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娘の吃音、はじまりとおわり

こんにちは、ちゃんしーです
目標についての記事ばかり書いていましたが、今回は育児関連の話をしたいと思います。
私には子供が二人いるのですが、今回は現在年長さんの娘の、吃音の話です。

3歳前に始まった吃音

娘は2022年の3月頃、おおよそ2歳5か月の時に吃音が始まりました。
きっかけは多分人によってあったりしなかったりすると思うのだけど、娘の場合はしっかりとあって、それは「兄ちゃんの入院騒ぎ」でした。

コロナ過真っただなかで、コロナにかかったら入院だ、入院したら会えないぞ、その後亡くなるようなことがあっても死に目にも会えないぞ、と恐怖に震えていた時期。
そんな時期に兄が激しい咳と喘息発作のようなものを発症、救急外来で「明日再診して改善してなければ入院」と宣告されたのです。

結局症状はその日がピークで、コロナでもなく喘息でもなく入院もせずに済んだのですが(おそらくマイコプラズマだった)、その結果に至るまでの数日の間「入院したら?悪化して死んじゃったら?!」と最悪の事態ばかり考えて地獄の数日間を贈った我が家というか主に私。子供たちの前ではなるべく明るくふるまうようにはしていたものの、当時3歳とまだ小さかった娘もその空気感をしっかり感じ取っていたようでした。

「あ、あ、あ、ありさん」

忘れもしない、はじめて吃音が出た日の事。
兄と父が入院の必要有無を聞きに行っている間、娘と私は公園にいったのですが、そこでみつけたアリさんを指さして「あ、あ、あ、ありさん」といったのが全てのはじまりでした。
その時は、あれ、ちょっとどもってるな?と思いつつも、フォーカスがお兄ちゃんの入院必要有無にあったこともあり、あんまり深く考えはしませんでした。

あの日から、まさかこんなに長い間苦しむことになるとは思ってもみなかった。

最初の大きな波

その後息子の入院が不要とわかり、やったー!!と安堵し喜んでいた中でも、娘の吃音はどんどん悪化していきました。

たとえば自分のあだ名「あーちゃん」が言えず、「あ、あ、あ、あーちゃん」と頭の文字をなんどもくり返しやっと言える、というような感じでしたが
徐々に繰り返しても言えなくなり、「あ”、あ”、あ”、あ"ーーー!!」と顔を真っ赤にして身体に力を入れ、どうにか絞り出そうとする、それでも言えない、という状態にまで悪化しました。
ここまでの進行はたぶん数日とかで、あっという間の出来事でした。

母、夜な夜な鬼ググりフェーズ

急激な異変に怖くなって、色々調べたところ

・吃音が出ていることを本人に意識させないほうが良い
・親は落ち着いて見守ったほうが良い
・普通に会話してOK
・あんまりひどい場合は専門家に相談しても良いが、初期にできることは親の向き合い方の指導ぐらい

というような情報を得ました。

不安を感じている中、希望をくれたのは

・幼児期に発症した場合、7割ぐらいが3~4年で自然治癒する

という情報。
これは当時見たもので、今調べると違う情報も出てきますが(おそらくこの分野の研究はまだ発展途上でどんどん変わっていくと思う)、私はこの情報を希望を感じ頑張れたところが大きかったです。

逆に現実味を覚え心がざわざわしたのが

・発症後3~4年を過ぎると治りにくくなる
・小学生に上がると治りにくくなる

という情報。この数字をリミットとして、それでも治らなかったら動こう。
と思っていました。

そもそもの娘の発達と状態

そもそも吃音が出る前の娘の状況を記載しておくと、娘は

・体が小さい
・言葉が早い
・断乳意識中

という状態でした。
吃音の事を調べている中で目にした「言葉が出るのが早かった」という要素は娘にも当てはまりました。

そういうタイプに吃音が多いとなると、あくまでも想像ですが、頭の中に湧き出てくる言葉に、身体(口・舌)がついてこない、という状況なのかな??と思ったりしました。娘の場合、身体的な成長がのんびり目なので、猶更そうなのかなと。
根拠は見つからなかったのですが、そういうタイプが多いようなので、一応記録しておきます。

