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【展評】土田ヒロミ「俗神」(2025.3.27-6.30|FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館)

 土田ヒロミが1968〜75年に撮影し、1976年に写真集『俗神』(オットーズ・ブックス社)にまとめた写真群は、彼の初期の代表作であるだけでなく、日本のドキュメンタリー写真に新たな領域を切り拓くものとなった。この時期、日本は高度経済成長のまっただ中にあり、伝統的な農村共同体が解体し、社会・文化の都市化、均質化が急速に進みつつあった。土田は、全国各地の祭り、年中行事などにカメラを向け、聖と俗、非日常と日常とが入れ子状態になっているような奇妙な時空に踏み込んでいった。この写真シリーズに登場してくる、「俗神」=土着の俗っぽい神々の姿は、まさにそれ以後も連綿と続いていく日本人のあり方の原型というべきものだろう。1980年代のプリントによる、エネルギッシュな展示を見ていると、80歳代後半を迎えて、なおも意欲的に新たなプロジェクトに取り組もうとしている土田の写真作家としての基本的な姿勢が、本作によって確立されたことがよくわかる。

レビュアー:飯沢耕太郎


土田ヒロミ写真展「俗神」
会期:2025年3月27日(木)~6月30日(月)
会場:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
関連リンク:https://fujifilmsquare.jp/exhibition/250327_05.html


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