6月の日本株市場②(中野冷機、ヒューリックと鉱研工業、CALTA HOLDINGS、日本コンセプト)
A:6月16日に丸の内キャピタル(三菱商事の完全子会社)が中野冷機(6411)に対するTOB(完全子会社化を目的)を発表。丸の内キャピタルはジョイフル本田や成城石井などに投資してきたファンド運営会社。一方、中野冷機は冷凍・冷蔵設備機器の専門メーカー。東証スタンダード市場に上場しTOB公表前の時価総額は約300億円。同社の筆頭株主はアイング株式会社で33.19%を保有。アイングはビルメンテナンス事業を手掛ける会社です。
T:ただし、TOB完了後にアイングは丸の内キャピタルが運営する特別目的会社(SPC)に再出資する。中野冷機への出資比率は最大で49.9%になり、その場合、丸の内キャピタルの出資比率は50.1%になるとのこと。結果的に、アイングの出資割合がより大きくなる形。
A:第2位株主は中野冷機取引先持株会で7.23%。従業員が報われますね。
T:同日、ヒューリック(3003)が鉱研工業(6297)に対するTOB(完全子会社化を目的。TOBは7月29日に成立)を公表。ヒューリックは大手の不動産デベロッパー。東証プライム上場で時価総額(8月8日時点)は約1.2兆円。2024年にはレーサム(上場廃止)を買収。一方、鉱研工業はボーリング機器のトップメーカー。東証スタンダード市場に上場。TOB公表前の時価総額は約47億円。TOB価格は6月13日の終値に対して43.61%のプレミアム付き。筆頭株主は日立建機(6305)で9.23%、第2位はエンバイオ・ホールディングス(6092)で9.04%、第3位は鉱研工業取引先持株会で6.87%。第8位の鉱研従業員持株会も1.32%を保有する。
A:不動産デベロッパーのヒューリックがなぜ、鉱研工業を買収するのでしょうか。
T:ヒューリックは高級温泉旅館「ふふ日光」(栃木県日光市)の温泉掘削や物流倉庫の井戸掘削で鉱研工業と取引がある。地熱発電の工事をはじめ、旅館の温泉や地下水施設の施工・メンテナンスなどでの相乗効果を見込んでいる模様。
A:TOB公表前の時価総額はわずか47億円。小粒すぎる上場企業がまた1社減りますね。
T:同日、NTTドコモはCARTA HOLDINGS(3688)に対するTOBを発表。CARTA HOLDINGSは広告プラットフォーム会社で、デジタル広告事業を手掛ける。電通グループ(4324)の上場子会社(53.13%を保有)で東証プライム市場に上場。TOB公表前の時価総額は約390億円。第2位株主は宇佐美 進典氏(同社代表取締役 社長執行役員兼CEO)で7.39%を保有する。
A:NTTドコモは5月29日に住信SBIネット銀行に対するTOBを発表したばかりでした。
T:今回のTOBを通じて、CALTA HOLDINGSの株主はNTTドコモと電通グループのみになる見込み。住信SBIネット銀行の場合も、株主はNTTドコモと三井住友信託銀行の2社のみになる予定。
A:NTTドコモは相次ぐTOBを実施しているものの、2社ともに完全子会社にはしないのですね。
T:なおCARTA HOLDINGSの非公開化後、NTTドコモは子会社のD2C社(電通グループも出資)を、株式交換を通じてCALTA HOLDINGSの完全子会社にするとのこと。この取引を行ったとしても、NTTドコモがCALTA HOLDINGSの過半数を確保することで電通グループと合意している。
A:6月30日に日本コンセプト(9386)がMBOを発表。同社は化学コンテナタンク輸送サービス会社。商船三井(9104)の持分法適用関連会社(29.0%を保有する筆頭株主)で東証プライム市場に上場。第2位株主は同社の創業者であり、代表取締役社長を務める松元孝義氏で21.17%を保有。国内の独立系投資会社(主としてプライベート・エクイティ投資)のJ-STARと組んでの案件で、J-STARが過半数を保有します。

