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【展評】土田ヒロミ「ヒロシマ・コレクションー1945年、夏。」(2025.6.28-9.7|中之島香雪美術館)

 大阪の中之島香雪美術館で開催された「ヒロシマ・コレクションー1945年、夏。」は、土田ヒロミが1982年以来40年以上にわたって撮影してきた、広島平和記念資料館が所蔵する被災者たちの衣服、日用の品々などの写真による展覧会である。それらの写真は、すべて白バックで、モノそのものの「記号性を重視した即物的な記録」として撮影されている。そのことによって、写真に向き合うわれわれは、あらためてその細部の視覚的情報を、余分な解釈抜きで直に突きつけられることになる。そのことの衝撃は半端ではない。写真によって精確かつ克明に記録・描写された画像の持つ圧倒的な凄みをあらためて感じることができた。もう一つ重要なのは、写真の一点一点に、その資料にまつわる文字情報が詳細に記されていることだろう。衣服や時計、弁当箱などが、それぞれ誰の持ち物であり、どのような状態で残されていたのかをしっかりと記したテキストを読むと、物言わぬはずの資料が、口を開き、語りかけてくるようにも感じる。写真と言葉を丁寧に組み合わせることで、「語り」の力が最大限に発揮されていた。

レビュアー:飯沢耕太郎


土田ヒロミ「ヒロシマ・コレクションー1945年、夏。」
会期:2025年6月28日(土)〜9月7日(日)
会場:中之島香雪美術館
関連リンク:https://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/exhibition/hiromi-tsuchida/


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