心理的安全性の次に来る「組織のウェルビーイング」――⑤自律的革新力と事業継続性
なぜ伝統的なお祭りは、何百年も続くのでしょう。
長い時の中で、担い手が変わり、
運営方法も変わってきたはずです。
それでも、お祭りは続いています。
しかも、
その運営を多くのボランティアが積極的に支えています。
なぜ、
人々はそこまでしてお祭りを支えるのでしょう。
なぜ、
お祭りは「続けなければならない」ではなく、
「また来年もやりたい」と思えるのでしょう。
発見
受け継いでいるのは、
神輿や山車のように形あるものだけではありません。
そこでは、参加する人々のさまざまな思いも、
世代を越えて積み重なっているように感じます。
ある人は、
地域のみんなと一緒に準備する時間を楽しみにしています。
ある人は、
同級生との再会を楽しみにし、
ある人は、
子どもと金魚すくいをした思い出を大切にしているのです。
「また来年もやりたい。」
その気持ちは共通でも、
その背景にある思いは一人ひとり違います。
企業への置き換え
会社は、
ただ商品やサービスをつくっているだけではありません。
仕事を通じて、
・仲間と考えた経験
・お客様に喜んでもらえた経験
・後輩が成長した経験
・困難を乗り越えた経験
そんな経験は、人に
・満足感
・達成感
・成長感
・自己肯定感
をもたらします。
だから、仕事を通じて得た良い経験は、
働く人のウェルビーイングを支えるものになるのでしょう。
そして、
その経験が人それぞれ違うように、
ウェルビーイングの感じ方も一人ひとり違うものになります。
効率だけでは続かない
企業が長く続くためには、
効率はもちろん欠かせません。
より良い商品やサービスを、
効率よくお客様に届ける。
それは、
企業が価値を生み出し続けるために欠かせません。
しかし、効率だけを追い求めると、
・教え合う時間
・一緒に考える時間
・振り返る時間
まで削ってしまうことがあります。
それでは、
働く楽しさまで失ってしまうかもしれません。
仕事は成果を生み出すプロセスであると同時に、
働く人が経験を積み重ねるプロセスでもあります。
もし、その仕事の進め方が、
成果だけでなく良い経験も生み出せるとしたらどうでしょう。
組織開発との接続
良い経験の背景には、
その経験を生み出したプロセスがあります。
組織開発では、結果だけでなく、
その経験が生まれたプロセスを振り返ります。
・なぜ今回はうまくいったのか
・どんな話し合いがあったのか
・誰が、どんな働きかけをしたのか
良いプロセスを見える化し、
みんなで共有できる言葉にしていく。
こうすることで、偶然だった良い経験を、
次のチームでも、来年でも、また新しい人が加わっても、
再現しやすくなります。
組織開発とは、
良い経験の再現性を高める営みとも言えるのです。
まとめ
人が変わっても、プロセスは変化しながら受け継がれる。
長く続く組織は、変わらない組織ではありません。
大切にしたい価値を受け継ぎながら、
仕事の進め方は時代に合わせて変えていく。
そして、一人ひとりが、
「またこの仲間と働きたい」
「来年もこの仕事を続けたい」
と思える経験を積み重ねていく。
心理的安全性は、その入口です。
組織のウェルビーイングとは、
そうした良い経験が生まれ続けるプロセスを、
みんなで育て、
次の世代へ受け継いでいくことなのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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