エクセルを眺めるだけで5万円。存在給が貰えるオフィスという異世界。
コンサル先って言うと、なんかこう、
黒いスーツに白い歯で「御社のKPIはですね」みたいな感じがするけど、
実態はアルバイト先である(笑)
俺の場合、コンサル先=アルバイト先。
もっと言うと、時給制の知的肉体労働である。
カッコよく言えば「経営支援」。
正直に言えば「時間を切り売りしてるおじさん」。
コンサルって言葉、便利すぎるんだよね。
ラーメン屋の「本日のおすすめ」くらいフワッとしてる。
実態はというと、
・Excelをいじる
・話を聞く
・たまに偉そうなことを言う
・そして時間が来たら帰る
はい、アルバイト。
しかもなにが悲しいって、
「コンサルです」って言った瞬間だけ、
自分がちょっと偉くなった気がするところ。
でも請求書を見ると一気に現実に引き戻される。
あ、これ時給換算できるやつだって。
結局のところ、
俺は“御社の未来を変える存在”じゃなくて、
“その日のシフトに入ってる人”なんだよね。
でも不思議なもので、
それをちゃんと自覚してる方が、
変に気取らなくていいし、
「アルバイトなりに全力出すか」って腹もくくれる。
コンサルって言葉で自分を盛るより、
「時間で金もらってるだけです」って思ってた方が、
逆にいい仕事できる気がしてる今日この頃。
営業研修やったり、経営戦略の話をしたり。
たまに「ここ、意思決定ミスったよね〜」みたいな、
失敗の将として呼ばれている。
勝ちパターンを語るより、
「ここで調子乗りました」
「ここで見栄張りました」
「ここで人を信じすぎました」
みたいな話の方が、なぜかウケがいい。
人は成功談より他人の負けが好きなんだ。
俺も好きだ。
さあ、一緒に働こう!
そんな中、アルバイト先からこんな連絡が来た。
「いつもペーパーワークや研修も助かってます。
よかったら、今度オフィスで一緒に仕事しませんか?
社長辞めた郎さんと働きたいってみんな言ってます!!」
……むむむ。
久しぶりに、人がたくさんいる場所。
HSPの俺、脳内で警報が鳴る。
「人、多い」
「声、多い」
「光、強い」
「逃げ場、少ない」
一瞬で五感フル稼働。
CPUが焼き切れる未来が見える。
全く人に触れてないわけじゃないが、研修とは異なる
「研修やってるなら大丈夫じゃない?」
って思う人、多いでしょ?
全然違う。
HSP的には、研修=こちらが主導権を握るイベント。
・話す内容は決まってる
・質問も想定内
・流れはシナリオ通り
・脳は一点集中
例えるなら、舞台に立つ役者。
スポットライトは眩しいけど、
客席は暗い。
世界はシンプル。
一方、オフィス。
・知らん人がいる
・知ってる人もいる
・電話の声
・雑談の声
・キーボードの音
・空調の音
・誰かのため息
情報量、洪水。
しかもオフィスが必要以上に明るい。
白。壁も床も白。
HSP的には太陽の表面。
目がチカチカする。
脳がザワザワする。
魂がじわじわ削れる。
「それなら行かなくていいやん」
正論。
だが俺はこう思った。
久々に“大企業の空気”を吸いたい(笑)
こんなアホな考えが出ていた。
人と会うのは嫌いじゃない。
ただし、めちゃくちゃ疲れる。
そして、ここで最重要情報。
日給五万円。
はい、行きます。
むしろ走ります。
HSP?
