福山くんは電車が大好きで私は私で算数少女。そんなとき事件がおきた。福山くんが珍しく探偵のように
「委員会の出席者が減ってる」と首を傾げた。「それに図書室に本を借りにくる生徒も」
気のせいだよ。図書委員は各クラス一人でしょ?
「いや、クラスそのものが減っているんだ」
まさかあ。
「しっ、誰かがいる」
スポーツマンの中島くんと優等生の竹下さんだ。書架のかげでヒソヒソ話している。やがて二人は静かに顔を近づけた。
エェー何て事を! 
と思った瞬間二人の姿は吹っ飛んだようにその場から消えていた。
「中島? 竹内? そんなやついた?」
言われてみるといなかった気がした。あれからずいぶんたつけれど、私はまだこの世界にいる。見知った人はどんどん少なくなっているけど。

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