また、娘は母乳への執着が強く、3歳過ぎてやっと断乳したのですが、吃音が始まったのは断乳を意識し始めたころでした。
ずっと心の安定剤にしてきたおっぱいからの離脱宣言、かつ息子の入院騒ぎと、精神的な負荷が高い状況にあったことに加え、体質と成長状況が重なって発症してしまったのかもしれません。

親として対応したこと

娘の吃音に対して、親として対応したことは下記です。

・見守る
・気にしない
・なるべくストレスをかけない
・親族や保育園に共有する

何もせず見守ること。これが一番むずかしい・・と思いつつ、方針は固まったので夫や家族と共有し、タイムリミットまではとにかく見守る。とにかく気にしない。と心に決めて、貫きました。
保育園ではそもそもあまり吃音は出ていなかったようですが、情報を共有した上で、「吃音が出ていても指摘せずに、見守ってください」とお願いしました。

良くなったりわるくなったり

吃音が一番ひどかったのは一番最初の1~2週間、上に書いたような「体をこわばらせ、力づくで言葉を出そうとしても出ない」時期でした。
この時期は見てるだけで本当に辛くて、思わず「ゆっくりで大丈夫だよ」と言いたくなったし、顔にも心配が出そうになったけど、意識させてしまうことになるので、どうにか耐えました。

その後良くなったり悪くなったりを繰り返す中で

・「あ行」が言えない時期
・「ま行」が言えない時期
・「は行」が言えない時期

等いろんなパターンが出現しました。
非常に興味深く観察していました。
この子の脳みそはいまどうなってるんだろうなあと、何度も不思議に思いました。

なお症状が悪化したりよくなったりの波はありましたが、最初の1~2週間ごろほど症状が酷く出ることはその後二度とありませんでした。
イメージでいうと縄を上下に大きく揺らした時にできる模様のように、大きな上下がありながらも、俯瞰してみるとちょっとずつ波が収まっていっているような感じだったように思います。

体調・メンタルとの連動性

悪化するタイミングのパターンとして感じたのは下記でした。

・風邪を引いたタイミングで悪化し、しばらく長引く
・進級などのストレスがかかるタイミングで悪化する

風邪に関しては喘息も持っているので、風邪をひくたびに
「喘息が悪化しないかな」
「せっかく落ち着いた吃音また出ちゃうかな」と
毎回心がざわざわしていました。

風邪に関しても保育園に通っていると不可抗力なところはありますし、進級など明らかにストレスがかかる時期に関しても、できることは家を安心できる環境にするということぐらいなので、とてももどかしかったです。

普段から割と「問題が生じたら原因を特定して即対処!!」というマインドの人間なので、アクティブにできることがほとんどない、苦しんでいる我が子に微笑みかけるしかできない、という状況は非常に、辛かった。。

娘なりの対処法

吃音が出ていることを意識させないといくら大人が気を付けていても、やっぱり本人も、嫌でも気づきます。
娘は何パターン化の対処法を、状況に応じて使い分けているようでした。

1.口数を減らす
2.ほかの言い回しを使う
3.代替語をあてる

の口数を減らすは想像に難くないと思うのですが、どもるのを聞かれたくないからあんまり喋らない、ということ。
これはお友達と遊びに行った時など、家の外で見られました。
保育園の先生に相談すると、あまり吃音出てる感じしないですよ?と言われることが多かったので、おそらく園でも1の対処をしていたのだと思います。

2のほかの言い回しを使う、は、例えば「あ」行が出にくいとき、「あーちゃんの番!」と言いたいところ「あ・・わたしの番!」と言ってみる。
「いっしょに行こう!」と言いたいところ、手をつないで「い・・こっち!」と言ってみる。
小さいのに色々考えてるんだなあ…と心が痛みつつ、たくましいなあと胸が熱くもなりました。

