「優しすぎる社長が会社を壊す」──感情よりルールで動く組織のつくり方
識学で読み解く、社員とのちょうどいい距離感とは?
さて、ここまで息子の失恋をダシに(笑)
「経営者と社員の距離感とは?」を考えてきたけど、
結論を体系的に整理すると 識学(=感情を排した組織論) に行き着く。
これ、聞いたことある人も多いと思う。
「感情に頼らず、ルールと責任範囲で組織を動かす」ってやつ。
いわば“昭和の根性論”と“ゆとりの共感主義”の中間にある第三の思想だ(笑)。
感情ドライブと識学ドライブの切り替え方
──社長はいつ「熱血モード」から「構造モード」に変わるべきか?
識学の話を進める前にまず俺の考えを伝えたい。
俺はいろんな会社を見てきた。
小さいところから、IPOを狙う、もちろん上場会社にもいた。
各社文化があり、良い面も悪い面もある。
完璧な会社はそもそもないんだな。
で、ある日ふと思った。
「識学的な組織運営って、万能じゃないよな」と。
あれはサウナの温度設定みたいなもので、
入るタイミングを間違えると、
社員はのぼせるか、逆に凍える。
創業フェイズは“熱血スープカレー”でいい
創業して、社員10人前後。
「おい、今日も全員で走るぞ!!!」
──このノリが一番効く。
たとえるならスープカレー屋の厨房。
油はねも火傷も日常茶飯事。
でも、みんなで「うまいの作ろう!」って熱中してる。
この時期に識学を入れると、たぶんこうなる。
社長「指示系統を明確にする!」
社員「いや、そもそも鍋の場所わかりませんけど?」
そう、混沌こそが推進力。
“ルールより勢い”で突破すべき時期が、確実にある。
創業フェイズは混沌を楽しみルールを作るフェイズだ。
合理的で論理的はその名の通り正しい。
ただ、正しいから人が動くわけではないんだな。
成長フェイズで起きる「ぬるま湯事件」
でも、会社が30人を超えると話は変わる。
「社長が全部見てる」が、もう物理的に無理になる。
俺の会社もそうだった。
“阿吽の呼吸”で動いていたチームが、
ある日から急にズレ始めた。
「それ、誰が決めたんですか?」
「いや、なんとなく……」
──なんとなくの地獄である。
この時期、社長はよくこう思う。
「なんか最近、会社の温度が下がってきたな」
でも実際は違う。
温度がムラになってるのだ。
識学は“冷却装置”じゃなく“温度均一化マシン”
識学というと、みんな「冷たい」と誤解する。
違うんだ。あれは“冷やす”んじゃなくて“均す”。
熱くなりすぎた場所を落ち着かせ、
冷めてる場所に温度を伝える。
つまり、組織の熱伝導システムなんだ。
たとえば、社員が50人を超えるとこうなる
Aチーム:情熱型。深夜までSlackが光る。
Bチーム:定時型。昼休みは静寂。
社長:「え、同じ会社だよね?」
この温度差を放置すると、評価の不満が出る。
「Aは頑張ってるのに」「Bはラクしてる」とかね。
だから識学的なルール(役割・責任・成果基準)を入れる。
すると不思議と、みんな冷静になる。
「そうか、Aは営業、Bは運用。温度が違って当然だ」と。
感情を止めずに識学を入れる“技”
感情の火を完全に消すと、会社は灰になる。
だから識学を導入するときのコツは、順番だ。
まず、目的を語る(ビジョン)
次に、ルールを設ける(仕組み)
最後に、感情を添える(共感)
「まずルールだ! はい、従って!」
→ 反発。
最強はこの順番:構造 → 熱量 → 感情。
ルールで支え、熱で動かし、感情で潤す。
俺が見た「識学を入れるタイミング」
俺の経験だと、社員が30人を超えたあたり。
この時期から、感情ドライブだと息切れする。
IPOやM&Aを見据えるなら、早めの識学接種がおすすめ。
なぜなら、後から入れるほど痛い。
(例:文化衝突、古参反発、Slack炎上)
早い段階でルールを整えれば、
あとで「うちは最初からこれだよ」で済む。
まさに小さいうちに予防接種。
感情ドライブと識学ドライブのハイブリッド
結局のところ、
経営って「熱」と「構造」のバランスだと思う。
熱だけ:暴走して燃え尽きる。
構造だけ:冷え切って止まる。
理想はこうだ
感情がエンジン、識学がハンドル。
どっちが欠けてもクラッシュする。
識学は“信頼を守るための冷静さ”
感情は、人を惹きつける。
でも、信頼を積み上げるのは一貫性だ。
識学は「冷たくする」ためじゃない。
“誰が見ても同じ判断ができる仕組み”をつくるため。
だから俺は今も、
朝礼では熱く、
会議では冷静に、
Slackでは既読スルー気味に(←おい)。
では改めて具体的に説明してみよう。
「上司と部下は“役割”であって、“親子”ではない」
まず大前提。
社員は「家族」ではない。
この言葉を出すと賛否両論あるけど、識学的には完全NGワード。
