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踏切オーディション ❷
天才演劇少女フミエはオーディションの当日朝寝坊をしてしまう。前夜に連続ドラマを一気見したせいだ。
「いっけなーい、遅刻遅刻」
一方恵まれた環境に育っても実は努力の人キリコは堅実にも最強線の揺れに身を任せていた。その日に限っておかかえ運転手トクガワの高齢ドライバー研修とカチあってしまったのだ。突然キリコを乗せた美女専用車両が緊急停止した。
「何事ですか!」
車窓から踏切が見えた。遮断機の向こうにパンをくわえて呆然と立ちつくすフミエがいた。彼女も不参加ではやる意味がないというもの。
「パパ、不測の事態でそちらに向かえません」キリコからのテレビ電話の画面の隅に見えた踏切が彼女の父親で審査員の有名映画監督の目をとらえた。
「ここだ!次作品のクライマックスシーンはこの踏切でキマリだっ」
フミエもまたガラケーに向かって叫んていた。「踏切のせいで動けません。80年代の恋愛ドラマで散々恋人たちを隔てまくっていた例の三丁目の踏切ですよ」
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