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シェアハウスの備品発注システムの見直し――「表記揺れ問題」をAIと壁打ちしてGASど素人が新システムを組んでみた。

「『洗剤お願いします』……。あの、洗剤にもいろいろありますけど、何の洗剤ですか?💦」

弊社ではシェアハウスで使う消耗品類は、こちらで発注し現地に届くよう手配する仕組みになっています。入居者さんが備品が少なくなってきたら物件に掲示してある「備品発注リスト」に従ってLINE公式アカウントのリッチメニューに「備品発注」ボタンを作り、備品発注窓口からオーダーを行っていただきます。

これが物件に掲示してある発注品目のリスト
QRコードはLINEの備品発注窓口のリンクになってます
これが入居者専用LINE公式(総合窓口)
リッチメニューの右上の部分が備品発注窓口があります
ここからリストにある番号もしくは品目を送ってもらうといった仕様

今回は現行の仕様についての問題点と、AIと壁打ちして導き出した新たな仕様での課題解決の記録を記事として公開します。


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1. 現状の問題。LINEというコミュニケーションツールならではの要因と仕様の限界

LINE自体はほとんどの入居者さんが使っているコミュニケーションツールです。これを各種窓口として使えるLINE公式アカウントは非常に便利です。
用途別でリッチメニューを設定して、効率的なメッセージ応対を実現しています。これに対しては不満はないのですが、備品発注において管理業務を難しくさせていた2つの問題点が常にありました。

「表記揺れ」問題

LINE公式のリッチメニューから届くメッセージ。そこには、自由記述によるものなので入居者さんからのメッセージ内容がわかりにくく、再度内容の確認を行う必要があったのです。

「LLC〇〇洗剤が切れました」←何の洗剤??
「LLC△△です、ワイパーシートお願いします」←ドライ?ウェット?
「すみません、洗剤送ってください(物件名なし)」←どこの入居者さん?
「キッチンマジックリンお願いします」←品目にないんだよなぁ、もしかしてトイレマジックリンかバスマジックリンかも・・・

🤔

全物件の入居者さんが自由にテキストを送れるので、独自の認識でオーダーを送ってくる。それを受け取るたびに、品目リストと照らし合わせオーダー表に入れなおす。何気に疲れる場面ですね💦
LINE公式アカウントには20品目に及ぶものをリスト表示してオーダーできる仕組みがないのが地味に痛いです。

連発メッセージ

入居者さんからの備品のオーダーは出来るだけまとめて発注をしていただくようお願いしています。1つのメッセージでまとめてもらえると有難いのですが、品目が連発でやってくるケースもあります。

自分で再現してみました

ビジネスメールなどで内容を小出しで連発していると大問題です。
おそらくこれは、LINEというコミュニケーションツールが個人利用の中で日常的に使われている為、伝達内容が日常会話レベルの感覚になってしまっているのだと思います。あくまで入居者さんが悪いとは思っておらず、LINEというツールの良い面と悪い面があって悪い面が業務上際立ってしまっているという認識です。

ツールとツールの間を「手作業」でこなしていく非効率な作業。
今後AIエージェントで発注までを自動化させるためにもなるべく人手で済ませる作業ではなくシステムで解決させる仕様にしていきたいところです。


2. LINEチャットの完全廃止。あらたな仕様をAIと壁打ちして決める。

この課題から脱却するため、私はAIと運用を根底から変える決意をしました。 まず、LINE公式アカウント経由でのテキスト入力による発注を一切禁止にして品目ごとにチェックをして送信してもらえる独自のGoogleフォームをGASで作成する事にしました。

全物件共通のGoogleフォームにする方が作成は楽なのですが、入居者さんが物件選択を誤って発注した場合を想定すると最悪です。
なので最初から各物件の名前が「固定」で入力されている物件個別のURLを作成、QRコード化して各物件の備品発注リストに掲示する事にしました。

【ここがポイント】
入居者さんが物件名を選ぶ必要すらありません。開いた瞬間、そこには既に「LLC-HOUSE〇〇」と記載されている。品目のみを選んで「送信」を押すだけです。

完成したGoogleフォーム
Geminiが作ってくれました✨

これで、表記揺れは入り口で100%シャットアウトされました。


3. フォーム作成の更にその先。AIが今よりも便利にしてくれました

フォーム作成だけでは終わりません。次はもっと便利になる「仕組み」です。私はプログラミングのプロではありません。自称「ど素人」です。しかし、私には最強の相棒がいました。生成AIです。