そんなものは五万円の前では一旦黙らせる。
オフィス到着。文化が違う。気圧も違う。
オフィスに入った瞬間、情報量で殴られた。
人の声、キーボード音、通話、Slackの通知、社内無線、
あと“なんか急いでる人”。
久しぶりだな。
HSPって、視覚情報の飽和だけで体力10%削られるんだよ。
明るすぎる蛍光灯でさらに−5%。
席に案内されるまでにHPは黄色ゲージだ。
ただ、今回は味方がいる。
いつものパートナーが近くの席を確保してくれた。
ありがたい。あの人がいなかったら入口でUターンしてた。
さて作業。30分の仕事。以上。
本来のミッションは例のタスク。
例のタスクとは“エクセルに数値入れて報告書に貼る系”。
この仕事、普通にやると30分で終わる。
1時間じゃない、30分。
就業スタート直後に終了。
世の中の研修会社とかDX会社はこれを“業務効率化”と呼ぶが、
俺からすると“バイト削減”に直結する恐ろしい技術だ。
ここからが本番。営業部の青春が始まる。
作業中、声が飛んでくる。
「社長辞めた郎さん、相談いいですか?」
「ロープレお願いします!」
「商談壁打ちしたいです!」
「ここの言い回しどうですか?」
なんだこれ、青春か。
営業部って、部活感があるんだよな。
バスケ部のフットワークとか、吹奏楽部の息合わせとか、
あれと本質は同じ。
ただ扱ってるのがKPIと法人営業ってだけ。
リアル商談にも同席してその場でフィードバック。
即興でダメ出しできるのって、
料理で言うと“味見した瞬間に塩振れる人”と同じで、
職業病の一種だと思う。
喫煙所は情報ハブ
昼食を挟んで相談ラッシュ。
ただ、周りに聞かれたくない相談内容もあるっぽい。
営業って恋愛と同じで、相談が意外とプライベート。
なので喫煙所に移動。
俺はタバコ吸わないが、喫煙所には文化がある。
喫煙所は戦場であり、外交であり、司法であり、取締役会議である。
・愚痴(主食)
・社内政治(副菜)
・競合の噂(デザート)
・恋愛の話(隠し味)
・上司の評価(酒)
全部ここで処理される。
Slackなんかより遥かに即時性が高い。
プロダクトの意思決定より早い。
喫煙所こそ民主主義の最終形態だと思う(比喩じゃなくガチ寄り)。
ラウンジで社会性と戦う
喫煙所→相談→商談→また相談。
気がつけば情報処理能力の限界突破。
ここらでラウンジに避難。
HSPにとってラウンジはセーブポイント。
椅子に座るとMPが回復する。
本当は炭酸飲みたい。
自宅なら迷わずコーラかジンジャーエール(笑)
だがオフィスには“社会性”という制圧力がある。
社会性はこう囁いてくる。
「コーヒーにしとけ。大人はコーヒーだ。」
無言の校則。非公式ルール。
なのでコーヒー。
人格を脅迫するのがオフィス文化。
気づけば定時。謎の充実感。
気づけば定時。
案件やって相談乗って昼食食って喫煙所行ってまた相談。
「良かったらご飯行きません?」
誘いまで来た。
大企業が久々の俺としては
この“飯誘い文化”は久々で目頭が熱い。
そして問題の本題に戻る
さて。
本題はここからだ。
本来のデスクワークは30分で終わった。
残り7時間+α、俺は何をしていたのか。
答えはシンプル。
何もしてない。
しかし、極めて忙しそうにしていた。
忙しいフリは高度な仕事
人類はスマホと出会い“見た目稼働”という概念を獲得した。
オフィスはその応用だ。
俺がやったこと:
・エクセルを開く
・数字を見る
・スクロール
・フィルターキャンセル→再フィルター
・セルをクリック
・深刻そうな顔
・ため息
・タイピング(音だけ)
中身ゼロ。
しかしこれは“仕事”として成立する。
ここで経済学の話をしよう
自宅でこれやったらどうか。
終了→散歩
報酬→1時間分
生産性→高い
経済→健全
オフィスでやるとこうなる。
終了→相談→雑談→喫煙所→相談
報酬→日給5万円
生産性→壊れる
経済→謎
違いは何か?
スキルでも努力でも成果でもない。
答えはこれ。
存在給
存在給とは
存在給とは、
そこに存在することそのものに対して発生する対価
人に声をかけられ
質問され
話を聞き
空気を読み
雰囲気を揃え
たまに役に立つ
これ全部、フリーランスには無い概念だ。
存在給は地味にしんどい
言っとくけど存在給は楽じゃない。
“ずっと誰かに見られてる空間で黙る”って
精神消耗がすごい。
家なら10倍作業できる。
ただ存在給は10倍金になる。
このトレードオフが人間の働き方の本質だと思う。
・家→最強の生産性
・オフィス→最強の存在給
HSPにとって家は神殿。
オフィスは戦場。
戦場には報酬がある。
だから俺は言う。
値段が合えば行く。
それ以上でも以下でもない。
そして俺の旅は続く
こうして俺は
・M&Aフォロー
・M&A買い手サポート
・採用っぽいやつ
・時々オフィス
という“暇なのに忙しい”状態に突入した。
どっちやねん。
でも面白いから良い。
そして疲れるから良い。
多分こういう働き方は令和に合ってる。
俺の旅は終わらない。
次はどのオフィスで、どのエクセルを開くのだろう。
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