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sfff_prototyping
SS#078_処方箋 / A Prescription
人類は「創造性」を人工的に発生させるべく、脳へのモザイク変異導入技術を完成させた。
しかし、人間の脳だけでは変異のパターンが足りない。
そこで、
カラスの好奇心
犬の共感性
タコの問題解決
サルの模倣
渡り鳥の空間認識
など、様々な動物の神経発達遺伝子を「変異パターン」として組みこむことにした。
以来、人々はときどき動物らしい衝動に襲われるようになった。
会議中、窓の外の光るものを拾いに行ってしまう人。
昼食前になると涎が止まらない人。
マタタビの香水を禁止してほしいと署名活動をする人。
そして、Yさんは初対面の人の匂いを確認したくなる衝動に悩んでいた。
「これって病気でしょうか。」
診察を終えた医師は、カルテを閉じた。
「病気ではありません。」
Yさんは胸をなで下ろした。
「では、どうすれば?」
医師はリードを二本手に取って診察室のドアを開けた。
「そんなことより、散歩に行きましょう。」
外には同じような患者たちが集まり、羊の群れを巧みに操っていた。

