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法人名義の自動車を代表者へ名義変更する場合

 会社名義の自動車を代表者(個人)へ名義変更する際、運輸支局での移転登録だけを考えている方が多いですが、実は法人内部での手続も重要です。
 特に、法人財産である自動車を代表者個人へ譲渡する場合には、

・社内で売却の承認を得ているか
・適正価格で譲渡しているか
・利益相反取引に該当しないか

などを明確にしておく必要があります。
 そのため、実務上は取締役会議事録や株主総会議事録などを作成しておくのが安全です。
 今回は、法人から代表者個人へ自動車を名義変更する場合の必要書類に加え、法人の議事録作成についても詳しくわかりやすく解説します。



1 法人から代表者への名義変更とは

 法人名義の普通自動車を代表者(個人)へ変更する場合、法律上は移転登録となり、売買・譲渡した日から15日以内に手続が必要です。

【道路運送車両法第13条】
自動車の所有者に変更があったときは、新所有者は、その事由があった日から15日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。


2 法人内部で必要となる議事録

 法人の車は会社の財産であるため、代表者が個人で取得する場合には、社内承認を残しておくことが重要です。

① 取締役会設置会社の場合

 取締役会で承認し、議事録を作成するのが安全です。

【根拠条文 会社法第356条】
取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするときは、重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

 代表取締役が会社から車を買う行為は、利益相反取引に該当する可能性があります。
 また、取締役会設置会社では、会社法第365条により取締役会決議事項となる場合があります。


② 取締役会非設置会社の場合

 株主総会または取締役の決定書を作成することがあり、特に中小企業では、以下などで対応することが多いです。

・株主総会議事録
・取締役決定書
・社員総会議事録(合同会社)


③ 議事録が必要な理由

 議事録があることで、以下のメリットがあります。

・適正な社内手続を踏んだ証拠になる
・税務調査で説明しやすい
・会社財産の私的流用を疑われにくい

 万が一、どちらを作成したらいいか不明な場合は、登記事項証明書(商業登記簿)や法人の定款をご確認ください。


3 運輸支局へ提出する書類

① 法人側(旧所有者)

・車検証
・譲渡証明書(法人実印)
・委任状(法人実印)
・印鑑証明書(法人)
・議事録
・登記事項証明書(必要な場合)


② 代表者個人側(新所有者)

・OCR申請書
・手数料納付書
・印鑑証明書
・車庫証明書
・委任状
・自動車税申告書


4 税務上の注意点

 法人から代表者へ著しく安い価格で譲渡すると、以下の問題が発生しますので、時価で譲渡するのが安全です。

・法人税法上の寄附認定
・所得税法上の給与課税(経済的利益)
・贈与税の問題

 また、議事録にも売却価格の根拠を残しておくと安心です。


5 手続の流れ

① 法人で売却決議(議事録作成)
     ↓
② 売買契約・譲渡証明書作成
     ↓
③ 車庫証明取得
     ↓
④ 運輸支局で移転登録
     ↓
⑤ 保険変更
     ↓
⑥ 会計処理・固定資産除却処理


6 まとめ

 法人から代表者へ自動車の名義変更をする場合には、以下の3つを意識する必要があります。

・運輸支局での移転登録
・法人内部での議事録作成
・税務処理

 特に代表者への譲渡は利益相反取引に該当する可能性があるため、会社法第356条及び第365条を踏まえた社内承認が重要で、形式だけではなく、適正価格での売却と証拠書類の保存が重要になります。


7 当事務所のサポート

 当事務所では、以下のことをトータルで対応しております。

・必要書類の作成
・譲渡証明書、委任状作成
・議事録作成サポート
・法人から個人への自動車名義変更
・車庫証明取得


 今回記事にした名義変更だけでなく、住所変更、自動車登録、車庫証明についてもお気軽にご相談ください。


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行政書士坂部義之事務所
坂部 義之

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