【レポ】適当な人間しかいない「坊主バー」を紹介させてくれ
もう10年近く、好きで通っているバーがある。
通っているといっても実際に行くのは年1、2回だ。
そこは東京の四谷にある「坊主バー」。本物のお坊さんがやっているバーだ。

坊主がやってるから、真面目なバーかと思うだろうが、全然違う。
まず店員の坊主が適当すぎる。
「俺は若い頃、金がなかったので毎日原宿の竹下通りで段ボールを敷いて寝ていた」
「いつか親父狩りに会うんじゃないかと怯えている。もし会ったときに言いたいセリフを毎日シミュレーションしている」
など、嘘が本当かわからない、しょうもない話ばっかりしている。
坊主の説法的な、ためになる話を聞いたことがない。
坊主だけでなく、客も適当である。
よくおじさんと話す機会があるんだけど、全員会話の内容が適当すぎる。
「仕事っていうのはさ、大事なことがあるんだよ。えーと、…。あれ、俺はなんて言いたかったの?」
「俺の老眼鏡はすべてが透けて見えるんだよ」
私「そんなわけないでしょう」
「さすが、あなたは真実を見抜く力がある」
こちらもあまりに適当な、バーから出た瞬間に忘れるような話ばっかりしている。
全員適当なんだが、たまに「大抵の人は、人生大成功もしないし、大失敗もしない。だから気軽に挑戦すれば良いんだよ」など、年の功から得た言葉を聞けることも。
おじさんが別の客から失礼なことを言われたときも、「良いんだよお酒の席なんだから。よくあること」
など、適当だからこそ、多くのことを気にしない寛容さも見ることができる。

いつも悩みがあるときに行くことが多いのだが、このバーに行って悩みが解決したことがない。
ただ、この坊主含むおじさん達の適当さが、「そんなに深く考えてもしょうがないか」と少し心をラクにしてくれるのである。
常連も多いが、結構人気のあるバーなので新規の客や観光客も多く、メンバーが固定化されないので誰でも行きやすい。
年齢層も高めなので、身内で固まることがなく、新規の客でも積極的に話かけてくれる。
酔っ払ったおじさんによく絡まれるので、好き嫌いはあると思う。
だけど、つい考えすぎてしまう夜にフラッと行ってみると、心が軽くなる瞬間があるかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!
いつも読んでいただきありがとうございます!
チップもいただけると、とっても嬉しいです😆
今はドーナツ食べたいです!笑