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桃太郎 〜鬼退治から始まるお金の話〜第6章 非課税の畑(NISA)って、結局なにを植えたらええの?

家計の鬼たちを一通りあぶり出した桃太郎。
「固定費 → NISAへ流す仕組み」までは作ったものの、
ここで新たな悩みにぶつかっていた——。

「……で、NISAって何植えたらええん?」

畑を作ってから「さて何植える?」で固まるのは、
現代のアラフォーも桃太郎も、まったく同じだった。


第一章から第五章はこちらを御確認ください



🌱第41節:畑の前で固まる男

ある朝。
桃太郎は村はずれの畑の前で腕を組んでいた。

犬:「桃太郎、何してんねん?」
桃太郎:「……畑、作ったはええねん」
猿:「うん」
桃太郎:「何植えるか……わからんねん」
雉:「リアル投資初心者の悩み、100点満点で出てきたな」

桃太郎は地面に棒で円を描きながら、
「米……麦……とうもろこし……指数……?」
とつぶやき続けている。

おばあさんが通りかかり、微笑んだ。

おばあさん:「桃、畑やのうてNISAの話やろ」
桃太郎:「そや。なんか“買ってはいけない草”生やしそうで怖いねん」
おばあさん:「草(クサ)って言い方やめ」


🌾第42節:NISAの畑の“基本ルール”

おばあさんは、畑の土の上に指で四角を描いた。

おばあさん:「ええか桃。
この畑は“NISA(ニーサ)の畑”や」

桃太郎:「ちょっと待って。
ニーサって誰や。兄さんなんていたんか?
うち、急に親戚増えた?」

犬:「家系図に“ニーサ兄さん”増やすな」
猿:「“桃太郎・弟、NISA・兄”みたいな設定やめぇ」
雉:「ほらおばあさん、正式名称の出番やで」

おばあさん:「はいはい。
NISAってな、ほんまは
『少額投資非課税制度(しょうがくとうしひかぜいせいど)』
って長い名前がついとる」

桃太郎:「長っ。
“兄さん”のほうが覚えやすいやん」

おばあさん:「せやから略して“ニーサ”。
ざっくり言うと——

ふつうは投資で増えた分に税金がかかるけど、
この畑の中で育てた分は“税金ゼロでええよ”って決められた特別な畑

……が、NISAや」

犬:「普通の畑やと、実がなったら2割くらい税金で持っていかれるイメージやな」
猿:「でもNISAの畑やと、
その**“持っていかれる分”が丸ごと自分のものになる**、って感じか」
雉:「つまり“非課税の畑”ってそういう意味やな」

桃太郎:「なるほど。
同じタネ植えるなら、“税金とられへん畑”で育てたほうが得ってことか」

おばあさん:「そのとおり。
せやからNISAでは、

  • 長く育てたい作物(=投資商品)だけを植える

  • すぐ抜いたり、ギャンブル的な草は植えない

これが“基本ルール”や」

桃太郎:「兄さん(ニーサ)、ちょっと好きになってきたわ」

犬:「その呼び方は一生やりな」
猿:「兄さんの顔は“非課税枠”や」
雉:「意味わからんけど響きはいい」

おばあさん:「とにかく——
“長く、静かに育てるための特別な畑”がNISAやって覚えとき」


🌳第43節:植えていいのは、たった3種類

おばあさんは指を3本立てた。


① 全世界株(オールカントリー)という“世界の森”

おばあさん:「これは世界中の企業をまとめて植える“森”や」
猿:「森ごと買うって発想すごいよな」
雉:「一本やられても、森全体は生きる」
犬:「世界の成長に乗れるやつやな」

桃太郎:「“ひとつ倒れても畑は枯れへん”ってことか」


② 米国株(S&P500)という“めちゃ肥えた大地”

おばあさん:「アメリカの500の大企業を植えるやつや」
猿:「歴史的に強い土壌(経済)がある」
犬:「アップルとかグーグルとか、有名どころもだいたい含まれてる」
雉:「“成長スピード早めの畑”って感じやな」

桃太郎:「森か大地か……贅沢な悩みやな」


③ バランス型という“育てやすい畑セット”

おばあさん:「株だけやのうて、債券や不動産も混ざった“ミックス畑”や」
猿:「株だけより伸びは遅いけど、荒天に強い」
犬:「暴落こわい初心者には安心かもしれんな」
雉:「“ジェットコースターより、観覧車派”って人向けや」

桃太郎:「ほな、暴落で吐きたくない人は③か」


🚫第44節:逆に植えたらアカン作物(=NISAで買ったら危険)

おばあさんは、畑の端に大きく×印を描く。

おばあさん:「ほな次は、植えたら一発で畑が荒れる作物や」

猿:「読者が一番気になるやつ」
犬:「“やりがち”なんやろ?」


❌ ① 個別株を“ノリで買う”

桃太郎:「ノリで……?」
猿:「“あの会社好きやし買っとこ!”ってやつや」
おばあさん:「NISAは長期運用が本体やから、
“倒れたらゼロになる木”を1本だけ植えるのは、畑に向かへん

桃太郎:「最低でも“森”で育てるんが安全ってことか」


❌ ② 高配当“だけ”狙いの株

おばあさん:「配当ほしい気持ちは分かる。
でも“高配当=安定”ではないんや」

猿:「配当欲しさに弱った木を買う人、多いねん」
犬:「木が弱ってるから“見かけ上の配当が高く見えてる”こともあるしな」
雉:「“果実だけほしい”で選ぶと、木が枯れるパターンあるあるや」