だって「家族」って言葉には“甘え”がセットでついてくる。
「社長は私の気持ちをわかってくれるはず」
「社長も頑張ってるから私も頑張らなきゃ」
……これ、聞こえは美しいけど、感情経営の入り口。
感情に頼ったマネジメントは、最後に全員燃え尽きる(笑)。
役割=契約。
社長は「方向性を示す人」、社員は「成果を出す人」。
ここを混ぜない。これが“距離感の起点”だ。
「共感より、ルール」
識学の鉄板フレーズがこれ。
「共感は一時的、ルールは永続的」。
社長が「俺も昔は大変だったよ」って言えば、社員は一瞬“救われた気”になる。
でも翌日にはこう思う。
「で、うちの有給っていつ取れるんでしたっけ?」
──現実に戻る(笑)。
共感はガス抜きにはなるけど、仕組みにはならない。
だから、
会議ルール
評価ルール
権限ルール
を“感情”ではなく“構造”で整えること。
社長の気分で昇格・減給が変わる会社は、恋愛で言うなら気分屋彼氏みたいなもんだ(笑)。
「信頼ではなく“信用”を積む」
経営者の中には「社員との信頼関係が大事だ!」という人も多い。
もちろん大事。
でも識学的には“信頼”より“信用”。
信頼=感情
信用=仕組みと実績
たとえば社長が「信頼してるよ」と言っても、
翌月に評価が不透明なら、「それ、口だけじゃね?」ってなる。
でも数字やルールで示せば、「あ、この人、筋が通ってる」になる。
つまり恋愛で言うなら、
「好きだよ」より「結婚資金の通帳見せてくれ」のほうが信頼できる(笑)。
「“距離が近い”=心理的安全ではない」
最近よく聞く「心理的安全性」。
「みんなが自由に発言できる職場がいい!」という考え。
でも識学的に言えば、
“自由に発言できること”と“距離が近いこと”は別。
距離が近すぎると、「上司の顔色を読む」職場になる。
発言はあっても、本音は出ない。
ほんとの心理的安全って、
「ルールと権限が明確だから、何を言っても人格攻撃されない」状態。
つまりサークルノリではなく、プロチームの関係性。
仲良しこよしじゃなく、「役割でつながる信頼関係」。
「感情に踏み込まない優しさ」
距離を取る=冷たい、ではない。
むしろ識学では、「感情に踏み込まないことこそ優しさ」だと考える。
例:社員がミスしたとき
感情型社長:「なんでそんなことしたんだよ!」
放任型社長:「まあ仕方ないよ、ドンマイ」
識学型社長:「何がルールとズレていた?」
一見、冷静すぎるように見えるが、これが一番再現性がある。
怒っても慰めても、結果は変わらない。
でも“構造のズレ”を正せば、再発防止になる。
これはまさに「恋愛で喧嘩したときに、論理的に整理する彼氏」。
ムカつくけど、後から感謝されるタイプ(笑)。
「社長は“共感装置”じゃなく、“方向指示器”」
社長の役割は「みんなの気持ちを理解すること」ではなく、
「みんなを正しい方向に導くこと」。
共感より、方向。
感情より、構造。
涙より、数字。
言葉にすると冷たく聞こえるが、社員にとっては“安心できる距離”。
まるで新幹線の運転士。
車内アナウンスは淡々としてるけど、めちゃくちゃ安心できる。
逆に「みんな!今日も愛してるぜぇぇ!!!」ってテンションの社長がいたら、
たぶん社員は次の駅で降りる(笑)。
「識学×人間味=最強」
とはいえ、識学の教科書を丸呑みして“ロボ社長”になるのも違う。
距離は構造で決めても、関係性の熱量は人間で決まる。
つまり「識学8割+人間味2割」くらいがちょうどいい。
社員からすれば、
「ルールで守られてる安心感」と
「時々漏れる社長の優しさ」で、
“信頼できる上司”になる。
まるで冷静なカカシ先生が、たまに微笑む瞬間みたいなもの(笑)。
あの“たまに見せる人間味”が一番効く。
社長は愛されなくていい、尊敬されればいい
識学的にまとめると、
経営者は「愛される存在」ではなく「信頼される構造体」。
社員が社長を好きになる必要はない。
でも、社長が作った仕組みを信じられる会社は強い。
つまりこうだ
愛され社長 → 飲み会では盛り上がるが、数字は赤字
尊敬され社長 → 飲み会には呼ばれないかもしれないが、業績は黒字
どっちがいい?
俺は迷わず後者だ。
最後に息子へ(笑)
息子よ、恋愛も経営も距離感がすべてだ。
近すぎても、遠すぎてもダメ。
そして何より大事なのは、「ルールを作って守ること」。
恋愛の識学があるなら、間違いなくこう書いてある。
「LINEの既読スルーはルール違反」
「感情で別れを切り出すな」
「関係の継続には明確なKPIを設定せよ」
……いや、ロマンなさすぎる(笑)。
でもそれくらい、「構造と距離感」は人間関係の根幹なんだ。
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