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夜風|風まかせ文芸部

 月の明るい晩、二人で海沿いを歩いた。居酒屋で飲んだあと、コンビニに寄って、缶ビールと焼き鳥を買った。

 しばらく風に吹かれて、テトラポッドの横に座った。ビールを開けて乾杯した。

「最高!」
 顔を見合わせて笑った。
 そして、急にしんみりと、
「あーもう最後なんやね」
 そう言って、わたしの顔を見た。

 幼馴染だったわたしたちは、大学に入学してから再会し、付き合い始めた。

 わたしに好きな人ができた。
 嘘をついたまま付き合い続けることはできなくて、終わりにしようと決めた。

 夜風が沁みた。
「いやぁ、やっぱり無理やー」
「俺も!」
と即座に答えて、ビールを地面に置いた。
 わたしもビールを置いた。

 二人で海を見た。月はずっと明るかった。