そして3の代替語は、当時面白くて笑ってしまったのですが例えば「あ」行が言えないとき、「あーちゃん」を「バブちゃん」、「おとうさん」のことを「サンドイッチ」と呼んでいましたw
なんでサンドイッチなのかは割愛しますが、この件に関してはおもしろいな~頭やらかいな~と本当に関心しましたw

5歳児検診

上記のような対処をしながらよくなったり、悪くなったりを繰り返していた娘。
でもまだまだ治ったとは言えないなと思っている時期に、5歳児検診の案内が届きました。
事前に記載するアンケートに吃音のことを記載して当日挑みましたが、何故かいつも相談するタイミングでは吃音は出ない娘w(3歳児健診でもそうだった)
娘の流暢に話す様子に、「今は症状は出てないですね。また症状が強く出たタイミングで気になったら相談してみてください」と言われ、返されました。
私の心境は、うれしいような、ちゃんと見てもらえずに心配なような…

突然の終わり

最近調子よいぞ?今度こそ完治か?と期待しては裏切られを繰り返しながら、年長さんになった娘。発症から3年が過ぎ、タイムリミットの4年目が近づいてきました。
そして迎えた秋。就学前検診の時期です。

検診の案内が来た段階でまだ吃音が少し残っていたので、「そろそろ小学生に上がるけどまだ治ってないし、言葉の教室を検討したほうが良いのかな…」「いや、でももうほぼ大丈夫だし、就学までには治ってると娘の力を信じるべきか…?」
また判断に悩みます。

結局バタバタして特にアクションを起こさぬまま(二人目以降あるある)、就学前検診も特に問題なくさらっと終了しました。
娘は割と元気でどちらかというと自信家で、吃音が落ち着いてきてからは特にコミュニケーションも比較的上手なタイプに進化していたので、まあ、あーちゃんなら大丈夫かな…と自然に任せようと決めた初春

あれ???

気づいたら、数か月吃音が出ていませんでした。
今までは、吃音が出ない時期は長くても数週間ほど。
あれ、これは治ったと思っていいのかな…?
戸惑いつつ、まだぶり返す可能性があるし様子見をしようと思ってさらに1か月ほど
ついに娘自身が言いました
「お母さん、あーちゃん最近、あ、あ、あ、って言わなくなったね!!」
そうだよね!お母さんも思ってたよ!よかったねぇ。と伝えると、
「うん、思ってることをすんなり言えるのうれしい」
と言われました。

そうだよね…本当に良かった。

以前 三島由紀夫の金閣寺という本を読んでいて、(急にどうした)主人公の青年が吃音を持っているのですが、それが人格をゆがめてしまうという描写がありました。当時すでに娘の吃音は始まっていたので、読み進める中ですごくグサッと来たのが「私が言葉が出ない間、私の世界だけ時が止まり、世の中に取り残されてしまう。やっと言葉が出たときにはもう遅くて、周りはすでに前に進んでしまっている」というような描写でした。

もしかしたらあーちゃんも同じように感じていたのかもしれません、私だけ取り残されてしまう、焦りや苛立ち…
その状態から解放されて本当に良かったと思いました。

お伝えしたいこと

お気づきかと思いますが、これは完全にあーちゃん自身の心身の成長により克服したものです。私や周りの大人はただただ見守るということに徹し、アクティブに動くということはまったくしませんでした。それが(私が調べた時点での)吃音対応のセオリーでしたし、怠慢のように感じられますが、やっぱりベストな対応だったのかもしれません。

だらだらと長い記録になってしまいましたが、何より言いたいことは、もしお子さんに吃音がでたら「長い戦いになるかもしれないけど、焦らずお子さんの成長を信じよう」ということです。そして今まさにお子さんの吃音で悩まれている親御さんの参考になればなと思います。親としては、何もできずにただひたすら待つ時期が一番しんどいと思うので、その時の支えになれたらうれしいです。
むろん全員が同じ経過をたどるわけではないですので、一つの例として読んでいただいて、こんな何もしない親の子でも自然に治ったんだな、うちも大丈夫かも?と少し安心いただいて、悩める親御さんがお子さんに対していつもより少し笑顔になれるきっかけになりますように。

そしてみんなの吃音が、治りますように!!!


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