AIに私の要望を伝えます。
「オーダーはカレンダーで目視確認しているけど、カレンダーを汚したくない」
「オーダー受付と同時にSlackに通知を飛ばしたい」
「シートの管理を楽にしたい」
AIは即座に「コード(GAS)」へと変換していきます。

そこで決まった、「LLC-HOUSE・発注管理2.0」がこちらです。

1. 物件の「性格」でフォームを分ける

以前記事で書きましたが、シェアハウスの台所にある水切りカゴを水切りマットにして食器が溜まらなくなる試みを運営中の物件に徐々に展開しています。これに伴って備品の品目に少し変化が出てきています。

運営しているシェアハウスが28棟もあるので、今までの発注品目の「フォームA」と、水切りマットへ移行した物件の「フォームB」に分割。移行に合わせて随時フォームBへスムーズに切り替えができるようにしました。

2. カレンダーを「汚さない」

28棟分の予定(発注依頼)がバラバラに表示されたら、他の重要な予定が見えなくなります。今まではGoogleカレンダーの最上部にある終日枠を使って見逃しを防いでいました。

Googleカレンダー上部のこの枠。1か月の期間で終日設定にして見逃しを防止してました

そこで、その日に来るオーダーをすべてGASが自動的に「🚚🔔」という一つのアイコンの中に集約。クリックすればその日の全リストが見えるようにしました。しかも予定に埋め込まれたリンク一つで最新の台帳(オーダーリスト)へ飛べます。

ここまで自動でやってくれるの感動的ですね

3. 発注後の消込みはポチっとで終了

発注が終わってチェックボックスをポチッと押せば、その行は自動的に「発注完了分」シートへワープ(消し込み)される。出先でパパっと発注を済ませてサクッとデータ管理まで出来る。完璧ですね!

発注が終わったら右端の▢にチェックを入れると・・・
自動で発注完了分へ移動してくれます!

4. Slack通知設定での技術の壁。ど素人ならではの困難があった

次は入居者さんからのオーダーが入ったらSlackで通知してくれる仕組みを実装です。しかし、この作業はサクサクいきませんでした。
Slackの「Webhook URL」を取得しようとするだけで、ブラウザとアプリの間で繰り返されるログインの無限ループ。
「なんじゃこりゃ???」と、AIに何度か状況説明。

原因は至って簡単でした。一番の要因は、「ブラウザにログインしている複数のアカウント」がSlackの認証システムを混乱させていたことでした。

AIの「Chromeをシークレットウィンドウで開け」という一言で、エラー400が消えた瞬間が今でも忘れられません。
また一つシークレットウインドウが役に立つことを学びました。


5. メチャ楽になった。これから現場(物件)へ実装!

システムは完成しました。 これから順次すべての物件を回り、掲示物を新しいQRコードへと貼り替えるという、壮大な物理作業に突入します。

全物件掲示物を差し替えて4月からはこの仕様で運営開始予定です。
ここまでかかった期間はおよそ数日程度。それも夜帰宅してから数時間海外ドラマを見直し程度で流し見しながらです。久しぶりにケヴィン・スペイシーを見たくなったのでこちらを見ました。

製作総指揮がデヴィッド・フィンチャーなのでダークかつ繊細な雰囲気が夜のコツコツした作業にちょうど合ってましたね。
ちなみにNetflixのアプリ起動や作品再生時に流れるおなじみのサウンドロゴ「ダダーン」はハウスオブカードのドラマ内でケヴィン・スペイシーが指輪で机を2度叩くシーンの音が由来とも言われていますね。


おわりに:些細なこともAIにぶつけてみて

この体験を通じて分かったことがあります。 「ど素人」が自動化を成功させる鍵は、プログラミングを学ぶことではありません。「自分の現場で、何が一番ストレスか」を洗い出して、AIにぶつけるです。

きっかけは「表記揺れ」という些細な業務ストレスです。課題をしっかりと構造化してAIに問いかけてみる。そうすればストレスを解消させるだけでなく、もっと便利にアップデートできる提案をAIがしてくれます。

そして自動化で浮いた時間は、入居者さんとの対話や、物件のクオリティを上げるための構想に使えるのは素晴らしい事だと思います。
この感動が冷めやらぬうちに今もう一つ業務の効率化をAntigravityと進めています。その内容も追ってご報告しますのでどうぞよろしくお願いします。

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