オリックス(8591)とアセンテック(3565)、創建エース(1757)、オルツ(260A)
A:これまた少し前の事案ですが、6月16日にオリックス(8591)がアセンテック(3565)に対するTOB(完全子会社化を目的)を発表。オリックスは国内最大手の総合リース会社。東証プライム市場に上場し時価総額(8月8日時点)は約4.3兆円。オリックスがTOBを行うのは7年ぶりです。アセンテックは仮想デスクトップ(VDI)のソリューションベンダー。東証スタンダード市場に上場で、TOB公表前の時価総額は約210億円。筆頭株主は永森信一氏で23.45%。第2位株主は佐藤直浩氏(同社取締役会長)で10.58%、第4位株主は松浦崇氏(同社代表取締役社長)です。
T:オリックスは筆頭株主の永森信一氏などとTOBへの応募に関して合意を取り付けていたものの、8月5日にTOB不成立を発表した。アセンテックの株価は8月5日に下落したものの、その後大きく上昇している。TOBによる上場廃止が見込まれていた際の株価よりも150円ほど高い水準。オリックスは同社の子会社化を断念するものの、資本業務提携など協業を検討する模様。
A:なぜオリックスがアセンテックを買収しようとしたのでしょうか。
T:オリックスはシステム会社(アプレシアシステムズ)を2020年に買収。同社の商品とアセンテックのソフトを併売することなどの相乗効果を見込んでいた模様。
A:これまた少し前の案件ですが、6月30日に創建エース(1757)が監理銘柄(審査中)に指定されました。同社は建設を中心とする事業持株会社で東証スタンド市場に上場。8月8日時点で株価は14円、時価総額は42億円です。7月25日に東証グロース市場に上場するオルツ(260A)が粉飾決算(過去の決算で計上した売上高の9割が過大計上)を公表。同日、東証はオルツを監理銘柄(審査中)、7月30日には整理銘柄に指定し8月31日に上場廃止予定です。創建エースも同じ道をたどりそうですね。
T:創建エースに関する東証資料によると「上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合に該当すると認められる相当の事由があり、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であると当取引所が認める場合に該当するおそれがあると認められるため」監理銘柄(審査中)に指定したとのこと。
A:指定の理由として「株式会社創建エース(以下「同社」という。)は、同社子会社と特定取引先との取引の実在性及び当該取引先に対する債権の資産性についての疑義の調査を目的に設置した特別調査委員会より調査報告書を受領し、過年度の決算への影響額(概算)などが明らかになるとともに、過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出を行う予定である旨などについて本日開示を行いました。当取引所としては、同社の開示内容から、有価証券報告書等を訂正する内容が重要と認められることから、同社が虚偽記載を行った場合に該当すると認められる相当の事由があると判断しました。そのうえで、今後の審査の結果いかんによっては、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であると当取引所が認める場合に該当するおそれがあると認められることから、同社株式を監理銘柄(審査中)に指定します」とのこと。
T:オルツほどの悪質性があるかわからないけれど、早々に市場から撤退して頂きたい会社と言えそうだね。
A:オルツは2024年10月に東証グロース市場に上場したばかりでした。AI議事録サービス「AG GIJIROKU」が主力サービス。また、生成AIを活用して従業員の分身をつくる「デジタルクローン」も手掛けています。
T:社長の米倉千貴氏、CFOの日置友輔氏だけでなく、主幹事証券会社(大和証券)、監査法人(現在はシドー)、ベンチャーキャピタル(ジャフコ)、東証などにも大きな責任があると思われる。
