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#411 今さら聞けない「バイオ燃料」とは?

「バイオ燃料」という言葉を聞くと、多くの人は、

「植物から作った燃料だけで車が走る」

というイメージを持つかもしれません。

しかし実際には、現在のバイオ燃料はそこまで単純なものではありません。

そもそもバイオ燃料とは何か

バイオ燃料とは、植物などの生物資源(バイオマス)から作られる燃料のことです。

代表的な原材料としては、

・トウモロコシ
・サトウキビ
・菜種
・パーム油

などです。

これらを加工して、バイオエタノールやバイオディーゼルといった燃料を作ります。

最近では、「脱炭素」や「環境にやさしいエネルギー」として注目されることも増えています。

バイオ燃料で走る車もガソリンで走っている?

実は、多くの人がイメージしている「バイオ燃料」は少し誤解があります。

「バイオ燃料で走る車」と聞くと、

「植物から作った燃料だけで車が走っている」

というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

しかし、現実には、日本で使われているバイオ燃料の多くは、「ガソリンの代わり」ではなく、「ガソリンに少し混ぜる」という形で利用されています。

たとえば日本では、バイオエタノールを原料にした「ETBE」という物質をガソリンに混ぜています。

しかし、その割合は数%程度です。

つまり、現在の日本では、「車の燃料がバイオ燃料に置き換わっている」というより、

「いつものガソリンに、少しだけ植物由来の成分を混ぜている」

という方が実態に近いのです。

一方、ブラジルでは事情がかなり違います。ブラジルでは、サトウキビ由来のバイオエタノールを20〜30%以上混ぜることも珍しくありません。

さらに、「E100」と呼ばれる、ほぼ100%バイオ燃料で走る車まで存在しています。

「バイオ燃料」と一言で言っても、日本のように「数%だけ混ぜる国」もあれば、ブラジルのように本格的に利用している国もあるのです。

なぜバイオ燃料は「環境にやさしい」と言われるのか?

では、なぜバイオ燃料は環境にやさしいと言われるのでしょうか。
ここも、多くの人が誤解しやすいポイントです。

実は、バイオ燃料も燃やせばCO2を排出します。
「植物由来だからCO2が出ない」というわけではありません。

では、なぜ環境にやさしいと言われるのでしょうか。
それは、「植物は成長するときにCO2を吸収しているから」です。

たとえば、石油を燃やすと、地下に閉じ込められていた炭素が新たに大気中へ放出されます。

一方、バイオ燃料の原料となる植物は、成長の過程でCO2を吸収しています。

つまり、

植物が成長時にCO2を吸収

燃料として燃やす

CO2を排出

という循環になるため、「大気中のCO2を極端には増やしにくい」と考えられているのです。

この考え方は、「カーボンニュートラル」と呼ばれています。

もちろん、実際には輸送や加工でもCO2は出るため、「完全にゼロ」というわけではありません。
それでも、石油だけを使い続けるよりは環境負荷を減らせると期待されています。

バイオ燃料は本当に環境にやさしい?

もっとも、バイオ燃料には大きな問題点もあります。
その一つが、「森林破壊」です。

バイオ燃料の需要が増えると、原料となる作物を大量に育てる必要があります。
そのため、一部の地域では、

・熱帯雨林を伐採する
・農地を拡大する
・自然環境を壊す

といった問題が起きています。

特に問題視されているのが、東南アジアのパーム油です。
パーム油は、バイオ燃料や食品など幅広く利用されています。
しかし、アブラヤシ農園を広げるために森林伐採が進み、

・野生動物の減少
・CO2吸収源の消失
・大規模火災

などが問題になっています。

つまり、「環境にやさしい燃料」を作るために、逆に自然を壊してしまうという本末転倒な現象が起きているのです。

「環境にやさしい」だけでは語れないバイオ燃料

バイオ燃料は、「石油の代わりになる未来のエネルギー」として期待されています。
実際、CO2削減や脱炭素の観点から見ると、一定のメリットはあります。

しかし一方で、

・森林破壊
・食料価格への影響
・大規模農業による環境負荷

など、さまざまな課題も抱えています。

つまりバイオ燃料は、「完全に環境にやさしい夢の燃料」というより、「環境問題と経済問題が複雑に絡み合ったエネルギー」と言えるのです。

【目次】

【参考】

資源エネルギー庁「ガソリンのカーボンニュートラル移行に欠かせない「バイオエタノール」とは?」

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