桃太郎:「木が倒れたら果実どころやないもんな」


❌ ③ レバレッジ商品(伸びるけど折れやすい)

おばあさん:「レバレッジってな、
**“自分のお金+借りた力で、値動きを何倍にもする”**って仕組みや」

桃太郎:「……レバ? レバって……レバ刺しのこと?」
犬:「食べ物に引っ張られすぎや!」
猿:「お前、“投資=食べ物”で連想するクセやめぇ」
雉:「レバ刺しは美味しいけど、レバレッジは胃もたれするほうやぞ」

桃太郎:「名前似てるねん……どっちも“レバ”って書くからや」

おばあさん:「ほな整理するで。
レバ刺し:口に入れると幸せになる
レバレッジ:値動きが倍になってメンタルが死ぬ

——この違いや」

猿:「たとえの暴力やな」

おばあさん:「で、本題のレバレッジやけど……
本来“1上がる・1下がる”のところを、
2倍・3倍で動かすんや」

犬:「じゃあ1下がったら……?」
おばあさん:「2〜3下がる
桃太郎:「レバ刺しより危険やん」

猿:「もっと言うとやな、
こういう商品は**“毎日、倍率を調整し直す”**仕組みなんや」

雉:「すると何が起きるん?」
猿:「長期で持つと、
“上がったのに、なぜか増えてへん”
“ヨコヨコでも減ってる”
みたいな現象が起きやすいんや」

犬:「短距離の全力疾走を、毎日させられてる木みたいなもんやな」
雉:「そら折れるわ」

おばあさん:「つまり——
レバレッジ=育てる畑やなくて、火花散らす競技場なんや。
NISAの畑に植えたら、畑ごと燃えるで」

桃太郎:「じゃあこれは……“畑の外で遊ぶやつ”か」
おばあさん:「せや。
NISAでやる必要ゼロ。むしろ畑NG。
長期では枯れやすい木やと思っとき」

桃太郎:「よし、レバ刺しは食べるけどレバレッジは触らんことにする」
犬:「分け方としてはだいたい合ってる」


🌤第45節:桃太郎、やっと理解する

桃太郎は深く頷いた。

桃太郎:「つまり——
“長く育てられる木だけ植える”
これがNISAという畑の鉄則なんやな?

おばあさん:「せや。その上で、桃が何を選ぶかは“性格次第”や」

おばあさんは三択を書いた。


🍀【桃太郎の性格診断】どれを植えるべきか?

① 世界の変化をまるっと楽しみたい → 全世界株(森)
② アメリカの成長を信じる → S&P500(大地)
③ 暴落こわい・ジェットコースター無理 → バランス型(ミックス畑)

桃太郎はしばらく考え込み、深呼吸した。

桃太郎:「……やっぱ①かな。
“世界まるごとの森”を育てたい。

猿:「お、森いった理由は?」

桃太郎:「だってさ……
普段使ってるお金も、仕事も、生活も、全部“日本より”やん?
せやのに投資まで日本に寄せたら、
“日本ガチャに全振り”みたいになるやろ。

犬:「たしかに。
“財布も円、給料も円、生活圏も全部日本”って時点で、
かなり日本ベッタリやな」

雉:「投資まで日本オンリーにすると、
もう“日本の船”から絶対降りられへん状態になるしな」

猿:「世界の森に広げとけば、
どこかの国が調子悪くても、他の木が育つからな」

桃太郎:「せやねん。
日本が悪いとかやなくて、
リスクの置き場所が全部ひとつ国に偏るのが怖いんよ。
だから俺は “日本のぞく森(ex-Japan)寄り” で育てたいんや」

犬:「ええやん。生活が日本偏りなんは避けようがないけど、
投資は自分で“偏りを直せる”からな」

雉:「つまり桃太郎は、
生活→日本
投資→世界
でバランス取るタイプ
ってことやな」

桃太郎:「そ。
普段の生活が日本100%やからこそ、
投資くらい世界を味方につけたい
んよ」

おばあさん:「いい選び方やで桃。
せやけど忘れたらあかんのは、
“何を選ぶかより、どれだけ続けるか”のほうが10倍強い
ってことや」

桃太郎:「続ける覚悟やな……!」

🌾第46節:積立という“毎日の魔法”

おばあさんは、畑の土に一本の細い線を描いた。

おばあさん:「ほな桃。最後に一番大事な魔法教えとくわ。
それが——
“積立(ドルコスト)という自動の魔法”や」

猿:「高いときは少なく買い、
安いときは多く買い、
“平均するとちょうどよくなる”やつやな」

犬:「“買うタイミング悩む時間”がゼロになるやつ」

雉:「悩むの下手な桃太郎には一番向いてるやつや」

桃太郎:「言い方よ」

おばあさん:「積立はな、
毎月、未来の自分に“ちょっとずつ贈り物”してるみたいなもんやで。
それが何年も積もれば、気づいたら“宝の山”になるんや」

桃太郎:「よし……畑、ちゃんと育ててみる」

おばあさん:「楽しんで育て。
畑はな、急に実らんけど、裏切りもせえへん」

桃太郎は土をそっと掴んだ。

桃太郎:「ここからが、俺の“第二の鬼退治”や」


📣次回予告(第7章)

第7章「暴落の鬼、ついに来る。桃太郎、メンタルを試される」
畑を育てはじめた途端やってくる“暴落の鬼”。
桃太郎は逃げるのか? それとも進むのか?
メンタル編、開幕。




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